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委員長記者会見要旨(平成27年2月24日)

平成27年2月24日(火)14:00~14:17
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の後藤でございます。
 ただいまより、2月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、3モードにおける事故等調査の進捗状況一覧についてご報告させていただきます。
 

1.事故調査の進捗状況報告

 現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、説明は省略させて頂きますので、詳細は資料をご覧ください。
 なお、 船舶事故調査案件のうち、 平成26年3月30日に発生した「桟橋浮体構造物作業員死傷事故」についてですが、事故発生以後、本事故が曳き船の操船に関連した事故である可能性があったので調査を行ってきましたが、調査の結果、曳き船の操船は本事故の直接的な原因ではないことから、当委員会が取り扱うべき船舶事故ではないことになりましたので、調査進捗状況表から削除しております。
 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何かご質問等があればお受けします。

2.質疑応答

(沖ノ鳥島桟橋浮体構造物作業員死傷事故関連)

問: 沖ノ鳥島の件で、調べてみなければ始まらないというような事案であるとは思いますが、一度船舶事故と認定して3月31日に調査を開始して、途中で判断を変えて中止することは異例のことではありませんか。
答: 過去にもないこともなく、同様の事例として東京案件として過去に1件、地方案件では年数件あります。船舶事故として取り扱わなかった事例として、東京案件で平成24年12月26日に起きた競そう用ボートシングルスカル操縦者負傷事故や、地方案件で病死が原因で落水した事故あるいは流木に当たって船舶が損傷を受けた事故などをあげることができます。なお船舶事故として取り扱うかどうかは、複雑な事象があるので個々の事案の態様に基づき判断しております。今回の場合は操船の如何に関わらず転覆するような性質のものであったと解析の結果が出たので、操船によるものではないということです。

問: 運輸安全委員会の調査対象ではなくなって調査報告書を出さないということですか。
答: 当委員会としては出しません。

問: これまでに得た事実や解析の結果などはどうするのですか。どこかに提供するのですか。
答: まとまった解析の結果についてはしかるべきところには提出することは考えています。

問: しかるべきところとはどこですか。
答: たとえば港湾局にです。

問: 海上保安庁では捜査をしていますが提供はしないのですか。
答: 海上保安庁にはしないと思います。

問: 設置法の定義から当たらないと判断して調査をやめるのはわかりますが、せっかく人とお金をかけて調べた結果をどのように社会に還元していくのかなと思いますが。
答: 情報を提供する港湾局がどう活用するかによると思います。

問: 調査自体は取りやめや中止ということですか。
答: 我々の調査として必要なデータを得て解析した結論です。調査の結果、船舶事故として取り扱う案件ではないという判断の材料は得たということです。

問: 解析をして事故原因はわかったという意味にもとれますが、そうではないのですか。
答: 操船が関係しているかどうかについて、関係していないという結論がでたということです。

問: 対象ではないという結論に至ってそれでどうしたのかということですが、運輸安全委員会として打ち切ったということになるのですか。
答: 表面上は打ち切ったとなりますが、我々が調査した結果はしかるべきところに報告はしたいと思っています。

問: それは報告書をホームページに公表するように公表しますか。
答: 調査対象ではないので公表の対象ではありません。しかるべきところに参考にしてもらいたいということです。

問: しかるべきところに参考にしてもらいたいということは刑事責任とは離れたところということですか。
答: もちろん、そうです。

問: 海保から調査内容を教えてほしいという要請があったらどうしますか。
答: 我々の調査結果については、我々が直接提供することはありません。

(ボーイング787高松事案関連)

問: ボーイング787のバッテリー問題で、高松事案の運輸安全委員会の勧告に対するアメリカの連邦航空局の回答はまだきていませんか。
答: 回答はまだ届いていません。回答があり次第お知らせします。時期が時期なだけにもうそろそろとは思うのですが、回答は出すとの連絡はきていますのでしばらくお待ちください。

(JR西日本山陽線踏切障害事故関連)

問: JR山陽線の事故の調査の進捗状況を伺いたいのと、トラック側に故障があったという情報がありますが、トラック側の調査はどうするのですか。
答: 本件2月13日8時22分頃、JR西日本山陽線西阿知(にしあち)駅から新倉敷駅間において、走行中の列車が線路内に進入していた大型トラックと衝突し、乗客35名及び列車の運転士1名が負傷し、うち乗客1名が重傷を負われました(2月16日現在、事業者調べ)。運輸安全委員会としては、本事故の調査を行うため、鉄道事故調査官2名を現地に派遣し、現場の状況、車両の状況等を調査するとともに、関係者からの聞き取り調査を実施しました。現在、調査中であり、引き続き、必要な調査を実施し、原因究明を行ってまいりたいと考えております。

問: 仮にトラックの側に欠陥や不具合があった場合、運輸安全委員会はどこまで調査できますか。
答: その点は大きな問題点の1つですが、鉄道事故の調査においてもトラック事業者側に問題がある場合はそれなりの対応をとりたいと思い検討中です。

問: それなりの対応とはどのようなことが想定されますか。
答: いくつかありますが、国土交通省内でもトラックの運輸関係を調べているところがありますし、運輸局も調べているので、そういうところの調査状況とあわせて調査を進めることになると思います。

問: 自動車に問題があるときにはということですが、事故後運送会社の話でトラックがリコール対象になっていて修理に出していたと、運転手の事故後の調べに対して、エンストしてエンジンをかけようとしてかからなかったと、そういう口述は運輸安全委員会でも得られている話ではあるとは思いますが、自動車の問題が非常に強く疑われる状況だと思われますが。
答: 報道としては存じています。現在調査中であり、そのような報道内容に相当することが出てくれば自動車関係の調査をどうするか考えなければならないということです。

問: 乗客に重傷者が出て、この種の事故では非常に珍しいので大きな関心を持っています。
答: 自動車側に起因するとされれば動き出したいと思います。

問: 現時点では、自動車局や自動車事故調と連携を始めているということはありますか。
答: 今のところ、連携はとっていません。

資料

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