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委員長記者会見要旨(平成24年4月25日)

平成24年4月25日(水)14:00~14:50
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会 委員長の後藤でございます。ただいまより、4月の定例記者会見を始めさせて頂きます。
 本日は、JR福知山線脱線事故から満7年を迎えるにあたり、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に対し心から哀悼の意を表します。また、お怪我をされた方々へ心からお見舞い申し上げます。
 運輸安全委員会では、福知山線列車脱線事故調査に係る検証を契機としまして、有識者のご指導を頂きながら、また検証メンバーのご意見を伺って、先月、この場で業務改善アクションプランを公表し、その実現のための取り組みを開始したところです。その進捗状況については、後ほどご説明させて頂きます。
 なお、本日は、事務局長、総務課長、4月に新設しました「事故被害者情報連絡室長」の3名が、神戸事務所の担当官とともに尼崎へ行っておりまして、ご遺族の代表が主催されている「追悼と安全のつどい」に参加しております。
 今後も引き続き、被害者の方々に寄り添い、お話をお伺いし、双方向のコミュニケーションを図ってまいる所存であります。
 それでは、本日はお手元の資料にありますように、事故調査の進捗状況として、航空の案件を2件、船舶の案件を3件、また、天竜川で発生した第十一天竜丸と同様な事故を防止するという観点から国土交通大臣に対する意見提出、水上オートバイによる事故防止のための意見に基づき講じられた施策、業務改善アクションプランの実施状況の順にご報告いたします。

1.調査の進捗状況について

(1)日本航空(株)ボーイング式777-200型機の着陸時機体損傷事故

 まず、先月3月31日に発生しました日本航空の東京国際空港での事故について、調査の進捗状況をご報告いたします。資料1をご覧下さい。
 はじめに事故の概要をご説明します。日本航空株式会社所属の、ボーイング式777-200型、写真1に示すJA701Jは、JAL082便として、日本時間の午後2時00分、乗客296名及び乗務員12名の合計308名が搭乗し、上海虹橋(ホンチャオ)国際空港を離陸しました。午後4時08分ごろ、目的地の東京国際空港において着陸の復行を行った際に、機体後方下部が滑走路に接触し、機体が損傷しました。
 搭乗者に負傷はありませんでしたが、損傷の程度が大修理相当と判断されたため、航空事故として取り扱われることとなりました。
 現在までの調査の状況ですが、4月1日及び2日に、航空事故調査官3名を現場に派遣し、初動の調査を実施しました。
 調査の内容は、4月1日に機長、副操縦士及び客室乗務員の口述聴取及び機体の調査を実施しました。また、気象情報等の収集と共に管制官の口述聴取を実施しました。翌日2日には、滑走路34Lに残された痕跡等の調査を行い、再度機体の調査を実施しました。その後、当委員会において、DFDRデータ読み出し及びCVR音声再生の作業を行い、当該便の着陸時の記録が残っていることを確認しました。
 次に、これまでの調査により判明した主な情報について、お知らせします。
 まず、機体の損傷状況については、6ページをご覧下さい。写真2は、機体後方の下から前方を写したものです。機体の後方下部に、長さ約11m、幅約50cmの擦過痕、こすれた跡がありました。写真3をご覧ください。外板が深く擦れた部分は穴が開いており、ライトを照らすと機体内部が見える状態です。
 写真4は機内において圧力隔壁を後方から写したものです。見えにくいですが、圧力隔壁下方が変形しています。
 滑走路の状況についてですが、事故当日、雨が降っていたことや、事故後かなりの数の飛行機が離着陸したため、事故機の擦過痕を特定することはできませんでした。
 事故当日の風に関する情報ですが、8ページをご覧ください。滑走路34Lの瞬間風向風速の記録のデータとなっております。上部が風向を表して、下部が瞬間風速を表しております。この日は春の嵐で、朝から南風が吹き荒れていました。ただ、事故発生時は既に前線が通過した後と思われ、北風に変わっていました。事故発生時の時刻の前後を見て頂きますと、最初は180°の方向から、ほとんど追い風で吹いていますが、事故発生時刻のちょっと前あたりから360°、ほとんど向かい風になっていることがわかります。つまり、事故発生時、風向は約360°、風速は約10から15ktを記録しています。
 当該機の進入方向との関係で言えば、若干右方向からのほぼ向かい風ということになります。
 DFDRの記録から現在までに判明した情報をお知らせします。9ページをご覧下さい。
 当該機は副操縦士の操縦で滑走路34LへILS(計器着陸システム)により進入しました。主輪が接地したことにより、スポイラーが展開し、車輪の自動ブレーキが作動し始めました。その直後、両エンジンが逆推力アイドル状態となり、機体の速度は減少しています。エンジンが逆推力アイドル状態にあると、スロットル・レバーを前に進めることができませんので、両エンジンの逆推力アイドル状態が解消された後、スロットル・レバーが前方に動き、推力が上昇したことが記録されております。それぞれ記録の左側の方に何を表すかということが書いてありますので、ご参考までにご覧ください。
 表中央の上にGND、それから下にAIRと書いてあるところ。機体が地上にいるのか空中にいるかをセンスしています。青で囲んだところに記録がありますが、これを見て頂きますと、機体は約25秒間地上滑走していたことが記録されています。
 Pitch Angleと書かれた赤いグラフを見ますと、ピッチ角は、接地の約3秒後から急激に機首上げ方向に大きくなり、機体は接地していることを感知した状態で、約20秒間ピッチ角が10°以上となっています。
 グラフの一番下に赤字でTail Strike と記載してあります。この時間に機体後方下部に取り付けられたTail Strikeのセンサーが、機体と滑走路の接触を感知しています。
 今後の主な調査としては、DFDRデータ及びCVR音声の詳細な調査、着陸及び復行の手順等に関する詳細な調査、Crew Coordination(乗員の連携)の調査、ピッチ角の変化に影響を及ぼす要素に関する詳細な調査、気象データや管制交信記録等の情報収集などを予定しております。

(2)個人所属動力滑空機の着陸時の重大インシデント

 4月7日に発生しました個人所属動力滑空機の着陸時の重大インシデントであります。資料2をご覧下さい。
 グローブ式グローブG109B型JA109Bが、静岡県の富士川滑空場に着陸を行った際、資料の写真にありますとおり、プロペラ及び右側主脚が破損し、滑走路を逸脱して草地に停止したという重大インシデントがありました。
 当該機の搭乗者は2名でありましたが、けがはありませんでした。
 これまでの調査で判明した事項としては、右側主脚を機体胴体に取り付けているボルトとナット4本のうち、3本が脱落しておりました。脱落したナットは、ねじ山がなくなっている状態であり、さらに調査を行った結果、主脚を取り付けているナット全てが、製造者の指定したものでないことが判明しました。
 国内にも同型機があり同種の事故が懸念されることから、運輸安全委員会は、4月19日、この事実情報を国土交通省航空局へ提供いたしました。

(3)コンテナ船ANNA MAERSK(アンナ マースク)乗組員死傷事故

 次に、3月27日に発生しましたコンテナ船ANNA MAERSK乗組員死傷事故であります。資料3をご覧下さい。
 ANNA MAERSKは、デンマーク王国籍の総トン数93,496トンのコンテナ船で、船長ほか25人が乗り組み、阪神港神戸区の六甲アイランドに着岸して荷役作業を行う一方、救助艇等の定期点検を実施していたところ、11時15分ごろ舷外に振り出していた救助艇が落下し、救助艇に乗っていた甲板手1人(フィリピン共和国籍)が死亡し、一等航海士(デンマーク王国籍)が重傷を負いました。
 運輸安全委員会は、船舶事故調査官2人を現地に派遣し、3月28日から3月29日にかけて関係者からの口述聴取、船体調査などの初動調査を行いましたところ、救助艇を吊り上げるフックとワイヤを接続するシャックルのピンが抜けていたことが分かりました。
 資料の1ページ目の上段に事故の概要を記してありますが、下段に本事故発生場所を示しております。
 2ページ目の上段に本船の主要目などを記載しております。
 なお、本船の旗国であるデンマーク王国から事故調査官が3月29日に来日し、海上事故又は海上インシデントの安全調査のための国際基準及び勧告される方式に関するコードに基づき、運輸安全委員会と並行して本事故の調査を開始しました。
 3ページ目の上段に本船の写真を、下段に甲板上に置かれている救助艇と救助艇用クレーンの写真を示しております。
 4ページ目の上段に救助艇を釣り上げるフック及びシャックルの略図を、下段にピンが抜けたシャックルの写真を示しております。
 ピンが抜けたのは、略図で上側にあるシャックルですが、その原因等については現在調査中です。

(4)漁船 第二新洋丸の転覆に関わる調査

 次に、4月16日に発生しました漁船第二新洋丸転覆に関わる事故であります。資料4をご覧下さい。
能登半島沖において、転覆した状態の第二新洋丸が発見され、第二新洋丸の船長が死亡し、乗組員1人が行方不明となっております。
 この事故の調査に、4月17日から4月19日にかけて神戸事務所の地方事故調査官2人を石川県珠洲(すず)市等に派遣し、漁船第二新洋丸の船体調査及び関係者から口述聴取等を行いました。
 一方、鳥取県と島根県にまたがる境港に入港している貨物船YONG CAI(ヨン・カイ)の船体に擦過痕があり、第二新洋丸が転覆していた海域付近を同船が航行していたとの情報を入手しましたので、4月18日から4月20日にかけて船舶事故調査官2人を鳥取県境港市に派遣してYONG CAIの船体調査、同船乗組員から口述聴取等を行いました。
 資料の1ページに第二新洋丸の主要目と損傷写真を、2ページにYONG CAIの主要目と全景写真を、3ページにYONG CAIの損傷写真と4月15日の夜に能登半島沖を航行した船舶の航跡図を示してあります。
 黄色で示しましたのが、YONG CAIの航跡です。
 今後の調査として、両船の損傷箇所に付着していた塗料の鑑定を行い、また、両船の関係者からの口述聴取、第二新洋丸の詳細な船体調査などを更に進め、第二新洋丸の転覆にYONG CAIが関与したかどうかを含め調査する予定としております。

(5)漁船 春日丸転覆事故

 次に、3月23日に発生しました漁船春日丸転覆事故であります。資料5をご覧下さい。
 奄美大島の西方海域で転覆し、乗組員1人が死亡、1人が行方不明、4人が負傷しました。この事故の調査に、3月24日から3月27日にかけ、現地に船舶事故調査官3人を派遣し、初動調査を行いました。
 初動調査により、甲板上にある機関室、船員室等の出入り口扉が開放されていたことが判明しました。このことから、甲板上に滞留した海水が、これらの出入り口扉から船内に流入したものと思われます。
 運輸安全委員会は、本件について、今後詳細な調査を行い、原因を明らかにして再発防止策を検討することにしておりますが、多くの船で甲板上にある出入り口扉を開放した状態で航行している可能性があることから、関係行政機関(国土交通省海事局及び水産庁漁政部)に対し、4月5日に情報提供を行いました。なお、この情報提供が原因を特定しているわけではありません。
 今回、このような情報提供を行いましたのは、平成22年1月に五島列島沖で発生しました漁船第二山田丸沈没事故の船舶事故調査報告書において、甲板上の出入り口扉の開放について注意喚起したところですが、今回の事故においても出入り口扉が開放された状態であったことから、同種事故の再発防止のために改めて情報提供をさせていただきました。
 この情報提供により、関係船舶において早急に適切な措置が講じられることを期待しています。

(6)その他の調査の進捗状況

 次に、現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、ご報告致します。説明は省略させて頂きますが、詳細は資料6をご覧下さい。

2.国土交通大臣に対する意見提出

(旅客船第十一天竜丸転覆事故)

 次に、昨年8月17日に発生しました旅客船第十一天竜丸転覆事故について、国土交通大臣に対する意見提出であります。資料7をご覧下さい。
 静岡県内の天竜川で川下り中に発生したもので、現在、鋭意調査を進めているところであり、まだ解明しなければならない事項が多く、流れの中での船舶の挙動について、さらに解析を進めているところですが、川下り中の同種事故の発生を防止する観点から、これまでに判明した事実を踏まえ、本日、事故調査の経過を報告して公表するとともに、川下りのシーズンを迎えるに当たり同種事故の再発を防止する観点から、国土交通大臣に対して次の2点の意見を述べることとしましたのでご報告します。
 1点目は、全国の川下り船事業者に対し、航路におけるリスクを認識し、事故のおそれのある状況になった場合における適切な操船方法を検討し、リスクを含む検討の成果を船頭や運航管理を行う者の間で共有するよう指導するべきであるというものです。
 2点目は、全国の川下り船事業者に対し、乗客及び船頭の安全確保のため、適切な救命設備の備付け及び救命胴衣の着用、救命クッション使用法の説明等の救命設備を適切に使用するための措置についての指導を継続するべきであるというものです。

 以上の意見を踏まえた指導がなされることにより、同種事故の再発防止に寄与するものと考えております。

3.意見に基づき講じられた施策

(水上オートバイによる船舶事故防止)

 次に、国土交通大臣に対して発出した意見に基づき講じられた施策について、ご報告いたします。資料8をご覧下さい。
 先月30日、水上オートバイ事故が頻発している状況を踏まえ、その傾向を分析したうえで「船舶職員及び小型船舶操縦者法」等の海上法規の遵守について、周知啓蒙及び安全指導に努めるよう国土交通大臣に意見を述べたところです。
 これに基づく措置として、4月20日付けで国土交通省海事局から「水上オートバイによる船舶事故防止対策の推進について」の発表がありましたので、この場でもご紹介いたします。
 その内容は、平成24年4月から当分の間、全国の各地方運輸局、神戸海運監理部及び沖縄総合事務局の職員が、警察、海上保安庁などと連携し、マリーナ等関係各所に対するパトロール、指導啓発を図るということ、水上オートバイの操縦免許の取得及び更新時に、関係法規の遵守及び海難防止のための意識の高揚啓発を図るということ、及び関係団体と連携して、操縦者及び関係者に対しての安全啓発を図るというものです。
 運輸安全委員会としましては、今回の船舶事故防止対策が着実に推進され、水上オートバイの事故が減少することを期待しております。

4.業務改善アクションプランの実施状況

 最後になりますが、業務改善アクションプランの実施状況についてご説明申し上げます。
 去る3月28日に業務改善アクションプランにつきまして発表させて頂きましたが、その中には4月からすぐにでも実施するとお約束している項目がありましたので、主なものについて、この場を借りてご報告いたします。
 まず「被害者への配慮」に関しては、資料9をご覧下さい。
 事務局に4月1日付けで、訓令により「事故被害者情報連絡室」を設置しました。これまで以上に被害者やそのご家族、ご遺族に寄り添い、事故調査に関する情報をタイムリーに提供するとともに、そのご意見を承るなどの双方向のコミュニケーションを、東京と地方が一体となって推進するための体制整備です。
 また、国土交通省が4月6日付けで設置した「公共交通事故被害者支援室」には、我々の「事故被害者情報連絡室」のスタッフ3名も併任発令されており、今後は、国土交通省本省との連携も強化していきます。
 また「適時適切な情報の発信」に関しては、お手元の資料10、11をご覧下さい。
 私の定例記者会見や当委員会の活動についての様々な情報を分かりやすく提供する「運輸安全委員会メールマガジン」創刊号の配信と、事故の再発防止、安全啓発のため、事故の統計・分析や事例集などを紹介する「運輸安全委員会ダイジェスト」第1号の発行を、それぞれ4月10日に行いました。ダイジェスト第1号では、マリンレジャーに関連する船舶事故の再発防止に向けて、事故の発生状況や、公表された事故調査報告書をもとに重大事故調査事例を紹介しています。
 今後とも、事故の防止や被害の軽減に貢献するためのタイムリーな情報発信に努めて参ります。メールマガジンは毎月発行する予定であります。
 私からご報告するものは、以上です。
 何か質問等がございましたらお受けします。

5.質疑応答

(福知山脱線事故関係)

問: 冒頭に発言のあった福知山脱線事故に関してですが、思いを述べておられますがこれを契機にアクションプランを策定した運輸安全委員会にとってこの事故がどういう事故であったのか、今後の運輸安全委員会のあり方を検討するにあたって新たに取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
答: 現在の運輸安全委員会の前身である航空・鉄道事故調査委員会の時の事故であった訳ですが、この大事故がどうして起こったのか調査解明いたしましたが、それを契機にいわゆる組織的な事故という観点をはっきりさせた調査をしなければならないということを意識しながら行った最初の重要な事例であったものです。今後もこの事例を参考にして業務改善を図り、組織事故に対してどういうチェックリストを備えて、どこをどう調査していくかということを有識者からの提言もありましたが、我々としても調査のあり方を見直していくということです。今後同様な事故が起きてしまった場合には、調査が詳細に行きわたるように努力をいたします。もう一点は被害者の方々にどういう働きかけや協力体制をとっていくかということです。あらためてこの事故を契機にこれらの重要性を感じたところです。そういうものを取り入れてさらに被害者側にたって双方向のコミュニケーションを作り上げていくことが重要な事柄であると認識した次第です。

(日本航空東京国際空港着陸復行時機体損傷事故関係)

問: 日航機の事故についてDFDRから判明した情報で当時の操縦士の操縦手順の適否に関して、現時点で判断できる情報はありますか。
答: 現在解析中ですが、機長と副操縦士の引継ぎがありました。それからゴー・アラウンドの判断は必要として行ったことであり、操縦を副操縦士から機長に引継いだことについては問題ないと思っております。操縦そのものについては今後解析を行っていきます。もうひとつは、ブレーキが掛かっていてスポイラーが開いてスラストリバーサーが入っている状態、これは航空機運用規程ではこういう状態では停止しなさいということです。しかしながら、運航規程では必要となればゴー・アラウンドを躊躇なく行えということもあり、そちらのほうを採用したのだと我々は考えております。その辺の判断の適否については現時点で申し上げることはできません。

問: DFDRの記録では、操縦桿がどういう動きをしたかということは書かれてないということでよろしいのでしょうか。
答: 操縦士が操縦桿をどう操作したかの動作については現時点では解析中です。実際の飛行機の動きについては記録である程度わかります。

問: 飛行機の機材側になにか不具合があったということはないのでしょうか。
答: 現在までの調査では、機材側に不具合があったということは確認できておりません。

問: 日本航空の発表と運輸安全委員会の初動調査の発表では機体の滑走路への接地について認識のずれがあると思われるのですが、接地はしていたのですね。
答: DFDRの記録からは接地していたと思われます。

問: 日本航空の発表では、基本的に操縦士の感覚によるところが大きいと言われていたのですがどうですか。
答: 機体が接地してスポイラーが上がるとスピードブレーキ・レバーがUPします。それを見て操縦を行っていない操縦士がスピードブレーキ・レバーが動いたということを操縦している操縦士に報告する。それを確認していたかどうかも分かりません。その辺をCVRも含めて解析中です。

問: 日本航空の発表では、接地時に機体が浮き上がる感覚があったと言っているのですが、実際にDFDRの記録では、浮き上がったという事実はあるのでしょうか。
答: DFDRの記録を見るといったん接地したあと左の車輪が一瞬地面から離れているのが分かると思います。こういう現象を日本航空の発表は浮き上がる感覚と言われているんではないかと思いますが、今後解析を進めていかないと結果はでません。また、当時風の状況は追い風から向かい風に変化しております。向かい風に変化すると対地速度が上がることになるため、あるいはそのことが浮き上がった感覚になったのかもしれませんので、操縦士からの口述とデータの解析を進めていきます。

問: DFDRの記録でエンジンの逆推力装置がアイドル位置になった。ほぼ同時に、機体のピッチ角が大きくなったとありますが、これは通常の操作のことなのですか。
答: 必ずしも通常のことではないと思います。これはゴー・アラウンドを行おうとしてなった要素が大きいと思いますが、現在解析中です。アイドル位置になると普通は止めますがゴー・アラウンドを行うという判断をしたその動きの一端かもしれません。これは推測ですから今後解析していきます。

問: 今現在で、ピッチ角10°以上が長く続いていた原因として考えられるものはありますか。
答: ゴー・アラウンドのために長くなったのかもしれませんが、推測ですので解析を待ってください。ゴー・アラウンドするためのピッチ角については規程がありますので今後解析をしていきます。また、この機体には尾部接地の予防装置であるスキッドが付いていません。

(旅客船第十一天竜丸転覆事故関係)

問: 天竜丸の事故で、大臣に意見を提出されましたが改めて何故いまこの時期に意見を提出されたのですか。
答: いまの時期というのは、昨年の事故発生からほぼ1年たっていることと、これから川下りのシーズンに入ってくるということで注意すべきことは今進言しておいたほうが良いと判断いたしました。

問: 天竜丸の経過報告のなかで、亡くなられた2才の子供に救命胴衣が配られてなかったとありますが、これは間違いないのですか。また、事故の発生から通報まで8分間掛かっているが何故それだけ時間が掛かったのか調査で分かったことを教えてください。
答: なぜ救命胴衣が配られなかったのかにつきましては分かりません。ただし、体重15kg未満の幼児に適した救命胴衣を備えていなかったのは確かです。通報時間につきましては、僚船と状況の連絡と確認を行っている間に時間が掛かってしまったということが、現在我々がつかんでいる情報です。

問: 天竜丸の件で、意見でも示されていますが、船首が大きく右に振られるような危険な事例があったけれども運航会社の方は把握していなかったということでしょうか。法律上この報告義務はないということですが、一般の利用者としては報告義務がないということが恐ろしいことで把握してしかるべきだと思いますが、如何でしょうか。
答: そのような観点も含めて意見として国土交通大臣へ述べております。

問: 運輸安全委員会として法律問題を意見に盛り込むというのは出来ないのでしょうか。
答: 今回の経過報告の中で指摘しておりますように、会社は安全統括管理者を置いていました。安全統括管理者は、航路の流れが比較的穏やかであり、過去において、事故が発生していなかったことから、特に危険な場所であると認識していませんでした。船頭のリーダーにつきましては、潜在的な危険の情報や操船にとっての注意事項を船頭に対して周知することに努めていましたが、会社としては、現時点までの調査では航路における潜在的に危険な場所等に関する認識を共有していなかったということです。

(コンテナ船ANNA MAERSK乗組員死傷事故関係)

問: コンテナ船の事故ですが、クレーンに付いているフックのピンが外れて救助艇が落下したということでよろしいのでしょうか。
答: 現在までの調査では、そういうことです。

問: 資料の写真でその位置や場所がわかりますか。
答: 写真では、クレーンに付いているフックは違うものが写っていますが、ここに該当のフックがあったということです。

(広報資料のあり方)

問: コンテナ船のクレーンから下げられていたフックのピンが抜けていたと説明がありましたが、資料を見ても何も書いておりません。資料を見ただけではっきり分かる資料をお願いしたいと思います。また、滑空機のインシデントの情報提供は今日の会見で発表されましたが今後は同時期に発表をして頂いたほうがいいと思いますのでその点もよろしくお願いします。
答: 分かりました。今後の参考にいたします。

以上

資料

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