(ウ) 航空機の安全運航の確保


 

(a) 事故防止等指導強化

 航空運送事業者に対しては、運航規程・整備規程の認可、安全性確認検査等を通じ、運航・整備体制の充実、事故防止対策の徹底を図るよう指導している。
 特に6年4月に名古屋空港において発生した中華航空機の事故に関し、航空事故調査委員会による事故報告書における、外国航空当局に対する乗員の訓練等に係る安全勧告を参考に、我が国運航者に対し乗員の教育訓練内容を必要に応じ見直す等の指導を行った。また、自動操縦システムの仕様の標準化等に係る運輸大臣への建議に対し、調査研究をはじめ、早急に対応することとしている。
 8年6月に福岡空港で発生したガルーダ航空機の事故については、航空事故調査委員会による事故調査の進歩状況を踏まえ、我が国の運航者に対しても、安全対策を適切に指導していくこととする。
 また、小型航空機の空中接触等の事故防止を図るため、見張り要員の同乗、無線電話等の活用等を行うよう安全指導を行った。
 この他、スカイレジャーについては、関係団体を通じて事故防止等の指導を行っている。

 

(b) 乗員の養成

 航空大学校の教育内容の一層の充実に努めるとともに、航空運送事業者が行う乗員の養成についても所要の指導を行っている。

 

(c) 航空保安大学校の充実

 航空保安大学校本校においては、航空路管制実習装置の更新整備を、また、同岩沼分校においては、訓練用国内航空交通情報処理中継システムの更新整備等を8年度に進めることとしている。

 

(d) 航空保安対策

 ハイジャック等の航空機に対する不法行為を防止するため、航空保安対策に関する指針等を定め、旅客やその機内持込手荷物等の検査を行う航空運送事業者に対する指導等を行っており、今後もICAO等の動向を踏まえ、積極的に航空保安対策を推進する。

 

(f) 危険物輸送の安全

 危険物の輸送増加及び輸送物資の多様化に対応すべく、ICAO及びIAEAにおける危険物輸送に関する安全基準の整備強化を踏まえて国内基準の整備を図っている。また、米国バリュージェット機の事故を契機として、「化学酸素発生装置」の旅客機での輸送禁止措置を講じた。さらに、航空運送事業者に対し、危険物輸送に関する社内教育訓練の充実等を指導している。