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委員長記者会見要旨(平成25年2月5日)

平成25年2月5日(火)14:00~14:48
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の後藤でございます。

1.全日本空輸(株)所属ボーイング式787型重大インシデント関連

 本日は、先月の1月16日に発生しました全日空の高松空港における重大インシデントについて、現在までに判明した状況をご報告します。資料1をご覧下さい。
 表紙の1ページ目は事案の概要です。既に皆様ご承知のことと思います。
 2ページ目に今回損傷があったメインバッテリーの概要を示しております。
 3ページ目にはB787型機のバッテリーの位置を示しております。メインバッテリーは機体前方下部の前方電気室に設置されております。
 4ページ目にバッテリーに関する調査状況をまとめております。メインバッテリーとAPUバッテリーについては、JAXAの施設によりCTスキャンを実施した後、京都のバッテリー製造者において、メインバッテリーのセル毎のCTスキャン及び分解調査を実施しています。また、バッテリー・モニタリング・ユニットは藤沢の製造者で調査を実施しました。バッテリー充電器については、今週の初め、米国で調査官立ち会いの下調査を実施しております。その他、いくつかのユニットをフランスの製造者において調査を予定しております。
 5ページ目に損傷したメインバッテリーのCTスキャン画像を示しております。APUバッテリーと比較して見ると分かりますが、セル4、セル5の変形は比較的少ないですが、その他の6つのセルは膨らんだりひずんだり変形していることが分かります。
 6ページ目に、分解作業の様子を示しております。運輸安全委員会とNTSBの調査官が一緒に写っていますが、運輸安全委員会、NTSB、フランスの製造者、京都の製造者により分解調査が進められております。
 7ページ目にメインバッテリーセルの外観を示しております。まだ、セルを一つ一つに分離する前の様子です。赤点線の丸で示した部分をご覧下さい。セル3のプラス側の端子付近が大きく損傷し、端子の取り付け部分がばらばらになっています。また、端子間の接続板も大きく損傷しています。
 8ページ目に各セルの外観を示しております。どのセルも損傷を受けていることが分かります。先のCTスキャン画像と比較していただくとよく分かりますが、セル1,セル2,セル7,セル8には膨らみや変形があります。セル3とセル6は分離するのが困難で大きく損傷しています。また、セル4、セル5は他のセルと相対的には小さいですがやはり損傷があります。
 9ページ目にセル毎のCTスキャン画像を示しております。セル5には、外箱の下側に小さな穴があります。断面の変形についてはセル7の例を示しました。また、先ほど写真でご覧いただいておりますが、セル3のプラス電極が大きく破損しています。また、セル6のプラス電極につながっているセル内の内部配線が溶断しています。このセル内の内部配線の溶断はセル4,セル5を除いた6つのセルに見られます。溶断は内部配線に大きな電流が流れたことが可能性の一つとして考えられますが、今の段階では何も確定的なことを申し上げることは出来ません。
 10ページ目にバッテリーセルの状況をまとめました。1番目は、8個のセル全てに損傷が見られる。特にセル3及びセル6の損傷が大きい。2番目に全てのセルに熱による損傷が見られる。3番目に、熱暴走があったと見られる。4番目にセル3のプラス電極の損傷が大きい。5番目にセル4、セル5を除いた6つのセル全てのプラス電極の内部配線に溶断が認められる。以上が、バッテリーに関する現在までの調査で分かったことです。
 11ページ目ですが、メインバッテリー筐体のアース線が断線していました。右側の図をご覧いただきたいと思いますが、このアース線は、メインバッテリーの筐体(青色の外箱)をアースしており、静電気の帯電防止を目的としております。バッテリーそのもののアースはマイナス側を別にアースしており、筐体のアース線には通常の状態では電流は流れず、バッテリーシステムの機能には影響を与えません。当初、断線はバッテリーのトラブルと関係が薄いものと考えていましたが、断線の状況を顕微鏡で詳細に調べたところ、撚り線の一部に溶断した痕跡が見られ、被覆を切り開いて調べたところ撚り線が溶断していることが分かりました。撚り線の金属が溶けるような大きな電流が流れた可能性が考えられますが、被覆の損傷が比較的小さいことも踏まえ更に調査を行う必要があると考えています。
 12ページ目ですが、バッテリーセルの損傷状況を更に詳しく調査する予定です。具体的にはセルを分解して、内部の損傷を詳しく調べます。また、飛行記録装置等のデータ解析やバッテリー充電器等の機器の調査を進め、原因究明のための調査を進めます。バッテリー筐体のアース線の断線ですが、いつ断線したか、なぜ断線したか、また、今回の事案との関連性の有無を調べることにしています。
 私からご説明するものは、以上です。
何か質問等があればお受けします。

2.質疑応答

問: 説明があった中で、部分的に損傷のばらつきがあることからどういうことがわかるのかということと、特に3と6の損傷が大きいことにどんな意味があるのかということについて教えてください。
答: 5ページの図を見て頂きますと、CTスキャン画像がありますが、4と5は割とちゃんとしています。3、6、2、7、1、8と、段々というか同じような壊れ方をしています。外見的にはわかりますが、内部的にどうなっているかということはこれからもう少し詳細に調べてみないとわからないということです。

問: 結局この状況を踏まえてですね、バッテリーが何度位になったのかということと、ボストンのトラブルの方では火が出てますけども、今回火が出たのかとか、なぜ火が出ず煙だったのかとかその辺の違いを教えてください。
答: 煙が出たのは外見で確かめられていますが、何度位になったか、数値的なところはこれからの調査してみないといけないと思っております。また、火が出なかったかどうかは確かめられておりません。

問: NTSBの方でも写真とかが公開されています。また、情報交換もされていると思いますが、共通点とか相違点というのは大きくこういうところがあるとかはどうですか。
答: 外観上の相違点はあると思います。それから、内部の解析を行っていくうちで何か相違点が出てくるかどうかはこれからです。

問: セル3のプラス電極を始めとして、6つのセルのプラス電極内部に溶断が認められる、これが意味するところというのは、大きな電流が流れたということなんですか。
答: 多分そうだろうと思いますが、はっきりしたことは申し上げられません。

問: 穴があいていたのはセル5だけですか。
答: はい。発見できたのはセル5だけです。9ページの左側の絵のセル5のセル6側の穴、これです。

問: これはどういう場合に穴があくんですか。
答: わかりません。なぜ穴があいたのか、見当が付きません。穴はですね、他にも大きな損傷があり、中にはかなりの部分が損傷を受けているものもあり、いくつ穴があったかということは必ずしもこれだけではわかりません。

問: 電極が破損しているところにも穴があいているんですか。
答: ここはですね、電極のところは相当損傷を受けて変形していますから、そういう意味で穴があいていたということです。

問: 熱暴走が見られるということなんですけど、これはどういった根拠で何があったんですか。
答: 熱暴走というのはですね、一つのところで熱が発生して、その熱が更に熱を生んで、温度のコントロールが出来なくなる状態を熱暴走と言っております。明らかに高い熱が発生していますので、そういう意味で温度のコントロールが出来なくなった状態ですので、そういうことから、いわゆる熱暴走が発生したという風に申し上げました。NTSBもボストンの事案について記者会見で熱暴走と言っております。

問: セル3のプラス電極の損傷が一番大きいということなんですが、これは要は、結果的にここが一番大きくなったと見ているのか、それともある意味ここが出発点で他に広がっていったと見ているのか、それは今のところどういう見方をしているんですか。
答: 何とも申し上げられません。熱がどういう風に走っていったのかは確定していません。

問: セル3が特にこのプラス電極の破損が大きいということについてはどういう風に見てらっしゃいますか。
答: わかりませんとしか申し上げられません。

問: 熱暴走の根拠は何なんですか。
答: 一つはこの5ページの図が、これが一番はっきりしてますかね。黒くなって焼けてるような図が見えます。これから熱が走っていって焼けていったんじゃないかと、そういう推測です。

問: 火が出ていたかどうかはわからないということですか。
答: わかりません。

問: 火が出なくても高熱になって炭化した可能性があるということですか。
答: そういう可能性はあります。

問: 今のところ出発点はどこだと見てるんですか。熱暴走が先にあってこういったような電極が破損したり溶断が起きたのか、それとも逆に、こういったような現象が先にあって熱暴走が起きたのかっていうのはどうですか。
答: まさにそこが調査の視点だと思われます。

問: この結果をどう我々が見ていいのかというところがいまいちよくわからなくて、こんなところが壊れてた、あそこが壊れてたというのはよくわかるんですけど、今の時点ではこれをもって何が起きたと推察されるのか、どこが出発点だという風に今、これまでの調査のところから推測できるのか。
答: 熱暴走が起きたのではないか、高温になったのではないか、そういうことは言えます。何がきっかけでそういうことになったのかというのは今からの調査であります。位置の関係もありますので、どういう風に流れていったのかということはこれからきちんと解析してみないといけません。専門家の力を借りて、分析を進めていきたいと思っております。

問: 熱暴走が起きた、高温になったというのはもう起きたんだろうと。なぜそういうことが起きたのか、熱暴走とか異常な高温が起きたのかということはどうですか。
答: 高温が先にあってそれから熱が、温度の勾配によって流れていったのか、その辺はまだ調べてみないとわかりません。

問: 要は溶断してるだとか、プラス電極が破損してるだとか、穴があいているだとか、アースが断線しているだとかっていうところは、これはどう捉えればいいんですか。
答: それを今から掴みたいのですが、全体的にこれを組み合わせて何かイメージが描けるかということです。それが我々の主題だと思って頂ければいいと思います。

問: NTSBの発表では、内部ショートをしていたということですが、溶断というのはショートという意味ではないですか。
答: 可能性はあります。ただ、NTSBの発表で、ショートしたというのは何が論拠なのか、実は我々も掴んでいないんです。

問: ショートの跡っていうのはあったとは言えないんですか。
答: 聞いておりません。その発表はありませんでした。

問: 溶断があったということですか。
答: 我々の方では溶断があった。彼らはショートサーキットがあったと言っていますが、どこがどういう風にショートサーキットがあったのかということははっきりしておりません。我々は少なくともそう理解しています。

問: ショートサーキットがあったとは言えないということですか。
答: はい、言えません。

問: 溶断がプラス電極で一番損傷していますが、プラス電極で溶断があったという意味とは何なんでしょうか。マイナス電極じゃなくていずれもプラス電極ですというのはどう考えたらいいんですか。
答: その辺が内部構造の難しいところで、プラス電極の内部配線はアルミで出来ています。マイナスの内部配線は銅で出来ています。ですから、それぞれの極の間でどういう電気的、化学的変化があったのかこれから掴まないといけないわけです。

問: すぐには、プラス電極でというのはわからないものですか。
答: すぐには中々わかりません。ここで起こった化学的、あるいは電子的なプロセスを捉えていくか、これが今後の課題です。

問: 溶断すればショートするものではないのですか。
答: そうとは言えないと思います。

問: 溶断するためにはどういう条件が必要になってくるんですか。
答: 一つは熱でしょうね。熱が電気的に発生したとすれば大きな電流が流れたということだと思います。

問: 大きな電流が流れた、熱が発生したから、結果的にプラス電極の内部の配線は溶断してしまったと考えていいんでしょうか。
答: 結果的にはそうだと思います。

問: 大きな熱や大量の電流が流れ込んだからこのプラス電極も破損したということですか。
答: 多分そうだと思います。これは推測ですけど、そういう流れも考えられるということです。ただ、そこまではわかっておりません。

問: 溶断が先か、熱が先かどちらが先かということなんですが。
答: 溶断が起こるためには熱が先に起こらないといけないと思います。切れてから熱が出るわけはないはずです。

問: プラス電極の内部配線はアルミであるということで、アルミが溶ける以上の熱がそこにあったということはわかるということでしょうか。
答: 限定的なことは申し上げられませんが、そういう推測というんですか、部分的な積み上げをしていくことになると思います。

問: それは何度位なんでしょうか。
答: わかりません。

問: プラス電極の、セル6のCTスキャン画像で、溶断している配線とは赤で囲っているどの部分を指すのでしょうか。
答: 9ページの赤の横丸で囲ったところの上に横棒みたいなものがあります。それから縦に筋のようなものがありますが、本来は縦にある内部配線が全てこの白い横棒のところ、これもアルミなんですが、全部くっついた状態になっています。櫛のような形状になっているのが通常です。ご覧になってわかるように、いくつかの配線がここで切れている、ここが溶断しているということです。

問: 白く浮き上がっているのが横も縦もいずれも配線だということですね。
答: そうです。

問: 配線はアースみたいなイメージでいいのでしょうか。
答: これは企業秘密の部分だそうで余り詳しく申し上げられないんですけど、撚り線が入っているということではなくて、横棒に金属が櫛のように何本か縦に入っているということです。正極の方はアルミで出来てます。正極はですね、コバルト酸リチウムという合金で出来てますが、正極からですね、電荷を集める、カレントコレクターといいますが、このカレントコネクターが溶断しているということです。わかりにくいかもしれませんが、リチウムイオン電池は、プラス極がコバルト酸リチウムというもので作られていて、マイナス極がグラファイト、カーボンで作られています。プラスの極とマイナスの極から電荷を集めて流さなければいけないんですけど、その電荷を集めて流す配線が溶断したと。ですから、プラス極の電荷を集めるものがアルミ、マイナス極の電荷を各グラファイトから集めるものが銅。今回はプラスの電極から電荷を集める集電体、電荷を集めるものですね、この配線が溶断したということです。内部配線とはそういうことです。

問: 内部配線の一部、それともすべて溶断したということでしょうか。
答: 全てとは言えません。図を見ても付いているものがあります。セル6では一部に溶断が見られます。他のセルの様子は私自身は現認していませんが、いずれにせよ4と5を除いた他のセルにも同じような溶断が見られるというのは今回のファインディングの一つだということです。

問: 櫛型のものはこれは電極そのものではなく、集電体というものですか。
答: 電極そのものではないです。厳密に言うと集電体というものです。

問: これはなにで出来ているんですか。
答: アルミと、それからマイナスの方は銅です。

問: 内部配線というのは集電体とイコールと考えていいんですか。
答: はい。集電体という専門用語が非常に一般受けしないということで、この資料では内部配線という使い方をさせてもらいましたが、工学的な専門用語でいうと集電体ということになります。集電体に溶断が見られるということです。

問: 配線というのは、撚り線みたいなものかと、別にもう1個あるようにイメージするんですが、そうではなくてこういう構造物として櫛型の集電体イコール内部配線といっているということでしょうか。
答: 便宜的にそういう方がわかりやすいかと思いまして使いましたが、集電体というものが工学的に電池の分野には使われている名称になります。

問: 原因は見つからないという可能性はあるんですか。
答: 今のところ見つかっておりません。

問: 見つかる自信はありますか。
答: 何とも申し上げられません。

問: 今、ボーイングの方はテストフライトを申請しているとのことですが、ある程度は原因がわかっていると考えていいのでしょうか。
答: そういうニュースは流れてますね。どういう風にFAAが判断したか、我々は聞いておりません。

問: ボーイングの調査の結果を見ておられますか。
答: 我々はもらっておりません。

問: そのテストフライトが早すぎるとかもう少しやらない方がいいとか思われますか。
答: それは何とも申し上げられません。お客を乗せないで飛ばすいわゆる試験飛行ですから、どこが承認してどういう風になるのか。それはアメリカの判断だと思います。

問: テストフライトの連絡はありましたか。
答: 私共には連絡はありません。

問: この9ページのセル5の写真について伺いたいんですが、小さな穴がありますが、これは、横のセル3の写真の手前側にも同じような丸が見えるんですけど、こういう風になる前兆現象という風に理解していいですか。
答: セル3の写真の穴は、圧力を開放するものです。これは意図的に作った穴です。セル5の方のこの穴は、元々はない穴です。

問: セル5は比較的損傷が少ないのにこういう風に穴があいているというのは、いわゆる電池の上側のこの留め具のところよりも下の方が先に変化が起きていたという風にも推測できないんですか。
答: そのような可能性もあるかもしれません。

問: この穴はセル6側と書いてありますけど、セル6の影響で外的に外からあいたのか、セル5の穴の内側が変形していて、溶解しかけて穴があいたのか、熱であいたのか、物理的になんかあいたのか、その辺はある程度わかると思うんですが。
答: 熱であいたのか、それとも何か力がかかってあいたのか、ちょっとわからないです。そこは自分で観察してみれば少しはわかるかもしれませんけど、実際見てないものですから。

問: もともとあいていたかどうかもわからないのですか。
答: それは何とも言えません。それも今から調べてみないといけないと思います。

問: 5ページの写真の位置関係を教えてください。
答:  5番のメインバッテリーとAPUバッテリーと、CTスキャンのことですね。ここの写真の方向を申し上げますと、まずメインバッテリーの青い箱の写真のところの、6というスペルのあるところのすぐそばに、白い横長のキャップみたいなものがあると思うんですけど、こちらの方が前面になります。CTスキャンの画像で前、と書いている部分と同じです。あとAPUバッテリー、下にあるCTスキャンの、これ2次元の画像ですけど、前面というのは上のパネル、上面が前面ということになります。

問: 液が漏れた箇所が見つかったというのは、4の上と1の上ということですか。
答: これに照らし合わせると4の角のところと、あと前面の、向かって左側というのでしょうか、ここにそういう何か黒いものが垂れているということです。

問: アースが断線していることに関してなんですけど、これはいったい何を意味するのか。アースというのはもともと静電気とかを防止するためにあると思うんですが。
答: 筐体についた静電気を、地面に流してやるものです。

問: 内部のアースではなくて、外側の容器の静電気を流すということですか。
答: そうです。

問: それが断線しているというのはいったい何を意味しているのですか。
答: それが問題なんです。それが何を示唆するのかということを今から調べなければいけないと思っています。

問: 強い電力が内部にかかっているところからでるわけじゃないということですか。
答: そうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。

問: NTSBの方は、電池の解析を進めたものの、確実にこれだというものは見つかっていない。電気系統全体に調査対象を拡大していくという方向のようですけど、JTSBとしては如何なんでしょうか。
答: 我々も、例えば、全体のシステムをまとめているフランスの会社に、必要があれば調査に行こうと思っています。アメリカの充電器の方には既に調査官を派遣しています。

問: 更にコンタクタとか、バス・パワー制御ユニットですとか、そういったところにも調査を拡大していくということなんですか。
答: 資料の4ページ目に書いておりますけど、ご質問の部分をまとめております。ご質問があったのは4番目の部分だと思いますけど、フランスの製造者でこのようなテストをするということです。

問: 充電器は調査中で、今のところ何か不具合とかそういったものはあるんですか。
答: バッテリー充電器についてはまだ調査官が行っていますので、そこでどういう試験を行って、どういう結果が出たか、ちゃんとしっかり評価できる、そういうレポートを待っています。その辺はNTSBとも協力して、情報は密に交換しながら行っておりますので、もうしばらく時間がかかると考えて頂いた方がいいです。

問: 今バッテリー調査を行っていて、これからも進めるんでしょうけども、調査対象を周辺の機器にも拡大していくということでしょうか。
答: もちろんそうです。

問: すいません、3と6が一番激しく燃えているということは、この3と6に何かしらの熱暴走が起きて、3と6から広がっていったという見方の可能性が高いということでしょうか。
答: 可能性は、あるかもしれません。確定的なことは申し上げられません。それが難しいところです。

問: 今回のショートが見られないというのは、よく不純物があれば、電池メーカーによると、内部ショートを起こしてますよという話があったのですが。
答: 見られないとは言っておりません。そこまで確証がつかめてないということです。ショートがあったかもしれません。それはちゃんと調べてみないとわかりません。

問: ショートの跡というのはすぐわかるものじゃないんですか。
答: ちょっと難しいんじゃないでしょうか。

問: 逆に3と6が一番激しく燃えているということについては、委員長はどの様にお考えですか。
答: ですからその辺に熱がたまったということは、それがバッテリーの構造からきているのか、あるいはそこで発熱したのかその辺は今から調べなければいけません。発火とか燃えたとかというご質問がありましたけれど、そういう証拠は今のところありません。ご覧になったような現状ですということでご理解願いたいと思います。

問: 改めてなんですけれど、熱暴走が起きていたというデータを出されているわけなんですけれども、これはどれだけシリアスな事態なのかということを、あらためて委員長の感想としてお伺いします。あと、関係機関が増えていますが、それと事故調査の進捗への影響についてはどうですか。
答: 問題は、これはフライト中に起こったということです。実は、基本的にはフライト中はバッテリーを使っていませんから起きないはずです。それがどうしてこのような状況になったのか、それは極めて重大なことだと思っています。

問: 熱暴走が起きたという事態については、どう考えていますか。
答: それは何とも申し上げかねます。つまり、一般のバッテリーでそういうことが起きるかというとそうでもない。色々な点を調べていかないと、それは非常に難しいことで時間もかかることだと思います。

問: 調査のかかる時間の見通しはどうでしょうか。
答: 何とも申し上げられません。今ここから調べていけばわかるぞというのは、一つもないのです。現象的なことだけしかわかっていませんから、その現象を色々な点から専門家の意見を交えて進めていこうと思っています。どういう方向でいこうか、そのこと自体まだはっきりしておりません。

問: NTSBはほかの役所であるとか、専門家を招へいして行っていますけれど、JTSBのほうではどうですか。
答: 計画はありますけれど、決まっているわけではありません。ただアメリカのNTSBとも一緒に行っておりますので、双方で知恵を出し合い、我々の方でも外部のご意見を取り入れながら調査を進めていこうと思っています。

問: もしボーイングの方がある程度の原因が分かっている場合には、連絡があるのですか。
答: ボーイングは何かあるとすると、NTSBを介して話があると思います。

問: 直接はないですか。
答: 直接ボーイングとは話をしておりません。

問: 今回、バッテリーが問題となっているわけですが、今のところ現象しかわからないということで、調査を進める上で中々難しいと思うのですが。
答: そうです。バッテリーが本当に問題であったのか、そこは確認できたわけではありません。しかし、ここから問題が起こっていることは確かなことの一つであるような気がします。しかし、これだけで本当にこうなったのか、システム全体の問題としてとらえる必要がある、そういう意味で色々なことを調べているわけです。

問: 電源システム体系として、バッテリーに見識のある方、電気システム関係に詳しい方というのは7人のメンバーの方でどれぐらいいらっしゃるのですか。
答: 我々の運輸安全委員会の中だけではなく、外部の専門家の力を借りることは考えています。

問: 専門家の方には頼まれているのですか。
答: 現在、候補者を選定中です。

問: 現状では7人の方にはいますか。
答: 現状枠で調べている中でもいます。今の構成は電子技術者が2名、パイロットの方が2名、後の3名は機体・整備全般です。首席も電気のエキスパートです。

問: 今回、リチウムイオンというのが民間の航空機として初めて使われているということに関しては、調査をするうえで難しいというのは感じますか。
答: 難しいと思います。なぜリチウムイオンを使うようになったかというところから、解きほぐさなければいけないところかもしれません。

問: 今までも、リチウムイオン電池を使用した飛行機はなかったのですか。
答: リチウムイオン電池はA380のですね、これはメインバッテリーではないのですが、非常照明設備用の補助的なバッテリーに使われていまして、そのためにFAAはA380のリチウムイオン電池用の特別な要件を作っています。

問: 表現の確認ですが、先ほど、調査の状況をここから調べていけば分かる手掛かりが一つもないというような現状認識をされていますけれども、今日この時点で今まで調査を始められてから印象としてはますますわからなくなって原因究明が遠のいているのか、それとも現状証拠がいろいろ出ていてしぼめられているのか。
答: 我々は科学的に調べる場合、何もわからないとき現象面で何が起きているのかを調べるわけです。そういう現象面で起きたことがどういうことを起点にして起きるか、いくつものアイデアが考えられるわけですが、それを一つずつ確かめていきます。そういうことを調べるたびに確かめる相手先が増えてきているということが言えると思います。

問: 調べるところが増えてきているということですか。
答: そうです。バッテリーだけ調べればよかったのか、機器まで調べるか、あるいは飛行機全体のシステムの問題なのか。

問: それは潰し切れていないということですか。
答: 今のところは潰していません。

問: 調査が始まった時からあまり状況は変わっていないという認識で間違いないですか。
答: 残念ながら、はっきり言われるとそうかもしれません。しかし現象面では何が起きたか、はっきりしています。事故調査は可能性をすべて潰していかなければいけませんし、今回、最初の現象がバッテリーの中から起きたのか、あるいはバッテリーの外から起きたのか、両方の可能性を調べなければいけません。まず、我々は、実際に発熱を起こしたバッテリー本体をまずCTスキャンで外部検査をしまして、それから一つ一つの分解調査にも入っている段階です。それと同時に外部システムのバッテリーの充電器や外部のモニタリングシステムについても調査を進めているわけです。そういう意味では調査が停滞しているというわけではありません。

問: 今回、わかったということは熱暴走というのがあったようだということが今回外から見てわかったと。それで熱暴走がどうして発生したのか、どう損傷が広がったのかということは、原因がまだわかりません。これから調べますと。原因が外部かもしれないし内部かもしれませんし、それはわかりません。今回わかったのは熱暴走があったらしい、それが今回わかりましたということですか。
答: そういうことです。

問: アースのところで、当初関連が薄いと考えていたということでしたけれど、それを改めて調べたということですが、そこの経緯をもう一度よろしいでしょうか。
答: このアース線というのは、さきほど申し上げたことを繰り返しますと、メインバッテリーの筐体、外側の箱、これをアースしています。ですから、静電気の帯電防止を目的としております。バッテリーそのもののアースというのはマイナス側を別にアースしておりまして、筐体のアース線には通常の状態では電流は流れないはずです。バッテリーシステムの機能には影響を与えないようにできています。にもかかわらず断線をしていて、かつ撚り線の一部に溶断した痕跡が見られるということは、そこを過大な電流が流れたということで、なぜそうなったのだろうかということです。通常は電流が流れるところではないんです。それを調べないといけません。

問: 周りの被覆はこの写真では切れていますが、あとから調べるために切ったのですか。
答: あとから切ったものです。

問: 中だけ撚り線が溶断したということですか。
答: そうです。ここのところを顕微鏡で見ていますと、塊みたいな、半田の溶けたみたいな小さいものですけれど、そういう状態になって溶断しているということがわかりました。

問: 電気が流れて畜電流となるようなそういう大電流の形跡ということですか。
答: たぶんそうだろうと思いますが、どうしてそういう電流が流れたのかわかりません。

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