2 国際的要請の高まり


  (強い航空路開設・増便要請)
  我が国の経済的地位の向上,国家間の相互依存関係の緊密化,国際交流の拡大等に伴い,我が国と諸外国間の業務渡航客及び観光客の往来は増大してきており,我が国は,世界でも有数の航空市場を形成している。我が国には,現在31か国1地域(台湾)から36の外国航空企業が乗り入れており,また,我が国航空企業は30か国1地域へ乗り入れている。この結果,我が国は38の航空企業により38か国1地域の80都市と航空路線で直接結ばれている。さらに,新たに我が国との間に航空路線開設を希望する国も31か国に上っている。また,既に我が国と航空路線を開設している国からも,自国航空企業の増便等航空路線の拡充についての強い要望がある。
  ところで,これらの国際航空路線は,その約90%が東京及び大阪の国際空港に集中しているが,これら主要空港は空港用地が狭く,滑走路等の空港施設の能力も十分とはいえず,加えて環境問題への配慮から発着時間帯の制約等が課せられており,国際航空路線の円滑な運営とその発展を妨げる原因となっている。
  例えば,新東京国際空港は航空燃料パイプラインの完成により燃料供給の問題は解消されたものの,第2期工事の終了を待たねば完成された空港といえず,好ましい時間帯における発着枠の確保等が困難となっている。また,大阪国際空港は,厳しい運用時間の制限と発着回数の制約等のため,西日本における国際航空需要を賄えるだけの能力に程遠く,このため関西地域の国際的発展が阻害されているともいえる。


表紙へ戻る 次へ進む