第2節 国際交渉・連携等の推進

コラム 世界海上保安機関長官級会合の開催

 海上保安機関は、世界中の人々が安心して海を利用し、様々な恩恵を享受できるよう、国際海洋法のもと法の支配に基づき、海難救助、災害対応、海洋環境保全、そして海洋の秩序を保つことなどを通じて海上の安全を追求する機関です。
 近年、地球規模の自然環境や社会環境の変化により海洋において様々な被害や脅威が拡大していることを背景に、これまで海上保安機関が二国間又は地域における多国間で築き上げてきた既存の枠組みを越えて、これまでにないInter-Regionalな協力・連携関係を構築するため、平成29年9月12日から14日の間、世界で初となる「世界海上保安機関長官級会合」を海上保安庁と日本財団が共催しました。同会合には、アジア、大洋州、米州、欧州、アフリカから34箇国1地域の海上保安機関等の長官級、3つの国際機関の事務局長等を含む海外からの参加者約160名が参加したほか、国内の関係省庁や在京の大使館等からのオブザーバー参加を含め、総勢250名超が参加しました。
 
本会合
本会合

 
フェアウェルレセプション
フェアウェルレセプション

 本会合においては、海上保安機関の役割が世界的に高まっていることを認識し、連携強化、対話を拡大していくこと、具体的には様々な分野での先進的な事例・経験の共有、海上保安機関としての共通の行動理念の理解を深めつつ、人材育成のあり方を検討していくことが推奨されました。また、他国の参加者からのコメントとして、アメリカ沿岸警備隊から、課題に対処するためには、本会合の機会を通じたパートナーシップの強化が必要である旨の発言がありました。
 本会合で推奨されたこの考え方を海上保安機関から世界に発信し、行動に移していくことで、海とともに発展する世界の人々の安心と安全に貢献して参りたいと思います。
 今後は、本会合の目的、管理規則及び会議運営等について議論するための実務者レベルでの会合を開催していく予定となっています。
 
迎賓館でのウェルカムレセプション
迎賓館でのウェルカムレセプション


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