第3節 豊かで美しい自然環境を保全・再生する国土づくり

コラム 国土交通省におけるヒアリ対策

 ヒアリについては、平成29年6月に兵庫県尼崎市で確認されて以降、26事例12都府県で確認されています(平成30年1月時点)。
 ヒアリの特徴は、体長が2.5mm〜6mmほどの小さな赤茶色いアリで、刺されると激しい痛みや、アナフィラキシー症状を引き起こす可能性もあります。ヒアリの原産地は南米と言われておりますが、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、中国、台湾など環太平洋諸国に分布が拡がっていることが確認されています。日本では現時点で定着は確認されていないことから、今後の侵入・定着を防ぐため、早期発見・早期防除が重要とされています。
 そのため、国土交通省では、水際における対策が重要であるとの考えのもと、これまで港湾や空港等における対策を実施するとともに、海運・倉庫・トラック・鉄道業界等に対しても注意喚起等を行ってまいりました。
 港湾における対策としては、ヒアリの定着防止のためヒアリの生息国又は地域との定期コンテナ航路を有する全国68港湾において、ヒアリの生息環境になり得るコンテナヤードの舗装の隙間を埋める緊急工事を実施しました。さらに、港湾管理者がコンテナヤードにおいて、ヒアリの定着を防止するため舗装の改良を実施する場合の支援制度を創設したところです。
 あわせて、コンテナヤードだけでなく、コンテナ内でもヒアリが確認されていることを踏まえ、コンテナから貨物を取り出す際や、空コンテナについてもヒアリの有無の確認を強化しています。
 また、環境省が実施している、ヒアリ確認地点の周辺2km程度の調査や、ヒアリの生息国・地域からの定期コンテナ航路を有する全国68港湾におけるヒアリの調査・防除にも協力しています。
 空港における対策としては、平成29年7月と10月から11月にかけて、国際貨物の取扱いがある空港において、ヒアリに関する緊急点検を実施しましたが、いずれも、ヒアリは確認されておりません。
 国土交通省としては、今後も関係省庁と連携し、水際におけるヒアリの侵入・定着防止の対策に取り組んでまいります。
 
ヒアリ拡大図
ヒアリ拡大図

 
緊急工事を視察する石井大臣
緊急工事を視察する石井大臣


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