特集 「外国船の海難」 2/7 理事官の認知状況
外国船海難の発生状況  外国船関連事件は増加傾向
 平成12年から14年までの3年間に発生した外国船が関連する海難(理事官が認知した海難)は、海難発生全体のほぼ3%を占めており、総数が漸減傾向を示すなか、毎年150〜180件程度発生し、増加の傾向となっています。
平成14年 船種・事件種類別の状況  貨物船の衝突が圧倒的に多い
 平成14年に発生した外国船関連事件179件を事件種類別にみると、船舶間の衝突が6割を占めています。
 また、海難にかかわった外国船190隻を船種別にみると、貨物船が8割と圧倒的に多く、更にトン数(「総トン数」以下同じ。)別にみると、10,000トン以上の大型船舶が4分の1を占めています。
死傷者等の発生と衝突の相手船の状況  死傷者等は前年よりも増加、衝突の相手船は漁船が4割強
 平成14年における179件の海難によって、23人が死亡・行方不明、49人が負傷しています。なお、前年と比較すると死亡・行方不明が8人、負傷者が4人の増加となっています。死傷者等72人のうち、外国船側の発生は46人で、衝突の相手船となった日本船側に26人の死傷者等が発生しています。
 また、衝突事件110件をみると、日本船と衝突したものが100件、外国船同士が衝突したものが10件で、衝突の相手船となった日本船は、漁船が44隻と4割強を占めています。




発生月・時刻別の状況  春から夏 午前中に多く発生
 発生月別にみると、各月に分布していますが、春から夏にかけての海難が多くなっています。
 また、発生時刻別では、早朝からの午前中に多く発生しています。
     
発生海域の状況
 日本の領海内で発生した159件の発生地点分布は、左表のようになっています。159件中瀬戸内海(関門港・大阪湾を除く)で39件が、東京湾において17件が発生しています。また、港では関門港(含関門海峡)において13件が、沿岸においては本州南岸中部の野島埼から新宮川口の間で15件が発生しています。

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       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
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