高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)とは、最先端の情報通信技術等を用いて人と道路と車両とを一体のシステムとして構築し、道路交通の安全性、輸送効率等の向上、渋滞の軽減等交通の円滑化を通じた環境の保全等を実現しようとするものである〔2−6−5図〕。
我が国では、ITSの推進について、7年2月に政府の高度情報通信社会推進本部(本部長:内閣総理大臣)が策定した「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」を踏まえ、7年8月に運輸省等関係5省庁が協力して「道路・交通・車両分野における情報化実施指針」を策定し、さらに、8年7月に「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」において20のITS利用者サービスを定義するとともに、ITSの9つの開発分野別の研究開発、展開に関する産学官の努力目標に関する今後20年間の長期ビジョンとして策定したところである。
運輸省においても、全体構想を踏まえ、引き続き関係省庁を含めた国内、国外の関係者との連携を図りながら以下の項目を中心として体系的、効率的にITSの推進を図っていくこととしている。
A道路運送事業におけるITSの活用方策に関する調査研究
8年度から道路運送事業における情報化のあり方とその導入効果等について調査を行う。
B高度化したナビゲーションに関する研究調査
ディスプレイの見やすさ等の安全性の評価に関する調査研究を6年度から8年度までの3か年計画で進めている。