(イ)運輸関連民間設備投資の動向


 (7年度の運輸関連民間設備投資実績は前年度実績よりやや減少)
 「運輸関連企業設備投資動向調査」(原則として資本金1億円以上の2,771社調査)によると、7年度の運輸関連企業設備投資の実績額は、工事ベースで総額2兆6,034億円、前年度実績の(以下同じ。)6.8%減となった〔2−1−32表〕
 部門別にみると、「運送業部門」全体では0.9%増で、航空利用運送業、港湾運送業及び鉄道利用運送業が大幅に増加する一方、国内旅客船業及び内航海運業が大幅に減少した。「製造業部門」全体では8.3%減であったが、鉄道車両製造業は前年並みであった。「その他の部門」全体では43.9%減で、自動車ターミナル業を除く全ての業種で大幅に減少した。この結果、全20業種中、11業種で投資額が減少した。

 (鉄道業、航空運送業及び倉庫業は増加)
 主な業種の設備投資動向をみると、鉄道業では、用地への投資の増加等から1.3%の増、航空運送業では、航空機への投資の増加等から12.3%の増、倉庫業では、冷蔵倉庫への投資の増加等から18.5%の増となった。

 (公害防止設備及び環境のための投資が大幅に増加し、エネルギー対策のための投資が大幅に減少)
 7年度設備投資実績(工事ベース)を投資目的別にみると〔2−1−33表〕、「公害防止設備及び環境のための投資」、が大幅に増加したものの、「エネルギー対策のための投資」及び「研究開発のための投資」は大幅に減少し、「能力増強のための投資上「サービス改善のための投資」等は減少した。

 

 (資金調達先のうち、政府系金融機関、社債のシェアが減少)
 7年度設備投資に係る資金調達の実績(支払ベース)は、総額2兆6,219億円、7.3%減となり、そのうち、内部資金は1兆5,180億円、3.2%増、外部資金は1兆1,039億円、18.6%減となった〔2−1−34図〕

 

 資金調達総額における構成比をみると、社債が3.4ポイント減少、政府系金融機関が1.3ポイント減少、外資が0.9ポイント減少し、外部資金全体では5.9ポイント減少した。

 (過去4年ぶりの増加)
 8年度の設備投資計画(工事ベース)は〔2−1−32表〕、総額2兆6,830億円、3.1%増と、前年度の減少から増加に転じた。
 主な業種の投資計画をみると、鉄道業は、用地等への投資が増加したことから11.2%増、トラック運送業は、車庫及び修理工場への投資等が増加したことから18.2%増となった。一方、航空運送業は、地上施設等への投資が減少したことから1.1%減となった〔2−1−35表〕