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1 50年代における高速交通施設の整備状況
(1) 新幹線
(東北・上越新幹線開業,到達時分を大幅に短縮)
50年3月山陽新幹線岡山・博多間(443.6km)が開業し,東海道・山陽新幹線が全通したのをはじめ,57年6月には東北新幹線(505.0km),57年11月には上越新幹線(303.6km)が開業し,50年代には合計1,252.2kmの新幹線の整備が行われた。また,60年3月には東北新幹線の上野乗入れ(大宮・上野間26.7km)が実現した。
このような新幹線の整備により,都市間輸送の大幅な時間短縮が図られたが,例えば上野・盛岡間の到達時分の変化についてみると,6時間23分(在来線)から3時間57分(大宮開業時。対在来線38%減),さらに2時間45分(上野開業時最速列車。対大宮開業時30%減)に短縮された。
また,50年度からの新幹線輸送人員の推移をみると, 〔4−1−1図〕のとおりである。
なお,東海道・山陽新幹線は,53年度まで減少を続け,その後は横ばいの傾向を示しており(50年度1億5,700万人,53年度1億2,400万人,59年度1億2,900万人),他方57年度開業の東北・上越新幹線は59年度実績でみると誘発効果もあり,並行在来線の減少量(65億人キロ)を上回る輸送量(86億人キロ)となっており,更に60年3月の上野開業により,都心と直結されたことから,ダイヤ改正による列車本数の増加もあり,順調な伸びを示している 〔4−1−2図〕。
(2) 空港
(著しい伸びを示すローカル線)
50年代においては,50年5月長崎空港がジェット機就航空港になったのをはじめ59年度までに37空港がジェット化され,ジェット化率は50年度の26%(定期輸送の行われている68空港中18)から60年度(8月末)の54%(同72空港中39)へと著しい進展をみた。
このような地方空港のジェット化により,航空旅客数でみてもローカル線の旅客数の伸びが幹線の旅客数の伸びを上回っている状況にある 〔4−1−3図〕。
(3) 高速道路・高速バス路線
(大幅な増加を示す高速バス)
高速自動車国道の供用延長は,50年度の1,888kmから59年度には3,555kmへと整備が進み,国土の背骨となる縦貫道が概成している。
高速道路の整備の進展に伴い,高速バス(運行系統キロのおおむね半分以上が高速道路利用の路線バス)の伸長も著しく,その輸送人員は,一般の路線バスが漸減傾向にあるのに対し,58年度は対50年度比2.3倍と大幅に増加している。また路線網は,50年度においては21社53系統であったものが,59年度末には48社188系統と飛躍的に増加している。なお,188系統の路線長をみると100km未満のものが92系統(49%),100〜200kmのものが64系統(34%)と近距離に集中しており,300km以上の中距離のものは12系統(6%)に過ぎない。
(高速交通施設の整備は地域の経済社会にも大きな影響)
50年代における高速交通施設の整備状況は以上のとおりであるが,新幹線の開業や地方空港のジェット化は輸送量の増加等交通面で変化をもたらすに止まらず,地域における商業,工業の規模の拡大等地域の経済社会に大きな影響を与えている。例えば,47年に大型ジェット機就航可能な2,500mの滑走路を供用開始した鹿児島空港についてみると, 〔4−1−4表〕のとおり空港周辺市町の人口,事業所数,従業員数等が飛躍的に増加している。
(空白地帯の存在)
50年代における新幹線や空港への接近性の変化をみると,新幹線の駅又は空港への1時間アクセス地域は49年度には我が国国土面積の34.7%(市町村単位)であったが,59年度には43.2%となり,かなりの改善がみられるもののなおこれらの利便を享受することが困難な空白地帯が全国的に散見される 〔4−1−5図〕。
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