3 一般空港の整備


 (整備の現状)
  航空輸送は今や国民の足として定着してきており,今後とも,高速輸送の主要な担い手として着実に伸びていくものと考えられる。その輸送構造を見ると,東京,大阪両基幹空港への二極集中構造となっているほか,昭和40年代以降空港のジェット化・大型化を推進してきた結果,国内航空の161の航空路線のうち64%にあたる102路線がジェット化され,ジェット機就航路線の旅客数は全旅客数の91%にあたる4,541万人を占めるまでに至っている(63年4月現在)。
  また,60年以降国内航空旅客輸送の伸びは対前年度比6〜8%と順調に推移しており,今後とも,我が国の経済社会における時間価値の上昇等とともにますます増大することが予想される。しかしながら,東京,大阪両基幹空港の容量には限界があることから,将来の航空需要に対応していくためには,一般空港のジェット化・大型化をさらに推進し,航空路線網の一層の充実・強化を図る必要がある。
  63年においては,3月に新岡山空港,7月に新奄美空港,10月には福江空港がジェット機が就航可能な空港として供用開始され,63年11月現在で全空港数81の56%に当たる45空港がジェット化された。また,63年10月には大分空港が拡張され,3,000m滑走路を有する空港として供用開始された。現在,2,500m以上の滑走路を有する大型ジェット機の就航可能な空港は全空港数の22%に当たる18空港となっている 〔6−2−7図〕

  また,北海道地域における航空需要の増大に対処するとともに,軍民分離を図る観点から,48年度以降新千歳空港の整備を推進してきており,63年7月には第1期事業であるA滑走路の供用が開始され,現在,新ターミナル地区への展開のための第2期事業がすすめられているところである。
 (将来の展望)
  63年度には,新規事業として,一般空港では南紀白浜空港,佐賀空港及び久米島空港の3空港並びにコミューター空港として但馬空港及び枕崎空港の2空港の整備に着手するなど,24空港において滑走路の新設・延長事業を進めているが,これらが完成すると,空港の数は現在の81から88(関西国際空港を含む。)に,ジェット化空港の数は45から53に増加することとなる。
  今後とも,既存空港のジェット化・大型化,航空サービスを享受し得ない地域や離島における空港の整備等をその需要動向,開発効果,路線運営の見通し,投資効率等を勘案しつつ,計画的に進めていく必要がある。


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