2 自動車の騒音


  生活環境における騒音は産業経済の発展に伴い年々高くなる傾向にあり,自動車の運行に伴う騒音をはじめとして各種騒音が種々の社会的問題を引き起こしてきている。このため,政府は46年5月騒音の環境基準を制定し,騒音の防止対策をはかることとしたが,自動車の運行に伴う騒音については自動車構造面のみでなく,交通規制,都声構造の面からも騒音防止対策が進められることになつた。自動車の運行に伴う騒音の具体的規制措置としては,現在道路運送車両法に基づく保安基準および道路交通法により規制が行なわれている。
  このうち保安基準については,45年12月に改正され,従来の85ホンに加え 〔I−(II)−33表〕のように規制が強化された。

  その内容は新型式車等の審査の際の基準値を追加したことと同時に,騒音の大きさとして従来の定常走行および排気騒音に加え,加速走行騒音を追加したことである。また,整備不良に起因する騒音の増大を防止するため,すべての自動車使用者に対し,定期点検整備を義務付けている。なお,自動車騒音防止のため,交通安全公害研究所において,自動車の走行騒音の低下方法等に関する研究,原動機騒音および排気騒音の防止対策の研究,騒音測定方法ならびに基準値の妥当性についての検討等規制の裏付けとなる試験研究を行なつている。


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