ASVが活用されている走行イメージ

先進安全自動車

(Advanced Safety Vehicle:ASV)
国土交通省が実施する先進安全自動車の取組みについてご紹介します。

ASVとは

「先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)」は、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車です。

ASV推進計画とは

ASVとは

「ASV推進計画」は、ASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクトであり、平成3年度から約30年にわたって取り組んでいます。

ASVとは

ASV推進計画を円滑に進めるためにASV推進検討会を設置し、学識経験者、自動車・二輪車メーカー(14社)、関係団体、関係省庁を委員とする「先進安全自動車(ASV)推進検討会(座長:須田義大 東京大学生産技術研究所教授)」(事務局:国土交通省)において、検討が進められています。

ASV推進計画における基本方針

ASV推進計画では、ASVの技術の実用化や普及促進、技術開発のための案件として「基本理念」と「運転支援の考え方」を策定しています。

ASV推進計画における基本方針概念図

ドライバー支援の原則

ASV技術はドライバーの意思を尊重し、ドライバーの安全運転を支援するものです。あくまでもドライバーが主体的に、責任を持って運転する、という前提にたっています。

ドライバー受容性の確保

ASV技術はドライバーが使いやすく、安心して使えるような配慮をします。つまり、ヒューマン・インターフェースの設計が適切に行われていることをいいます。

社会受容性の確保

ASV技術を搭載した自動車は、他の自動車や歩行者などと一緒に走行するので、社会から正しく理解され、受け入れられるよう配慮します。

運転支援の考え方概念図

運転支援の考え方

技術開発を進めるにあたり、ASV基本理念を「運転支援の考え方」として具体化し、それに沿ってASV技術の実用化、検討が進められています。

ASV推進計画
∼最新の取組み∼

第6期(2016~2020年度の取組み)

∼クルマの高度化による更なる交通事故の削減を目指して∼
概要

自動運転の実用化に向けた新技術の開発が進められている状況等を踏まえ、「自動運転の実現に向けたASVの推進」に取り組みます。

主な検討項目
第6期ASVパンフレット 第6期パンフレット

先進安全技術を統合・発展させる形で自動運転の実用化に向けた新技術の開発が進められている状況等を踏まえて、第6期では自動運転も念頭に置いた取組みを実施します。

運転支援や自動運転についての解説パンフレット 運転支援技術パンフレット

安全運転のためには、運転支援車がおすすめです。 衝突被害軽減ブレーキやペダルの踏み間違い時の加速を抑えてくれる装置などは、安全運転を支える大きな効果があります。

「自動運転車両の呼称」について 「自動運転車両の呼称」について

ASV検討会ではレベル1及び2の車両を説明する際に使用する用語を「運転支援車」とすることとし、ユーザーの車両に対する誤解防止に努めてきました。今般、レベル3以上の用語についても、ユーザーに対して各レベルを正しく理解してもらう用語の検討行い、「自動運転車両の呼称」として取りまとめました。

第6期ASV推進計画の検討項目

自動運転を念頭においた先進技術のあり方の整理

自動運転を前提としたASVの基本理念等の再検討
自動運転を前提としたASVの基本理念等の再検討
混在交通下に自動運転車を導入した際の影響及び留意点の検討
混在交通下に自動運転車を導入した際の影響及び留意点の検討

開発・実用化の指針を定めることを念頭においた具体的な技術の検討

路肩退避型等発展型ドライバー異常時対応システムの技術的要件の検討


路肩退避型等発展型ドライバー異常時対応システムの技術的要件の検討
具体的なドライバーモニタリング手法の技術的要件と課題


具体的なドライバーモニタリング手法の技術的要件と課題
隊列走行や限定地域における無人自動運転移動サービスの実現に必要な技術的要件と課題

隊列走行や限定地域における無人自動運転移動サービスの実現に必要な技術的要件と課題
ISA (Intelligent Speed Adaptation:自動速度制御装置)の技術的要件と課題


ISAの技術的要件と課題

実現されたASV技術を含む自動運転技術の普及

ASVの技術の共通定義及び共通名称の見直し

ASVの技術の共通定義及び共通名称の見直し
正しい使用法の周知及び
自動車アセスメントの活用等による既存技術の普及
正しい使用法の周知及び自動車アセスメントの活用等による既存技術の普及

ASV推進計画
∼これまでの取組み∼

第1期ASVパンフレット

第1期 技術的可能性の検討

1991年度~1995年度
  • 開発目標の設定
  • 事故削減効果の検証
  • ASV19台によるデモ走行

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第2期ASVパンフレット

第2期 実用化のための条件整備

1996年度~2000年度
  • ASV基本理念の策定
  • ASV技術開発の指針等の策定
  • 事故削減効果の検証
  • ASV35台によるデモ走行

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第3期ASVパンフレット

第3期 普及促進と新たな技術開発

2001年度~2005年度
  • 運転支援の考え方の策定
  • ASV普及戦略の策定
  • 通信技術を利用した技術開発の促進
  • ASV17台による通信利用型の検証実験

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第4期ASVパンフレット

第4期 事故削減への貢献と挑戦

2006年度~2010年度
  • 交通事故削減効果の評価手法の検討及び評価の実施
  • 通信利用型運転支援システムの基本設計書策定
  • ASV30台による通信利用型の公道総合実験

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第5期ASVパンフレット

第5期 飛躍的高度化の実現

2011年度~2015年度
  • ドライバー異常時対応システムの基本設計書策定
  • 歩車間通信システムの基本設計書策定
  • ITS世界会議2013東京での通信利用型運転支援システムのデモンストレーション

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どんな技術があるの?

前方障害物衝突被害軽減ブレーキ

前方障害物衝突被害軽減ブレーキ

前方の障害物との衝突を予測して警報し、衝突被害を軽減するために制動制御する装置

ペダル踏み間違い時加速抑制装置

ペダル踏み間違い時加速抑制装置

発進時や低速走行時に障害物などに対してシフトレバーやアクセルペダルの誤操作によって衝突するおそれがある場合、急発進や急加速を抑制する装置

レーンキープアシスト

レーンキープアシスト

走行車線の中央付近を維持するよう操作力を制御する装置

車線逸脱警報装置(LDW)

車線逸脱警報装置(LDW)

車線から逸脱しそうになった場合、ドライバーに警報する装置

後退時後方視界情報提供装置(バックカメラ)

後退時後方視界情報提供装置(バックカメラ)

後退時、車両後方の様子をカメラで撮影し、車内のモニターに映し出す装置

後側方接近車両注意喚起装置

後側方接近車両注意喚起装置

走行中に後側方車両車両を検知し、その情報を提供する。その際、車両変更のためのウインカー操作を行うと、より注意を喚起する装置

ASVの導入に対する支援

国土交通省では、以下の装置を搭載した事業用の車両を購入等する場合、下記の補助金額を上限としてASVの装置購入に係る費用の2分の1の補助を実施しております。

詳細については、下の「本年度の補助についてはこちら」をご覧ください。

            
補助対象装置 補助率 補助上限
衝突被害軽減ブレーキ
(歩行者検知機能付き)
1/3~1/2 67,000円~100,000円
車間距離制御装置+車線維持支援制御装置 1/3~1/2 33,000円~50,000円
ドライバー異常時対応システム 1/3~1/2 67,000円~100,000円
先進ライト 1/3~1/2 67,000円~100,000円
側方衝突警報装置 1/3~1/2 33,000円~50,000円
統合制御型可変式速度超過抑制装置 1/3~1/2 67,000円~100,000円
アルコール・インターロック 1/3~1/2 67,000円~100,000円
事故自動通報システム(後付け含む) 1/3~1/2 (後付け以外)33,000円~50,000円
(後付け)  20,000円~30,000円

本年度の補助についてはこちら