平成2年度 運輸白書

第8章 観光レクリエーションの振興

第2節 レクリエーションの振興

    1 Marine'99計画の推進
    2 航空レジャーの振興


1 Marine'99計画の推進
 海洋性レクリエーション振興のための基盤整備、安全性の確保等に関するマスタープランである「Marine'99計画」に基づき、以下の施策を行っている。
(1) プレジャーボート保管機能の充実
 「全国マリーナ等整備方針」に基づき、公共マリーナ、民間マリーナ、簡易な係留施設であるプレジャーボートスポットの整備及び(財)日本舟艇利用振興センターによる陸上保管基地の整備(ハロー・マイボート構想)を推進するとともに、今年度創設された優良マリーナ認定制度によりマリーナの安全性、利便性の向上を図っている。
(2) ウォーターフロント空間の魅力の増進
 人工ビーチや魚釣り桟橋などを整備するとともに、民間活力を活用して海事博物館、研修施設、フィッシャーマンズワーフ、プロムナード、係留船によるレジャー施設などを整備しているほか、休日に港内の一部を小型ヨット等に開放する「ボート天国」の実施、海洋イベントに対する協力等を行っている。
(3) 安全性の確保
 安全教室の開催、訪船指導、海洋レジャー行事相談室による安全指導、海上安全指導員制度の充実、(財)沿岸レジャー安全センターによるスキューバダイビング等の安全管理者の養成やボードセーリング・セーフティー・ナンバーの登録制度の実施、プレジャーボートの修理体制の充実、小型船舶に係る海技資格制度の検討等の安全対策を推進している。
(4) インフォーメーション提供体制の強化
 詳細な波浪予測図の作成、台風進路の48時間予報の発表や海の相談室の拡充・強化を図るとともに、400MHz帯無線電話の普及等事故時における関係者間の情報連絡ルートの確立等安全情報に係る連絡体制の整備等を推進している。
(5) クルーズ需要への対応
 外航客船や国内遊覧専用船の建造に対する助成、民間活力の活用による旅客ターミナルの整備等を図っている。

2 航空レジャーの振興
 国民の余暇時間の拡大、所得水準の向上等に伴うレジャーの多様化、レジャー人口が増加する中で、大空を自由に飛びたいという人類の夢を現実のものとするパラグライダー、熱気球、ウルトラライトプレーン等の航空レジャーの人気が高まり、参加人口が急増してきている。
 一方、乏しい航空知識、未熟な飛行技術に起因する事故も多発しており、安全対策の必要性も高まっている。このような状況に対処するため、運輸省としては、全国の航空関係団体を通じて、航空レジャー愛好者を対象にした安全講習会の開催や事故防止調査等を行うことにより、航空レジャーの安全対策を講じて行くこととしている。また、地方自治体においては、航空レジャーの振興を通じて地域振興を図ろうとする動きが高まっている。
 このような動向の中で、運輸省の支援のもと、平成2年10月に(財)日本航空協会の中に全国スカイレジャー振興協議会が設立され、
@航空レジャーはもとより、広く航空活動についての啓蒙・普及活動
A航空レジャーに係る技術資格や指導者の養成等安全対策
B航空レジャーの活動の基地整備及び地域振興
等を推進していくこととなった。
 運輸省としても、今後とも、ゆとりある国民生活の実現等に向け、航空レジャーを広く、安全に楽しめるよう、航空レジャーの安全対策等の諸方策を進めていくこととしている。




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