コラム 観光促進のための国際観光旅客税の創設と活用について ○検討の経緯  観光を我が国の基幹産業へと成長させ、「観光先進国」の実現を図るためには、今後更に増加する観光需要に対し、より高次元な観光施策を展開していく安定的な財源を確保する必要があります。平成28年3月の「明日の日本を支える観光ビジョン」等においても、2020年訪日外国人旅行者数4,000万人等の目標達成に向けて、観光立国の受益者の負担による財源確保を検討すべきとされており、これを踏まえ、29年9月には観光庁に設置された有識者会議において検討が行われました。同年11月の検討会による中間とりまとめを踏まえた税制改正要望を行い、同年12月の「平成30年度税制改正の大綱」において、観光促進のための税として31年1月7日以後の出国旅客に定額・一律1,000円の負担を求める国際観光旅客税が創設されることとなりました。 ○国際観光旅客税の税収の使途について  「国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針」(29年12月観光立国推進閣僚会議決定)では以下の3つの分野に充当することとしており、30年度予算においては、31年1月7日からの徴収による総額60億円の歳入について、方針に基づき特に新規性・緊急性の高い施策・事業に充てることとしております。 1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備  ・最新技術を活用した顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備等によるCIQ体制の整備  ・ICT等を活用した多言語対応等及び旅行安全情報等に関する情報プラットフォームの構築 2)我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化  ・JNTOサイト等を活用したデジタルマーケティングの実践 3)観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上  ・文化財や国立公園等に関する多言語解説の整備  ・訪日観光における新たな観光コンテンツ整備・VR等の最新技術を駆使した最先端観光の育成  税収が満年度化する31年度予算以降は、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗い替えが行えるよう、民間有識者の意見も踏まえつつ使途の検討を行い、予算編成を行っていきます。