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委員長記者会見要旨(平成24年11月28日)

平成24年11月28日(水)14:00~14:25
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の後藤でございます。ただいまより、11月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、事故調査の進捗状況報告として、船舶の案件を1件と、貨物船SINGAPORE GRACE作業員死亡事故に係わる意見に基づき講じられた施策についてご報告いたします。

1.事故調査の進捗状況報告

(1)旅客船銀河乗揚事故

 はじめに、11月14日(水)15時10分ごろ山口県周防大島町諸島南東方沖の根ナシ礁で発生しました旅客船銀河乗揚事故の調査状況につきまして、調査の進捗状況を報告いたします。資料1をご覧下さい。
 現時点における調査の概要についてですが、運航管理者、船長、乗組員等に対する口述聴取及び船体調査を行いました。
 事故の概要、船舶の主要目、救助時の状況等につきましては、資料1ページ、3ページ、4ページをご覧下さい。
 2ページをご覧下さい。銀河のAIS(船舶自動識別装置)データによる航跡を示しております。
 今後の調査につきましては、このような航跡になった理由を、操船、気象、海象等のあらゆる面から調査することになると思います。
 また、銀河には修学旅行生など162人が乗船しており、日没ごろから救助が開始され、風波で船体が動揺している状況下において、全員が無事救助されたという点につきましても、被害の拡大防止という観点から調査を行う予定です。

(2)その他の調査の進捗状況

 次に現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、ご報告致します。説明は省略させて頂きますが詳細は、資料2をご覧下さい。

2.意見に基づき講じられた施策

(貨物船SINGAPORE GRACE作業員死亡事故)

 最後になりますが、国土交通大臣に対して発出した意見に基づき講じられた施策について、1件報告がありましたので、ご紹介いたします。
 平成21年6月13日に佐賀関港にて荷役作業中に発生した貨物船SINGAPORE GRACEの作業員死亡事故についてでございます。資料3をご覧下さい。
 本事故は、本船が硫化銅精鉱の揚荷役のために佐賀関港の岸壁に係船中、作業員1人が荷役作業に当たるため、3番貨物倉内の梯子を降りている途中で倒れ、救助に向かった他の作業員3人のうちの2人も貨物倉内に倒れ、倒れた3人は貨物倉から救助されましたが、いずれも酸素欠乏症による死亡が確認されたというものです。
 本調査結果につきましては、平成24年4月27日に調査報告書を公表するとともに、同種事故の再発防止のため、国土交通大臣に対して、硫化銅精鉱に付着した浮遊選鉱剤の危険性及び、その使用上における注意事項を国際海事機関(IMO)を介して広く周知することを要請する旨の意見を述べたところです。
 今般、意見に対する措置状況について国土交通省から、通知がありました。
 その内容は、本年9月に開催された国際海事機関(IMO)第17回危険物、固体貨物及びコンテナ小委員会(DSC17)において、当該事故情報及び運輸安全委員会の調査により得られた注意事項を同小委員会に周知したというものであります。
 なお、国土交通省の措置状況については、意見の内容を反映したものとなっています。
 運輸安全委員会としましても、今回の意見を踏まえた事故防止対策が着実に推進され、事故の再発防止に寄与することを期待しております。

 私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

3.質疑応答

(貨物船NIKKEI TIGER漁船堀栄丸衝突事故関連)

問: 金華山沖の事故の件で、その後の進捗状況を伺いします。
答: 現在、鋭意、事故原因の究明に向けて、収集した情報の解析等を進めているところであります。まだ発表する段階ではありません。

問: 以前に貨物船の航跡も発表して頂いたと思いますが、その後如何ですか。
答: 航跡の以前出したところは、貨物船がカナダに向かう途中で航跡から見ると左転したところまで公表しました。現在は衝突の可能性を含めて、左転の理由を調査しているところです。左転後の貨物船の航跡につきましては、公表できる段階まで解析が進んでおりませんので、ご理解頂きたいと思います。

問: どの地点で衝突したのかということもまだわからないということでしょうか。
答: はい、まだ明確ではありません。つまり我々としては、ここだというものをまだ言い切れないところです。もう少し解析を進めていきます。それから、海上保安庁が、堀栄丸の遭難信号を受信した午前2時31分ですが、その時点におけるNIKKEI TIGERの位置についても、まだ解析が充分に進んでおりませんので、公表できる段階ではありません。ご了承頂きたいと思います。それから、VDRの音声データもありますが、それも公表するのか、興味を持って見ておられるかと思いますけど、これは関係のあるところはいずれ、報告書が出たときに公表することはあるかもしれませんが、原則として音声データは公表しないという風に理解して頂ければと思います。音声データは、原因がわかる前に公表しますと、迷惑がかかりますから、なかなかそこまでは出来ないということをご了承頂きたいと思います。

(フェデラルエクスプレスコーポレーション着陸時大破炎上事故関連)

問: 航空事故の、フェデックスの件は今、意見照会作業中ということですが、進捗というか今後の見通しについてはいかがでしょうか。
答: 今年中に、アメリカ側から意見照会の結果が戻ってくることを期待しているという風に考えております。

問: それが戻ってきたらどのくらいのスパンで出来るのでしょうか。
答: どういう意見が戻ってくるかによります。意見に対して、報告書案にどのように対応するのか委員会の中で審議することになります。意見次第ということで一概には言えません。

(旅客船 銀河 乗揚事故関連)

問: 銀河の件ですが、最後のページにタラップの写真がありますが、物がいっぱい置いてあって、問題だったということでしょうか。
答: これは事故の後の写真です。救助の時こうだったということではありません。

問: 救助後にこの写真を撮ったということですか。
答: そうです。置いてあるものは全く関係ありません。

問: タラップを含めて救助の状況などをお聞きになっているんですか。
答: 聞いております。

問: どうして浅瀬に乗り揚げてしまったかっていうのは今の段階で、口述の中で出てきたりしていませんでしょうか。
答: 難しいところです。安全管理規程の運航基準により定められたいわゆる航行経路ではありませんでした。どうして乗り揚げたかは現在調査中です。まだ発表できる段階ではありません。

問: いつも通っているルートとか、慣れているルートというわけではないということでしょうか。
答: 他社の定期船が航行するところはもっと南の方です。二神島の南の方を通るのが定期航路だと聞いてはおります。2ページの図の点線で書いたところが実際に通った航路です。なぜこの航路になったのかは現在調査中であります。

問: 船の状況から今回は、もちろん高校生たちにも怪我はなかったですけども、これは船として危機一髪だったとかそういう感じではないということですか。
答: その点についても、現在、救助された高校からも話を聞く予定です。色々報道されていることもありますけども、これは確認を取らないといけません。

問: 損傷の状況ですが、船底部の損傷はどの程度のものなのでしょうか。船底に穴が開いたと聞いていますが。
答: まだ調査中なので詳細については、現段階では申し上げる状況ではありません。

問: 根ナシ礁灯標というのはどのようなものなのでしょうか。ブイのようなものですか。
答: 根ナシ礁灯標というのはですね、高さが約17メートルの黒地に赤色の横帯1本が入った灯標です。この灯標は、孤立障害標識というもので、灯標の位置又はその付近に岩礁、浅瀬、それから沈没した船等の障害物が孤立していることを示しております。ここにくると危ないですよといっているわけです。2ページ目の航跡図をご覧頂きますと、根ナシ礁灯標周辺に数値が書いてあります。これはその線上のところの深さがそれぞれ5メートル、10メートル、20メートルということでありまして、5メートルの線の内側は5メートルより浅く、1.6メートルの深さの所もあります。海図では、根ナシ礁灯標の周りに水色で水深が、10メートル以下であることが明示されておりまして、その内側には水深1.6メートルの地点も記載されております。そういうことで、船長がそれを見ていたとすれば、わかっていたはずです。

問: 灯標というのは明るい灯台みたいなものでしょうか。
答: そうです。

問: 点線を見ると、まっすぐ突っ込んでいるようにもみえるのですが。
答: そうです、不思議ですね。その辺も調査の対象です。

問: その辺、どういっているのかというのはまだですか。
答: そこまでは申し上げられないです。色々憶測は出来ると思いますが、憶測では書かないでください。

問: 社内的には、浅くなっている場所に対する注意喚起や周知方法はどうなっていたのでしょうか。
答: その点はどういう風に船長や乗組員に対して周知がされていたかは現在調査中であります。

問: 定期船が通る航路じゃないということなんですが、チャーター船が通る航路ではあったんですか。
答: 定期船では航路を指定しています。チャーター船の場合は、通る航路については船長に任されていますので、安全性を確保していれば、ここを通らなければいけないというものはありません。

問: 先程の発言で、安全管理規程の何に基づく航行経路ではないとおっしゃったんですか。
答: 安全管理規程の運航基準により定められた航行経路ではなかったということです。

問: いわゆる定期船のことですね。
答: そうです。先程申し上げましたように、航路選定、どうしてこの航路を選んだかについては現在調査中ということです。

(旅客船第十一天竜丸転覆事故関連)

問: 天竜丸の事故の件ですが、現在の状況と、来月中に公表するのでしょうか。
答: 努力していますけど、いつということは現段階では申し上げられません。現在、報告書案を審議中ですので、お待ちください。

以上

資料

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