1 我が国の航空輸送の実績


 平成7年度の国内旅客輸送実績は約7,810万人(対前年度比約4.8%増)、国際旅客輸送実績は約4,357万人(対前年度比約12.2%増)となった。国内旅客輸送実績は、3年度以降景気後退の影響を強く受けて低迷を続け、5年度には8年ぶりに前年度をわずかながら下回った。6年度においても、上期の輸送実績は前年度並みか若しくは前年を下回ったが、6年9月の関西国際空港の開港、さらには7年1月の阪神淡路大震災の発生に伴う臨時便等の代替旅客輸送により、特に7年1月〜3月に前年同月比10%〜20%超の伸びを示した結果、年度計では増加に転じた。7年4月以降は前年同月比5%〜9%増で推移していたが、8年1月〜3月は前年度の阪神淡路大震災による代替輸送がなくなったため、前年同月比1%〜7.5%減となっている。その結果、7年度計では対前年度比4.8%増となっている。
 また、国際旅客輸送実績の伸びについては、4年度以降低迷していたが、6年度は急激な円高に伴って海外旅行に割安感が出てきたことに加え、6年9月の関西国際空港の開港により大阪方面の国際航空旅客需要が喚起され、大阪発着の国際旅客数は前年度に比べ年度計127万人(23.3%)伸びたため、やや回復した。その後阪神淡路大震災の影響により7年2月〜3月は需要が落ち込んだものの、5月以降は、引き続き活発な旅行需要を背景として着実に輸送人数が伸びたため、7年度は年度計で前年度に比べて大きく輸送実績が伸びることとなった〔2−9−7図〕

 

 貨物輸送については、7年度国内貨物輸送実績が79.1万トン(対前年比6.0%増)、国際貨物輸送実績が212.6万トン(対前年比6.5%増)となった。6年度の国内貨物輸送は、長引く景気の低迷にもかかわらず、低需要期に阪神淡路大震災が発生したため、7年1月〜3月は代替輸送により前年同月比で2桁台の伸びを示した。7年度にはいってからは前年同月比3.3%〜10.1%で推移しており、8年2月に、国内旅客輸送と同様、前年同月比4.3%減となっている以外は、堅調な伸びを示している。
 国際貨物輸送は、8年1月以降前年同月比1.6%〜0.7%減の時期も出ているものの、年度計では着実な伸びを示している〔2−9−8図〕