(ア) 航空交通環境の整備


 

(a) 航空保安システムの整備

 今後予想される航空交通の増大等のニーズに適切に対応し、かつ、安全性の向上と空域の有効利用による航空交通容量の拡大を図るため、人工衛星を中心とした新たな次世代の航空保安システムの整備を進める必要がある。このため、これまで航空管制機能を具備する運輸多目的衛星の製造、同衛星打ち上げロケットの制作に着手しており、8年度からは静止軌道位置に静止させる追跡管制のプログラム作成に着手することとしている(衛星の打ち上げは11年度)。
 また、現在の航空保安システムの中核をなす方位・距離情報提供施設(VOR/DME等)及び航空路監視レーダー(ARSR、ORSR)等についても引き続き整備を行っている。
 7年度においては、釧路及び熊本のCATIII ILS等の整備を完了し、運用を開始した。  

(b) 航空交通管制に関わる空域の整備等

 我が国の上空は航空交通の増加による空の過密化が進み、特に特定空域における航空機の過度な集中を避けるための方策として、広域航法等の導入により分散化を図っているところである。
 今後、自衛隊等の訓練/試験空域等を含む空域及び航空路等の再編及び効率的な運航を可能とする空域の管理体制の整備を行い、空域の有効活用を図る必要がある。