第5節 北海道総合開発の推進

コラム 守れ!北海道の「生産空間」!

 「生産空間」とは、農林水産・観光に係る場のことで、北海道総合開発計画に位置付けられた新たな概念です。北海道において、農業・漁業の生産は主に地方部で行われ、また、観光資源・地域資源も地方部に広く分布しています。しかしながら、全国に先だって急速に進行している人口減少・高齢化や、北海道特有の広域分散型社会と相まって、これらの「食」・「観光」を担っている「生産空間」で暮らす人々の生活が困難になるおそれがあります。そのため、「生活サービス」を市街地(地方部の市街地)に、「いのちの安心」を最寄りの大きなまち(圏域中心都市)に、それぞれ頼りながら、「生産空間」に住み続けられる北海道型の地域構造の保持・形成が重要です。
 このような状況を踏まえ、産業構造や地理的な特性から、名寄周辺モデル地域・十勝南モデル地域・釧路沿岸モデル地域の3つのモデル的な圏域を設定し、その圏域に属する国・地方公共団体・地域住民など多様な主体が、一体となって考え・行動するための取組みの検討を開始しました。各検討会には、国や地方公共団体はもちろんのこと、その地域で活躍されている学識者や民間企業にも参画頂き、地域が直面する課題や各主体の取組みの紹介、今後の地域がとるべき施策等について意見交換を行います。
 平成29年11月、30年1月及び2月に開催した第1回目のモデル地域圏域検討会においては、社会インフラのみではなく、地域医療・人材育成・スマート農業などの様々な課題について、意見交換を行いました。今後それぞれのモデル地域において、多様な主体が協同・連携して行う施策パッケージを取りまとめ、検討会のメンバーが中心となってそれぞれの施策を推進します。その後、このような取組みを全道的に展開・発信する予定です。
 
北海道の生産空間・地方都の市街地・圏域中心都市の分布図
北海道の生産空間・地方都の市街地・圏域中心都市の分布図

 
生産空間の取組事例(概念図)
生産空間の取組事例(概念図)


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