(ア) 次世代造船業の構築


 我が国造船業は、最近10年間で高い生産性の向上を達成したが、在来の手法と技術では、今後とも国際競争力を強化しつつ、適切な就労環境及び雇用条件を提供していくのは容易ではないと考えられる。このため、高度情報化技術等を活用した次世代造船業の構築を推進することとしている。具体的には、CIM(注1)等による生産の高度化や CALS(注2)等情報技術の一層の活用による経営の合理化、効率化の推進等を図るとともに、関係業界を含めた高度情報化の推進体制の整備を図っていくこととしている。
 また、生産の集中化、船種・船型の専門化等を進めることにより、構造調整等の過程を通じて縮小した生産拠点が散在している現在の生産体制の適正化を図っていくこととしている。
 さらに、事業提携等による集約化を促進することにより、経営資源の有効活用、投資の効率化等を図っていくこととしている。

 

(注1)CIM(CIMS):Computer Integrated Manufacturing System(コンピュータ統合生産システム)
 受注から引渡しまでに至る生産活動を高度に自動化・情報化し、コンピュータにより統合的に管理するシステム。

 

(注2)CALS:Continuous Acuqisition and Life-cycle Support(生産・調達・運用支援統合情報システム)
 生産・調達・運用等の企業活動全般に関する情報を電子化し、関連する部門・企業間において共有するシステム。