1 航空事故の発生状況


  昭和47年中の我が国における民間航空機の事故発生件数は47件であり,そのうち主な事故としては,
 (1) 5月15日,日本航空(株)所属DC-8-61型機の東京国際空港における事故(乗客243名,乗員9名のうち,乗客15名,乗員1名負傷)。
 (2) 5月30日,横浜航空(株)所属セスナ402A型機の北海道における事故(乗客8名,乗員2名全員死亡)。
 (3) 6月14日,日本航空(株)所属DC-8-53型機のインド・ニユーデリーにおける事故(乗客78名,乗員11名のうち,乗客75名,乗員11名死亡,乗客3名負傷)。
 (4) 9月24日,日本航空(株)所属DC-8-53型機のインド・ボンベイにおける事故(乗客108名,乗員14名のうち,乗客8名,乗員2名負傷)。
 (5) 11月29日,日本航空(株)所属DC-8-62型機のモスクワにおける事故(乗客62名,乗員14名のうち,乗客53名,乗員9名死亡,乗客9名,乗員5名負傷)。の5件であつた,これら5つの大きな事故は,相次いで発生し,航空交通の安全に重大な問題を投げかけた。
  前記事故を含め,47年の民間航空機の事故発生状況は, 〔III−29表〕のとおりである。

  事故を運航形態別にみると,
 着陸時−飛行機12件,回転翼1件,滑空機4件
 離陸時−飛行機3件,回転翼2件
 航行中−飛行機10件,回転翼6件
 農薬散布中−回転翼5件
 地上−飛行機4件
 となつており,飛行機においては,着陸時が最も多く,回転翼にあつては,例年多発的に発生する農薬散布中の事故にかわり,航行中の事故が目立つている。


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