コラム　トップセールスの精力的な推進

　平成29年度中、国土交通大臣・副大臣・大臣政務官は、相手国の政府要人に対して我が国インフラシステムのトップセールスを行いました。ここでは、国土交通大臣によるトップセールスの事例を紹介します。

（1）石井国土交通大臣のシンガポール・マレーシア出張
　平成29年8月、石井国土交通大臣はシンガポール及びマレーシアを訪問し、政府要人と日本の新幹線のシステムのトップセールスやインフラ・交通分野における協力について二国間会談を行いました。

　また、シンガポールでは、高速鉄道に関するシンポジウムに出席し、新幹線で培った日本の経験、技術、ノウハウをシンガポールの関係者と共有し両国のパートナーシップをさらに深めていきたい旨述べたほか、港湾セミナーにも出席し、LNGバンカリングの促進及び次世代コンテナターミナルの実現に向けて日本との協力関係の強化を訴えました。
　また、マレーシアでは、海上交通管制のためのASEAN地域訓練センター設立記念式典に出席し、ASEANの航行安全対策強化の一環として、我が国の支援により設立された、ASEAN地域訓練センターの意義を強調しつつ、同センターが今後のASEANにおける海上交通の安全確保及び日ASEAN協力関係の更なる発展につながることへの期待を述べました。

（2）簗国土交通大臣政務官のミャンマー出張
　平成29年11月、簗国土交通大臣政務官は、ミャンマー・ヤンゴン市内での日本企業による都市開発事業に関する式典等に出席し、本プロジェクトは日緬友好の象徴的なプロジェクトであり、今後も日本企業によるプロジェクトが数多く実現するよう最大限の支援を行い、ミャンマーの発展と都市問題の解決に貢献していくと述べました。また、簗政務官は、ミャンマー国内で進められている日本企業による都市開発プロジェクト等の現場を視察しました。

（3）石井国土交通大臣のスリランカ・インド出張
　平成29年12月、石井国土交通大臣は、スリランカ及びインドの政府要人と、インフラ・交通分野における政策協議を行いました。スリランカでは水害・土砂災害対策や、都市化に伴い必要となった下水道整備等の分野における協力について、インドでは高速鉄道をはじめとする鉄道案件、高速鉄道駅周辺の都市開発、道路等の協力について意見交換を行いました。

（4）牧野国土交通副大臣のセネガル・モロッコ出張
　平成30年1月、牧野国土交通副大臣は、28年9月に立ち上げた「アフリカ・インフラ協議会」（JAIDA）会員企業約20社を同行し、セネガルで官民インフラ会議を開催しました。同会議では、サル大統領臨席の下、ジャロインフラ・陸上運輸・交通整備大臣との間で「質の高いインフラ投資」推進及び協力関係の継続に係る覚書に署名し、会議後も対話を継続するため、「質の高いインフラ対話」を立ち上げることに合意しました。また、「ダカール港第三埠頭改修計画」及び「マメル海水淡水化事業」等、我が国企業の協力を期待するプロジェクトについて意見交換を行いました。

　また、モロッコでは、アマラ設備・運輸・ロジスティクス・水利大臣との間で「質の高いインフラ投資」推進協力に係る覚書に署名し、両国共同でモロッコ及び他のアフリカ各国の「質の高いインフラ」整備を促進するための協力関係を深めていくことで合意しました。また、「ケニトラ大西洋新港建設事業」における日本企業受注に向けてトップセールスを実施しました。

（5）石井国土交通大臣の米国出張
　平成30年1月、石井国土交通大臣は、29年10月に署名した交通インフラ分野における米国運輸省との協力覚書に基づき、ワシントンDCで日米インフラフォーラムを開催しました。基調講演では、チャオ運輸長官とともにスピーチを行い、日米協力によるインフラメンテナンスの重要性と可能性を来場者に訴えました。
　また、チャオ運輸長官及びカーソン住宅都市開発長官と二国間会談を行い、テキサス高速鉄道や日米でのインフラ協力、今後の住宅・都市政策について意見交換を行いました。

（6）あきもと国土交通副大臣のパナマ・コロンビア出張
　平成30年1月、あきもと国土交通副大臣は、パナマ及びコロンビアに出張し、パナマではキハーノ運河庁長官及びモレノ海事庁副長官出席の下、日・パナマ海事政策対話を行い、今後も両国の協力を深めることで一致しました。コロンビアではカルドナ運輸大臣と会談を行い、ボゴタメトロ等の鉄道案件、港湾等のインフラ・交通分野における協力について意見交換を行いました。