第2章において,世界における運輸近代化の実態について,輸送機能の分化,ユニットロードシステム,関連施設の充実および旅客輸送のネックである都市交通のそれぞれの分野で述べたが,わが国の鉄道における国鉄新幹線,船舶における建造技術や自動化などは世界を指導する立場にある。しかし,その他の事柄については諸外国に学ぶべきものが多い。
まず運輸基礎施設が,絶対的に足りない状態にあつて,その充実が必要であることは第1部でのべたとおりである。
つぎに鉄道における物資別適合輸送の早急な実現,また,ユニットロードシステムすなわち,一貫パレチゼーションやコンテナリゼーションの普及の遅れに対する積極的な推進のための対策等が必要である。とくにコンテナによる海上輸送については直結する陸上輸送との円滑な連結も含めての検討が行なわれたければならない。
さらには,近代化された可動施設および新方式の機能を十分果させ,また,安全や公害防止のためにも鉄道,道路および港湾,空港等のターミナルの充実が急がれなければならない。
以下第2章で述べた運輸の近代化の分野に対応して,わが国における運輸近代化の方向について記述する。
第1節 多様化する輸送需要への適合輸送
第2節 ユニットロードシステムの発展
第3節 流通センターの実現化
第4節 都市交通の近代化
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