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委員長記者会見要旨(平成29年3月28日)

平成29年3月28日(火)14:00~14:10
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、3月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、3モードにおける事故調査の進捗状況一覧と、安全勧告及び勧告に基づき講じた措置について航空の案件を2件、さらに運輸安全委員会ダイジェストの発行についてご報告します。

1.事故調査の進捗状況報告

 はじめに、3月5日、松本空港を離陸した、長野県消防防災航空センター所属のヘリコプターが同県の鉢伏山(はちぶせやま)付近に墜落し、搭乗していた機長、整備士、同乗者7名の計9名全員が死亡する航空事故が発生しました。
 亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族、関係者の方々に心よりお悔やみ申し上げます。
 運輸安全委員会においては、事故発生の翌日(6日)に事故調査官3名を現地に派遣し、
 ・ 運航管理担当者等からの聞き取り
 ・ 墜落現場の確認
 ・ 機体の損壊状況の確認  等
の調査を行いました。
 また、日を改め、13日から事故調査官を現地に再度、派遣し、山林の損壊状況等の調査を行いました。
 引き続き、機体の詳細調査、関係者等からの聞き取り、各種データの収集等、必要な調査を実施し、早急な原因究明に努めてまいります。
 続きまして、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況についてですが、説明は省略させていただきますので、詳細は資料1をご覧ください。

2.安全勧告に基づき講じた措置

 次に、安全勧告に基づく措置の状況について、ご紹介いたします。
 平成27年4月14日に発生したアシアナ航空所属エアバス式A320-200型機HL7762がアンダーシュートにより広島空港の航空保安無線施設に衝突した事故についてでございます。お手元の資料2をご覧ください。
 本事故は、同機が空港に進入中、所定の進入経路より低く進入し、滑走路手前の航空保安無線施設に衝突した後、同滑走路進入端の手前に接地したというものです。
 本事故の調査結果につきましては、平成28年11月24日に調査報告書を公表するとともに、関係国である韓国国土交通部に対して安全勧告を行いました。
 今般、韓国国土交通部から、安全勧告に基づく措置の状況について、通知を受けました。
 措置の状況については、規定遵守の重要性を強調するなどの対応が採られておりますが、一部検討中のものもあり、安全勧告の趣旨も踏まえて引き続き韓国からの報告を待ちたいと思います。

3.勧告に基づき講じた措置

 次に、勧告に基づく措置の状況について、ご紹介いたします。
 平成27年8月28日に発生した第一航空所属バイキング式DHC-6-400型機JA201Dが滑走路を逸脱し、粟国空港外周の柵に衝突した事故についてでございます。お手元の資料3をご覧下さい。
 本事故は、同機が空港に着陸した際、右に偏向を始めた機体を適切に制御できず、滑走路を逸脱して空港外周の柵に衝突し、機体を損傷したというものです。
 本事故の調査結果につきましては、平成28年12月15日に調査報告書を公表するとともに、原因関係者である第一航空株式会社に対して勧告を行いました。
 今般、第一航空株式会社から勧告に基づく措置の状況について、通知を受けました。
 勧告に基づく措置の状況として、規定類の改正、運航乗務員の訓練体制の抜本的見直し等を実施した旨の完了報告がありました。
 これらにつきましては、勧告の内容を反映したものとなっておりますが、第一航空株式会社においては、今後とも引き続き、より一層の安全性向上に努めていただきたいと思います。

4.運輸安全委員会ダイジェストの発行

 本日、「運輸安全委員会ダイジェスト第24号」として「航空重大インシデント分析集 航空重大インシデントを手掛かりとした航空事故防止に向けて」を発行し、当委員会のホームページで公表しました。
 ご参考に、本号の掲載ページを印刷した資料4をお配りしております。
 本号では、平成13(2001)年10月の運輸安全委員会の前身である航空・鉄道事故調査委員会発足以降、調査を行ってきた航空重大インシデントの発生状況と調査事例を紹介しています。
 航空重大インシデントの発生要因を調べたところ、主な要因の一つに人的要因があり、思い込みや失念、操縦の慣れ、不十分な確認、不適切な操作などが航空重大インシデントの原因に関与していました。
 また、今回誌面で紹介した事例の多くは航空会社の航空機等が関係した重大インシデントであり、経験豊富な操縦者においても十分気をつける必要があります。
 本号はホームページでの公表のほか、メールマガジンや各種講習会などを通じて関係者の皆様にお知らせすることにより、航空事故防止に役立つことを期待しています。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

5.質疑応答

(長野県防災ヘリ墜落事故関連)

問: 長野県防災ヘリの事故の件で、13日から2回目の現地調査に行かれたということですが、今後の調査の予定と機体の回収について、現時点で決まっていることがあれば教えていただけますか。
答: まず機体の回収についてですが、ここ数日降雪があり、現場の立ち入りにも制約がある状況で、現在、事故機を何処に、どのように搬出するかということについては、長野県及び警察等の関係者と調整している最中であり、搬出時期については未定という状況です。今後の調査については、さらに口述聴取等も必要かと思いますし、原因究明のため国際条約の枠組みのもとに、機体の設計・製造国である米国、あるいはエンジンの設計・製造国であるカナダの協力を得ながら、科学的・技術的な観点から分析を進めてまいります。必要とあらば、分解調査のため設計・製造メーカー等に搬送することも考えられますが、その可能性については現時点ではわかりません。

問: 今の質問に関連して、墜落地点の近くの尾根をヘリコプターが低空で越えようとして、カラマツ林に接触した結果、墜落したという見方があります。ただ、なぜ低空で飛行していたのかといったところは今後の調査になってくると思いますが、今のところの所感をお聞かせください。
答: 現在、いろいろな情報を集めているところであり、その中でさらに調査を追加して原因究明に結び付けていきたいと考えておりますが、現時点では述べさせていただくことはありません。

資料

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