1 世界の主要空港の現状


  世界の主要空港は,航空機のジェット化,大型化等の時代の要請に対応してその整備が行われてきており,その規模及び運用時間は以下のとおりである。

(1) 空港の規模

  (規模が大きい外国の主要空港)
  一般に外国の主要空港は,我が国の国際空港に比べ用地も広く,滑走路等の地上施設の能力も大きい。東京国際空港の敷地は408ヘクタール,大阪国際空港は317ヘクタールであるが,これらと同程度の旅客数を扱う空港でもほとんどが1,000ヘクタール以上の敷地を有しており,特に近年開港したパリ・シャルル・ド・ゴール空港は3,000ヘクタール,ダラス・フォートワース空港は全体計画で7,000ヘクタールに及んでいる。また,モントリオール・ミラベル空港のように騒音影響地域を空港内に取り込んだため,3万5,000ヘクタールの敷地を有するものもある。
  滑走路についても我が国の場合,新東京国際空港ではいまだ1本の滑走路での運用を行っているが,世界の主要空港では,その多くが3,000メートル以上の滑走路を複数有しているほか,横風用の滑走路を完備している。発着回数の多いシカゴ・オヘア空港,ニューヨーク・J・F・ケネディ空港等においては,横風に対しても2本の滑走路が用意されている。
  また,世界の大都市においては,その近郊に複数の空港を有している例が多い。ロンドンには,ヒースロー空港及びガトウィック空港,パリには,オルリー空港及びシャルル・ド・ゴール空港,ニューヨークにあっては,J・F・ケネディ空港,ラガーディア空港及びニューアーク空港と3つの空港を擁しており,路線及び航空会社毎に役割分担している。

(2) 空港の運用時間

  (24時間運用が可能な外国の主要空港)
  我が国との間に路線を有する大多数の空港においては,24時間運用が可能である。特に,シンガポール・チャンギー空港,パリ・シャルル・ド・ゴール空港等では全く規制がなく,その他ロンドン・ヒースロー空港フランクフルト・マイン空港,アムステルダム・スキポール空港,ニューヨーク・J・F・ケネディ空港等では,若干の規制はあるものの24時間運用が可能である。我が国においては,24時間運用の可能な空港はまだなく,施設・運用両面に、おいて世界的水準に達していない状況である 〔2−4−4表〕


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