第5章 港湾における環境の保全及び安全の確保

  周囲を海に囲まれ,国土が狭あいで平坦部に乏しい我が国においては,都市は臨海部を中心に形成され,また海外から資源を輸入し製品を輸出するという産業構造のもとで,我が国の工業機能の大部分も臨海部に集積立地した。このような臨海部を中心とする経済発展の中で港湾の役割は極めて大きく,戦後の港湾投資は,産業の発展を支えるため,あるいは外国貿易を伸長させるためのインフラストラクチヤーとしての港湾の整備に重点がおかれ,産業及び貿易の振興に大きく寄与してきたが,その結果,港湾に集積した人口,工場に起因する水質汚濁,大気汚染,廃棄物の増大等港湾における公害の発生,環境の悪化が著しくなり,環境保全に対する対策の確立が急務となつている。また,港湾における安全の問題も,機雷事故,カーフエリー事故等を契機に以前にも増して大きな社会問題へと発展している。これら国民福祉に直結する問題を解決するため運輸省においても次のようにこの対策に全力をあげて取り組んでいるところである。


第1節 港湾における環境の保全

第2節 港湾における安全の確保


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