(イ) 港湾を活かした地域連携の推進


 運輸省では、海上交通による物流ネットワーク、観光ネットワーク等を活用した沿岸域相互あるいは沿岸域と内陸部との連携を強化することにより、活力と魅力にあふれた地域の自立的な発展を促す「にぎわい・交流海道」の形成を推進してきた。
 具体的には、7年11月に発足した日本海沿岸121の県及び市町村等から成る「日本海にぎわい・交流海道推進協議会」の活動の一環として、8年8月に復元船「咸臨丸」による日本海沿岸クルージングが実施されている。瀬戸内海においても、3年5月に発足した198の県及び市町村等から成る「瀬戸内・海の道ネットワーク推進協議会」の活動の一環として、歴史や豊かな自然環境を生かした交流の実現に向け、北九州港や小松島港等において明治・大正時代の歴史的な洋風建築物を修復・保存する事業が既に実施されている。
 これらの活動状況を踏まえ、港湾を活用した地域の交流と連携の具体化について検討し、国土開発の新たなビジョンとして各地で提唱されている新たな国土軸構想や地域連携軸構想の実現を支援していくため、運輸省としては、今後とも「にぎわい・交流海道推進調査」を実施していくこととしている。