1 アクアポリスの建造計画


  昭和47年度の海洋技術の進展においてトピツクス的なものとしては,50年3月から開催される沖縄国際海洋博覧会におけるシンボルである政府出展海上施設(アクアポリス)の建造計画の決定がある。
  このアクアポリスは,海洋空間利用を目的としたもので,世界でもまだ例をみない半潜水型浮遊式海洋構造物として建造が進められることになつており,このアクアポリス上に,現在の科学技術の粋を集めた未来の海上都市を展示することにより,次の時代の海上都市の構想を披瀝しようとしている。
  アクアポリスの建造にあたつては,造船技術を主体として,総合的に推進することとなつているが,これを推進するために,政府では「アクアポリス建設推進会議」を設け,ここで基本構想,技術基準,安全対策等を作成し,(財)沖縄国際海洋博覧会協会にその実施方を委託,指導している。また運輸省では,主として技術基準の原案作成等を行なつている。アクアポリス建造の基本計画の概要は以下のとおりである。
 (1) アクアポリスの計画,設計,建造における基本的な考え方は,(イ)沖縄の美しい環境の保全に留意すること,(ロ)博覧会のシンボルとして技術的に卓越したものであること,(ハ)未来への指向性を有すること,(ニ)人との対話を十分考慮すること,などである。
 (2) このアクアポリスの基本性能と主要目は 〔II−(IV)−9表〕のとおりである。


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