(1)モノレール


  モノレール(跨座式鉄道および懸垂式鉄道)建設の免許申請は35年末頂から踵を接して提出があり,すでに免許されているものは6件38.7キロとなつている。このうち東京都,名古屋鉄道,名古屋市交通局協力会,関東レース倶楽部の4社は開業しており,建設中の熱海モノレールも含めていずれも観光的性格をもつ比較的短距離のものである。一方東京モノレール(羽田空港〜浜松町間)は,オリンピック開始前の39年9月開業したが,新しい都市交通機関として期待されている。
  モノレールはその構造が立体構造であり,したがつて展望,騒音,スピード等からして観光施設的色彩が強いが,踏切事故防止,空閑地利用等の面から都市交通機関としても脚光を浴びてきている。しかも建設費が地下鉄よりも低額であること,用地が少なくてすみ,場合によつては道路部分の一部利用が可能であることなどもあつて,一般交通機関としての申請もかなり多い。モノレールの経済性については,開業している前記のものも開業後日があさいので,これらの実績をもつて即断するのは早計であるが,一旦建設開業すればその後の維持補修費は一般鉄道より非常に少ないことは明らかで,立地条件,経営方策のいかんによつては,将来性が十分認められる。


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