タクシー運賃については、総括原価方式(能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた総括原価を求め、総収入がこれと等しくするように運賃水準を決定)により、原則として国土交通省が定めた運賃幅の範囲内で各事業者が適用運賃を設定しており、当該運賃に対して、障害者割引や深夜早朝割増等を行うことで運賃を増減させることは可能であるが、需給に応じて柔軟に運賃を変動させて減額・増額をすることはできない制度となっている。
他方、「もう少し安い運賃でタクシーを利用したい」、「少し運賃が高くてもタクシーが捕まえづらい時間帯に早くタクシーを捕まえたい」といった利用者のニーズに応え、新たな選択肢として潜在需要を掘り起こすため、需給に応じた柔軟なタクシー運賃(ダイナミックプライシング)の導入について、「規制改革実施計画」(令和4年6月7日閣議決定)において、「利用者ニーズや運用上の課題への対応について検討し結論を得た上で、できるものから措置する」とされたところ。
令和4年度において、実証実験の結果も踏まえ、利用者ニーズや事業への影響等、運用上の課題を整理しつつ、公共交通機関として容認される変動運賃に関する制度の在り方について、タクシー事業者をはじめ、学識経験者や消費者代表、タクシー運転者代表を構成員とする検討会で検討を行い、制度のとりまとめを行った。