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委員長記者会見要旨(平成23年8月24日)

平成23年8月24日(水)15:00~15:45
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

運輸安全委員会委員長の後藤でございます。ただいまより、第1回の月例記者会見を始めさせていただきます。

本日の会見内容は大きく分けて3つあります。最初に運輸安全委員会の業務改善についてお話しをいたします。2番目に事故調査の進捗状況報告ということで、先に起こりました重大事故についてご報告をいたします。3番目に意見、情報提供等ということですが、事故の再発防止に役立つということで、情報提供した件でお話しをいたします。

1.運輸安全委員会の業務改善

まず、運輸安全委員会の業務改善と、この会見の趣旨についてお話ししたいと思います。
運輸安全委員会は平成20年10月1日に発足しまして、もうすぐ3周年を迎えます。この間、福知山線列車脱線事故調査に関わる元委員の情報漏えい等の問題が発生いたしました。この問題を徹底的に検証し、教訓を将来に向けて生かしていくため、有識者並びに事故のご遺族、被害者からなる検証チームを設置し、精力的に検証作業を行っていただきました。その結果、運輸安全委員会の改善すべき点、また課題が抽出されまして、本年4月に、今後のあり方についての提言をいただいたところです。
この提言では、事故調査の透明性の確保、被害者への情報提供の充実など、さまざまな分野に関するご指導をいただくとともに、外部の有識者を入れた会合を設けて運輸安全委員会の業務改善に取り組むべきであるとされております。これを受け、先月27日に、運輸安全委員会業務改善有識者会議を立ち上げたところです。
その有識者会議に我々から提出した資料、これはお手元の資料1をご覧ください。大きく5つの柱をテーマとして業務の改善を進め、運輸安全委員会は変わっていくこと。そうすることによって、事故再発防止のために、また、運輸の安全の実現のために欠かすことのできない信頼される組織へと発展していきたい、という宣言です。
今後、有識者会議を今年の秋と来年初めの2回開催し、ご指導を賜りながら、業務改善の検討テーマを具体化したアクションプランを年度内に策定し、実施して参ります。
その5つの柱のポイントをご紹介しますと、まず1つ目の柱は適時適切な情報の発信です。検証チームからの提言を踏まえ、必要な情報の提供、開示を行うことで事故調査の透明性を確保し、信頼性の向上に努めます。また、事故再発防止と被害軽減の観点から、できる限り迅速に報告書を作成するとともに、調査途中でも国土交通大臣などに対して意見を述べ、事故再発防止のために有益な情報を提供するなど、タイムリーで積極的な情報発信に努めます。
2つ目は分かりやすい事故調査情報の提供及び被害者対応の充実です。被害者をはじめどなたにも分かりやすく読みやすい報告書を作成し、また理解を助ける情報の提供に努めるとともに、被害者に対しては情報提供窓口を活用して、ご意見に丁寧に対応するなど、被害者の心情に十分配慮した取組に努めたいと思います。
3つ目は運輸安全に広く寄与する事故調査の実施であります。企業の組織問題などにまで踏み込んだ事故調査を行うとともに、陸海空に共通した事故再発防止のための情報発信を行うなど、広く運輸の安全の向上に寄与して参ります。
4つ目は事故調査の円滑な実施です。事故調査と刑事捜査とがそれぞれの目的を十分に発揮できるよう、適切な相互関係の構築に努めます。
5つ目は組織基盤の充実化です。以上述べました事項を実現するために必要な予算や優れた人材の確保に努めるとともに、分野横断的な研修を強化するなどして、事故調査能力の向上を図って参ります。
これらのうち、すぐにでも実行に移せるものは、アクションプランの策定を待たず、スピード感をもって実施していきたいと思います。
この記者会見自体がその一例ですが、お手元の資料の中でも新たに委員長による定例会見を行うとお約束していますとおり、業務改善テーマの第1である適時適切な情報の発信の一環として行うものであります。来月以降も毎月、私から事故再発防止の観点から情報発信をしていきますので、どうぞ宜しくお願い致します。

2.事故調査の進捗状況報告

それでは2点目に移りたいと思います。お手元の資料に従って3件最近起きました重大事故についてご紹介したいと思います。

まず第1が旅客船第十一天竜丸転覆事故についてであります。先月8月17日に発生しました旅客船第十一天竜丸転覆事故について、現時点での調査の状況を報告させていただきます。資料2をご覧ください。
天竜川川下り船転覆事故については、8月17日水曜日14時半頃、天竜浜名湖鉄道株式会社が運航している旅客船3隻が天竜川を川下り中、船頭2人が乗り組み、乗客21人を乗せた第十一天竜丸が二俣城址付近の渦が生じている湾曲部を航行中、左岸の岩壁に衝突して転覆し、2歳のお子様1人を含む乗客4人及び船頭1人が死亡し、旅客5人が負傷したものです。
運輸安全委員会は、海事部会長であります横山委員及び船舶事故調査官4人を現地に派遣し、事故現場及び第十一天竜丸の調査並びに天竜浜名湖鉄道株式会社の社長及び船頭等の関係者及び一部の乗客等から口述聴取を行い、引き続き調査中であります。

次に、JR北海道石勝線の列車脱線事故についてご報告をいたします。資料3をご覧ください。本件は、本年5月27日に発生しましたJR北海道石勝線の列車脱線事故です。現時点での調査の進捗状況を報告させていただきます。
資料3の1~3ページに事故の概要が書かれておりますので、ご覧ください。
釧路駅発札幌駅行きスーパーおおぞら14号が、清風山信号場付近を走行中、異音と振動を感じた車掌からの連絡を受けて直ちに停止手配がとられ、トンネル内に停止したものであり、列車からは白煙が発生しました。
この列車の5両目の後台車1軸が脱線していたほか、6両すべての車両が焼損、全焼しました。
現在も様々な調査を行っているところですが、資料3の4ページに示したように、これまでのところ、事故現場付近の軌道や車両の走行装置、すなわち車輪や軸受け、それから左右の車輪の重量バランス(車輪の受ける重量のバランス)等に異常は見られなかったこと、また、列車は清風山信号場に所定の速度以下で進入していたことが分かっています。
すなわち、軌道や車両の走行装置の異常、及び速度超過による脱線の可能性は低いと思われます。
一方、車両の動力伝達装置、これは推進軸を含めたものでありますが、その部品は脱落しておりまして、床下の機器が損傷しておりましたので、これらと脱線との関係などをさらに調査していくこととしております。
今後の調査予定としましては、さらに、乗客等からの聞き取りを進めること、事故発生時における避難誘導等の対応態勢などを調べること、車両調査を深めること、車両の保守、管理、設計についても調査を進めることなどを考えております。
なお、これまでに判明した主な情報については、資料3の5ページ以降にお示ししておりますので、参照いただきたいと思います。

 最後に、本年7月28日に発生しました航空大学校帯広分校の訓練機の墜落事故についてでありますが、現時点での調査の進捗状況を報告させていただきます。お手元の資料4をご覧ください。
はじめに事故の概要ですが、独立行政法人航空大学校所属のビーチクラフト式A36型JA4215は、平成23年7月28日、午前9時11分、帯広空港を離陸し、9時14分管制機関へ、訓練のため訓練試験空域へ入域する旨の連絡を行った後、9時28分ころ救難信号を発信し消息を絶っていました。捜索の結果、北海道河西郡芽室町剣山山中に墜落しているのが発見されました。
当該機には4名の搭乗者がいましたが、3名が死亡し、1名は火傷を負ったものの生還することができました。当該機は大破しました。
現在までの調査状況ですが、7月28日から8月3日までのほぼ1週間、航空事故調査官2名を現地に派遣し、初動の調査を実施しました。そのうち5日間は、被害者への情報提供の担当官2名も同行しました。
調査内容としては、2日間にわたる剣山山中の墜落現場での調査の他、関係機関からの情報収集及び目撃者や生存者などからの口述聴取等を実施しました。
これまでの調査で判明した事項として、事故機には、訓練を行う学生2人と担当の教官1人、さらに教育の標準化のためオブザーバーの教官1人、合計4人が搭乗しておりました。それぞれの座席配置は、生還した操縦訓練中の学生は前席の左側、死亡した指導中の教官は前席の右側、オブザーバーの教官は後ろの席の左側、後から操縦する予定だった学生は後席右側に着座していたようです。機長は、機外で発見され、後席の2名は機内で発見されました。
事故機は、午前9時11分に帯広空港を離陸し、図で示しておりますがHK2-7及びHK2-8という訓練試験空域でBIF、つまりBasic Instrument Flightと呼ばれる基本計器飛行の訓練中に事故が起きたようです。これは、訓練生がフードを付けて計器だけを見ながら教官が指示する諸元、つまり高度、速度、針路、上昇、降下、旋回等で飛行する訓練であります。写真の2で計器飛行を行う訓練生の様子を航空大学校の教官が模擬している状況を添付しています。
生存している学生の容体は、3度の火傷、つまり皮下組織まで至るもっとも重症な火傷を負って入院中です。
残骸の散乱状況ですが、両翼は切断され、左の翼は木の上、右の翼は地上にありました。胴体はそこから離れた位置にあり、客室部分は骨組みを残して激しく焼損していました。写真3及び写真4で残骸の状況を添付しております。
火炎の状況も写真3にあるように、地上の笹は茶色に変色し、キャビンの部分が激しく燃えており、尾翼付近はほとんど燃えていませんでした。
切断された木々の延長線上からその状況を撮影した写真が写真の5になりますが、木々の折れ方から、事故機の墜落直前の飛行方向は北西方向で、水平面からの仰角15°で飛行してきたようです。
今後の主な予定としては、残骸の移動時及び移動後における残骸の調査、生存している訓練生から2回目の口述聴取、気象情報等の情報収集などを予定しております。
以上で3件の最近起こりました重大な事故についての報告を終わりまして、その他の調査の状況報告ということで、資料5をご覧ください。現在、8月24日時点で運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、ご報告するものです。
航空分野が調査中の案件が35件ありまして、うち報告書案審議中のもの、これは意見聴取を含みますが6件、それから意見照会、意見照会というのは外国の関係国を含めて関係行政機関等に対して意見照会しているものです。これは、航空の場合はICAOの規定に従って、関係国に対して照会をします。
鉄道は、調査中の案件が現在21件ありまして、それから報告書案として審議中のものが6件、鉄道の場合は国内に限られますので、意見照会中のものはありません。
船舶は調査中の案件が31件、それから審議中のものが13件、それから船舶の方はIMOの規定に従いまして、外国への意見照会を行うことが度々ありまして、現在3件かかえております。以上のような調査状況です。

3.意見・情報提供等

最後に「意見、情報提供等」についてご報告したいと思います。今後、最終報告書の公表以前であっても、事故の再発防止のために必要で有益な情報はタイムリーかつ積極的に発信していきますが、本日は、最近のケミカルタンカーの事故から得られた情報についてご紹介したいと思います。
資料6をご覧下さい。
本事故は、日祥丸が、名古屋港において水硫化ソーダを揚荷後のタンククリーニング作業中、平成23年6月28日11時25分ごろ硫化水素ガスが発生し、乗組員が死傷したものです。
今後の調査により、事実関係を確定することとしておりますが、現在までの調査の結果、アクリル酸を含む洗浄水が入っていたタンクに水硫化ソーダを含む洗浄水を入れた事実が明らかになっており、このことにより硫化水素ガスが発生した可能性が考えられます。
日祥丸は、以前から洗浄水を貯留するタンクに異なる化学物質のタンク洗浄水を入れており、他の事業者のケミカルタンカーについても同様の事実が認められました。
以上のことから、同種事故の再発が懸念されるため、去る8月4日に海事局に対してこれらの情報を提供致した次第です。私からの報告事項等は、以上です。

主な質疑応答

(業務改善関係)
問: 業務改善によって、言わば開かれた事故調査と言いますか、新たな段階を迎えたと思うのですけれども、改めて今後の事故調査に係るお立場としての抱負を伺えますか。
答: 従来もホームページ等で事故等調査の状況等について報告してきましたが、なかなか詳細が分からない、あるいは提供される情報の量が少なすぎるといった様々な外部からのご意見があり、そういった点の改善と共に、調査の透明性をできるだけ高めたいということで、こうした定例の記者会見を開くなどして、できる限りの詳しい説明をしていきたいと考えている次第です。ただ、調査には、こうした説明責任や透明性といった要素のほか、完全性が大事な要素となります。調査が終わっていないものについては、皆さんにお伝えできない情報もあると思いますが、その点はご容赦願いたいと思います。

問: 資料1の業務改善について、業務改善テーマの「4」に関して警察庁との協議の進捗状況をお伺いしたいのが一点と、テーマ「3」と「5」に関わると思うのですが、大事故を組織事故と捉えて調査していくためには、従来の機械工学的な専門家の方、調査官だけではなく、また違う分野の専門性のある人材が必要であると思うのですけども、その人材確保の見通しと考え方、分野横断的な研修の具体的な内容について、もう少し詳しくお伺いできればと思います。
答: 先ず警察の捜査と、事故調査との関連ですが、現在非常に進んでいるかと言われると、それはなかなか、そういったことはありません。検証会合からいただいた提言の中では、警察から鑑定を我々に頼まれた場合に、鑑定としては事実情報だけを提供するというふうにした方がいいのではないかという提言をいただいているわけです。我々もその線に沿って今後進めたいと思っているところですけれども、調査と捜査では、お互いの目的が違います。捜査は責任追及であり、調査は再発防止及び被害軽減が目的です。それぞれの目的が違うので、それぞれお互いの目的を尊重しながらも、検証会合の提言に従えるようにするためにはどうすればいいかということを、考えているところでして、ちょっと時間がかかると思います。
それから二点目の組織基盤の充実化と人材の確保、それから、分野の横断的な研修を強化するということですけども、たとえば最近のニュースで、ボーイングの787という新しい旅客機が導入されました。これは複合材が広く使われておりまして、従来なかったような材料の使われ方です。こういう新しい技術についてどう調査すればよいか、複合材の研究、勉強から始めなければなりません。そのために、国内外の研究、調査、会議などに調査官を出席させ、いろいろ勉強させております。それは他の分野でもそうでありまして、鉄道や船舶の分野でも、新しい技術が開発される、あるいは新しい素材が使われる、新しい材料が使われる、あるいは自動制御の運行が始まるという場合などに、広がっていく領域を少しずつ研究しながら、いざというときには対応できるようにしております。
職員の確保ですが、調査を十分に進めるにあたっては、ある程度の経験年数、あるいはその専門分野での知識が必要になります。最近は公募で職員を募集するといったこともしておりますが、依然として、思ったとおりの人材を確保することは非常に難しいところです。
予算については、特に今後は他のいろんな事情もありまして、我々が思うとおりの予算が出るとは限りませんが、その予算の範囲内でどう進めて行くかということが我々の課題の一つでもあります。

問: 企業の組織問題にまで踏み込むにはどういう体制が必要なんでしょうか。あるいは、その企業の組織問題にまで踏み込んで調査しなければいけない事故というのは、そう頻度は高くないように思いますが。
答: そんなに高くないと思います。例えば、福知山線の事故の例のように調査を進める中で、事故の背後に日勤教育というような組織に係る問題があるのではないかということで、自然にそうした問題に触れていった場合がありました。一方、最初から事故原因は組織問題であるとして捉えて調査を行っていくことはなかなか難しいと思います。我々は起きた事象から、その背後にあるものを少しずつ探っていきながら調査を進めていくことが基本です。視野を広く持って、つまり取っかかりを技術的な面だけに留めず、組織問題といった広い範囲にまで目を広げて調査をしていくといった観点が必要だということを、今般の検証会合でも指摘されており、我々もそのように努力したいと考えております。

問: 新素材の研究であるとか、新たな技術の研修というのは、いつ頃から取り組んでいるのでしょうか。
答: これはもう古くから、調査官を定期的に海外に出すように、あるいは国内でもそういう発表会、セミナーがありますとできるだけ参加するようにしております。今般の提言を受けて、今後、もっと積極的に努めていきたいと思っています。

問: 航大のビーチクラフトの件ですけども、5日間は被害者への情報提供の担当官2名を派遣とあるんですけれど、これは初めての試みですか。被害者の家族への説明が目的でしょうか。
答: 必ずしも初めてではありません。被害者からいろいろな事故の調査状況あるいは原因等について問い合わせがあった場合、その窓口を通して説明するための取り組みで、今回も被害者のご家族とのコンタクトは取っております。

問: 現地に調査官が入ったときには、たぶん現地のマスコミもいっぱい調査官の方を囲んで、だいたい主管調査官の方とかが、これからの調査だとか、今日見たところをレクしていただいていると思うんですけども、こういう改善の取り組みの一つで、もう少し現場での広報を積極的にされていくようなお考えはありますか。
答: もちろんそれは考えております。大きな事故になると、そういうことも行わなければいけないと思っております。天竜川の事故については、先程ご紹介しましたように、海事部会長に行ってもらって、現地で説明してもらいました。例えばNTSB、アメリカの事故調査委員会はゴーチームというものを作って、大事故の場合には委員が1人ついて行って、広報担当官を兼ねるんですね。事故の種類、あるいは内容によりまして、そういうことも今後積極的に行っていこうと思っております。

 (旅客船第十一天竜丸転覆事故関係)
問: 天竜川の事故で2歳のお子さんが亡くなって、今日で1週間経ったんですけれど、この事故でどのような問題点が浮かび上がったのかについての委員長の印象を伺いたいのと、もう1点、調査報告がまとまる時期的な見通しをお示しいただきたいと思います。
答: 1つはやはり救命器具を付けていなかったのが問題です。12歳未満のお子さんの場合には、体重40キロ未満と15キロ未満の人を対象とした2種類の救命胴衣があります。40キロ未満の救命胴衣はいくつか用意されてはいたようですが、1人だけ着用していたと聞いております。また、15キロ未満の救命胴衣は、なかったと聞いており、引き続き調査しております。それともう一つは、どのようにして岩壁に衝突したかということで、これも調査して行きたいと思っております。このような調査を含めますと少々時間が必要と考えらますが、できるだけ1年以内に済ませるように努力したいと思っております。

(JR北海道石勝線の列車脱線事故関係)
問: 石勝線の件のなんですが、資料には損傷車両の調査というところですが、車両の動力伝達装置の部品が脱落していた、これと脱線との関連を調査するということをおっしゃいましたけども、これが脱線をした一番の原因だと、現在のところ考えられるということでよいでしょうか。
答: お配りした資料の3(9ページ)をご覧ください。先程申し上げましたように、車両そのものについては異常がない、それから軌道、レールについてもいろいろ計測しましたところ、いろんな変位が実は計測されるのですけども、基準内であって、たいした問題ではないことがわかっております。調べましたところ、この付図の4にありますように、動力伝達装置の脱落した部分で何が拾われたかといいますと、減速機の吊りピンが見付かりました。それからカサ歯車が見付かり、それから推進軸の継ぎ手を含む推進軸が脱落しているのが認められました。まだ見付かっていないのが、溝付きナットです。これらから言いますと、この落ちた推進軸の部分がいろんな悪さをして、脱線に至ったと、そういった過程が考えられるわけでありますが、それを証明すべく調査中であります。

問: 石勝線の事故の関係で、先程委員長がですね、溝付きナットがまだ見付かってないということがありましたが、探す、探せるということでしょうか。
答: もちろん、探せる範囲では探していますけど、見付けるのは難しい。

問: もし見付かれば、どんなことがわかるでしょうか。
答: 一つは、何故外れたかということです。それがナットを見付けることによって、どうして外れたかについて、何かきっかけが得られるかもしれません。そういうことで見付かるといいなとは思っております。吊りピンは見付かっておりますので、その吊りピンを詳しく調べることによって、多少のことはわかるかもしれません。

(航大帯広分校訓練機の墜落事故関係)
問: 航大の事故ですけれども、2ページのマル5の火災の状況から、火災の発生は、斜面にぶつかった後に起こったのか、あるいはその前に起きたのか、どちらの可能性が高いのでしょうか。
答: 何とも申し上げられません。大変難しいところです。ただ目撃者というのが非常に少なくて、煙が出ているというのが報告されていれば飛んでいるうちに起こったということがあると思いますが、今そういう証言はありません。落ちてからの方が可能性が高いのではないかと思っておりますが、証拠はありません。

問: 航空大学校の事故機の関係で、2ページのマル6ですね。木々の折れ方から15°の角度で斜面にぶつかったということで考えていいのでしょうか。斜面とどういう形でぶつかっているのでしょうか。
答: 斜面が約45°あります。水平面に対して上向きに15°の角度で、斜面からすると30°で、下から上に向かって、上昇しながらぶつかったと考えています。
以 上

資料

資料1 運輸安全委員会の業務改善 [PDF 107KB]
資料2 旅客船第十一天竜丸転覆事故 [PDF 530KB]
資料3 JR北海道石勝線の列車脱線事故 [PDF 1677KB]
資料4 航大帯広分校訓練機の墜落事故 [PDF 682KB]
資料5 その他の調査の進捗状況 [PDF 250KB]
資料6 ケミカルタンカー日祥丸乗組員死傷事故に係る情報提供 [PDF 552KB]