第2章 海難審判庁のしごと 2/7
第2節 海難審判庁の組織・管轄区域・予算・定員
1 組 織
 海難審判庁は、海難の審判に関する行政事務を一体的に遂行する国の行政機関であり、第一審を担当する地方海難審判庁及び第二審を担当する高等海難審判庁並びに理事官の事務を統轄する海難審判理事所によって構成されています。
 高等海難審判庁は東京に、地方海難審判庁は函館、仙台、横浜、神戸、広島、門司及び長崎に置かれ、那覇には門司地方海難審判庁の支部が置かれています。また、海難審判理事所は東京に置かれ、その事務を分掌させるために地方海難審判理事所が各地方海難審判庁の所在地に、那覇には門司地方海難審判理事所の支所が置かれています。



[ 海難審判の様子(長崎地方海難審判庁審判廷)]
2 管轄区域
 海難審判法は、国内はもちろんのこと世界の水域で発生した日本船舶と日本の領海内で発生した外国船の海難を対象としています。領海外の水域は、三重県と和歌山県の県境にある新宮川口を通過する子午線(東経136度41秒)及び西経70度の子午線で二分し、太平洋側は横浜地方海難審判庁、インド洋・大西洋側は神戸地方海難審判庁の管轄区域としています。更に日本近海においては、それぞれの地方海難審判庁の管轄区域を定めています。
 海難事件の管轄は、原則として海難の発生した地点を管轄する地方海難審判庁に属することとされていますが、海難の発生した地点が明らかでない場合には、その海難に係る船舶の船籍港を管轄する地方海難審判庁に属することとされています。


3 予 算
 海難審判庁の平成15年度の予算は、24億7,500万円であり、その大部分は、人件費と一般事務費となっていますが、海難原因の探究が特に困難な事件の審判に参加する参審員に支給する非常勤職員手当、出廷した証人等に支給する証人等旅費及び審判に必要な各種の鑑定や外国語文書の翻訳等に要する事件処理経費などが計上されていることに特色があります。
 平成15年度については、我が国とアジア諸国と間での海難調査に係る協力体制構築のための外国旅費等の経費、海難にかかわった船舶の航跡図を、電子海図ソフトを利用して作成する航跡再現システムの導入経費及び海難事故の原因究明に一層資するための、船舶の航海に関するデータと操船に関する音声等を記録する航海データ記録装置(VDR)のデータを再生・解析する経費が認められています。
 今後とも海難審判庁は、近年の多様化、複雑化が著しい海難事故に迅速、的確に対応するための事件処理経費の確保に努めるとともに、情報化社会の進展に対応した情報処理システムの導入を更に推進し、積極的に業務の合理化と効率化を図ることとしています。
4 定 員
 海難審判庁の15年度の定員は、239人であり、これを組織別にみると、高等海難審判庁42人、地方海難審判庁98人、海難審判理事所17人、地方海難審判理事所82人となっています。
職員の構成は、高等海難審判庁長官ほか審判官53人、理事官50人(うち副理事官9人)、事務官135人となっています。
 なお、審判官及び理事官については、その職務の専門性と特殊性から、任命資格が海難審判法施行令に定められています。事務官については、理事所において理事官の業務を補助する者を調査事務官として、審判庁において審判に関する書類の作成等の事務を行う者を海難審判庁書記として、それぞれ補職することとなっています。
 海難審判庁としては、質の高い行政サービスを目指していくため、常に業務の見直しとそれに応じた適切な定員の確保に努めていくこととしています。

前の項目へ                                         次の項目へ
       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
Copyright(C)2003, Marine Accidents Inquiry Agency (MAIA), All Rights Reserved