2 自動車の騒音


  生活環境における騒音レベルは産業経済の発展に伴い年々高くなる傾向にあり,騒音は社会生活を営むうえに重大な悪影響を及ぼしている。
  自動車による騒音は,排気管,タイヤ,エンジン等から発する音により形成されているが,その大きさは自動車の種類,走行条件,路面の状態,周囲の状況等により大きく異なつている。
  自動車の運行に伴う騒音の防止については,現在,道路運送車両法に基づく保安基準(運輸省令)および道路交通法により規制が行なわれているが,この規定を担保するため,新型式車について型式審査の際,あらかじめ使用過程における騒音の増大を考慮し,現行保安基準に定められた数値を十分下まわる値となるよう指導するとともに,整備不良に起因する騒音の増大を防止するため,すべての自動車使用者に対し定期点検整備を義務づけている。
  なお,自動車騒音防止のため,交通安全公害研究所において,自動車の走行騒音の低下方法に関する研究,原動機騒音および排気騒音の防止対策の研究,騒音測定法および基準値の妥当性についての検討等規制の裏付けとなる試験研究を行なつている。


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