第3節 住まい方に関する取組み

■2 住まいの多様化に対応する取組み

(人の交流が広がる住まい方を支援する取組み)
■二地域居住の推進
 多様な魅力を持つ持続可能な地域の形成を目指すためには、地域づくりの担い手となる人材の確保が必要である。このためには、都市の住民が、農山漁村などの地域に移住するのみならず、都市に加え地域にも同時に生活拠点を持つ「二地域居住」等、多様なライフスタイルの推進が必要である(図表3-3-7)。
 
図表3-3-7 二地域居住のイメージ
図表3-3-7 二地域居住のイメージ

 国土交通省では、二地域居住の推進に向けて、行政と民間企業が連携した先進的な取組みに関する調査を行っている。当該調査では、有識者からなる委員会にて選定された取組みに対して、有識者によるアドバイスや、取組みを進めるにあたっての費用の助成等のサポートを行う。さらに、その取組みの効果等の検証を行い、その上で、二地域居住の推進のために、今後必要となる課題等の検討を行っている。

■全国の空き家・空き地の流通・利活用の促進
 空き家・空き地バンクは、空き家等の物件情報を地方公共団体のウェブサイト等で発信する取組みで、全自治体の約4割が設置済み、約2割が準備中又は今後設置予定であるなど、移住・二地域居住の支援を通じた地域の活性化にもつながる空き家対策の一つとして取組みが進みつつある(図表3-3-8)。しかしながら、自治体ごとに開示の項目が異なり、利用者にとって検索や比較検討が難しいといった課題も指摘されていた。
 
図表3-3-8 空き家バンクを利用した移住の事例(兵庫県宍粟(しそう)市)
図表3-3-8 空き家バンクを利用した移住の事例(兵庫県宍粟(しそう)市)

 これを受けて、国土交通省は2017年10月から、各自治体の空き家等情報の標準化・集約化を図るとともに、全国どこからでも簡単にアクセス・検索できるよう「全国版空き家・空き地バンク」の試行運用を開始し、2018年4月から、地域の魅力紹介に加え、空き家等の物件を中心としてハザード情報、生活支援情報等を地図上に重ねて表示できるようにするなど、更なる高機能化を図り、本格運用を開始する(図表3-3-9)。
 
図表3-3-9 全国版空き家・空き地バンクのイメージ
図表3-3-9 全国版空き家・空き地バンクのイメージ


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