第3節 技術開発の推進


 運輸技術の分野は、鉄道、自動車、船舶、港湾、航空、気象、海上保安等広範囲にわたっており、その技術開発の成果は、多くの人々の生活の向上に貢献することが期待される。平成3年6月には運輸技術審議会答申(「21世紀を展望した運輸技術施策について」)が出され、また、その後、各分野においても今後の技術開発の方向性を示す各種答申が出されている。運輸省では、今後も引き続き、同答申の内容に沿って運輸技術施策を推進することとしている。
 また、所管行政に関する重要事項のうち技術に関するものの企画立案及び総合調整に関する事務を統括管理する職として、8年7月大臣官房に技術総括審議官が設置された。併せて、各局・各研究所等が密接に連携し、多岐にわたる運輸分野の技術研究・開発について、総合的かつ一体的な取り組みを一層強力に推進していくため、技術総括審議官を本部長とする「運輸省技術研究開発推進本部」を設置し、運輸技術開発に係る推進体制を強化したところである。本体制の下で、8年7月に閣議決定された科学技術基本計画の趣旨も踏まえて、運輸分野における研究開発を積極的に推進していくこととしている。
 以下に現在進めている主な技術開発事例を紹介する。