第5節 危機管理・安全保障対策

■5 感染症対策

 感染症対策については、厚生労働省や内閣官房をはじめとする関係省庁と緊密に連携し対応している。
 特に新型インフルエンザ等対策については、「新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)」が平成24 年5月に公布、25年4月に施行された。特措法では、感染拡大を可能な限り抑制し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小とする観点から、1)事業者一般については、予防及び対策に協力するよう努め、まん延により生ずる影響を考慮し、その事業実施に関し適切な措置を講ずるよう努めなければならないこと、2)特定接種の対象となる登録事業者は、発生時においても、国民生活・経済の安定に寄与する業務の継続に努めなければならないこと、3)指定公共機関等は、発生時に新型インフルエンザ等対策を実施する責務を有する旨規定され、運送事業者である指定公共機関は、新型インフルエンザ等緊急事態において、それぞれその業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送を適切に実施するため必要な措置を講じなければならないこととされている。
 25年6月には、特措法に基づく新型インフルエンザ等対策政府行動計画が閣議決定され、新型インフルエンザ等対策の実施に関する基本的な方針、各発生段階における、実施体制、サーベイランス・情報収集、予防・まん延防止、医療、国民生活及び国民経済の安定の確保に関する対策が盛り込まれている。
 これを受け、国土交通省においても、国土交通省新型インフルエンザ等対策行動計画を25年6月に改定し、特措法で新たに盛り込まれた各種の措置の運用等について、1)運送事業者である指定(地方)公共機関の役割等、2)新型インフルエンザ等緊急事態宣言がされた場合における対応等を規定した。この他、海外発生期では、国内でのまん延をできる限り遅らせるための水際対策に協力し、検疫空港・港が集約される場合には、空港・港湾管理者等の協力を促し、国内発生早期以降では、緊急の必要がある場合には、医薬品、食料品等の緊急物資の運送要請等を行うこととしている。
 また、25年から、毎年、新型インフルエンザの国内発生を想定した情報伝達訓練を実施しており、加えて、28年からは国土交通省新型インフルエンザ対策等対策本部の運営訓練を実施し、新型インフルエンザ国内感染拡大時における必要な対応を確認した。


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