(1)日本国有鉄道の発足まで


 我が国の鉄道事業は、明治5年10月14日の新橋〜横浜間の開業でその幕を開けた。
 当初は官営鉄道による整備が進められたが、国の財政状況の悪化から、民間資本の導入による民営鉄道の整備に重点が置かれることとなった。その後、政府の富国強兵施策の下で全国的な鉄道網の敷設を促進する等の観点から、25年の鉄道敷設法及び39年の鉄道国有法により幹線鉄道の国有化が進められ、大正11年の鉄道敷設法の改正によりローカル線についても整備が促進された。
 さらに第2次大戦後、国による鉄道の直営制度を改め、政府の監督を最小限にとどめた自由な経営主体として事業を行わせる企業体制を実現する観点から、昭和24年6月1日に公共企業体として日本国有鉄道(国鉄)が発足した。