造船業の再構築のために――経営安定法の制定(62.4)

　　我が国造船業は,石油危機を契機とする世界経済の低成長化,産業構造の変化等による海上荷動き量の伸び悩み,大量の過剰船腹の存在に起因する世界的な新造船需要の減退に加え,60年秋以降の円高の追い打ちを受けて深刻な不況に直面しており,既に多数の企業において,雇用調整,事業場閉鎖等の合理化が進められている。
　　このような状況のなかで,政府は,中長期的にみて過剰となる造船設備(現有年間生産能力の20%程度)の計画的な処理と生産や経営の規模の適正化を図ることを目的とする「特定船舶製造業経営安定臨時措置法」を62年4月に公布・施行したところであり,今後,同法に基づいて造船業の再構築を図っていくこととしている。(P.214参照〉