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委員長記者会見要旨(平成29年5月23日)

平成29年5月23日(火)14:00~14:15
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、5月の月例記者会見を始めさせていただきます。

1.事故調査の進捗状況報告

 はじめに、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、説明は省略させていただきますので、詳細は資料1をご覧ください。

 次に、最近発生した主な案件等について、4件ご報告いたします。

 1件目は、本年3月5日長野県で発生した長野県消防防災ヘリ墜落事故につきまして、ご報告いたします。
 本件は、松本空港を離陸した、長野県消防防災航空センター所属のヘリコプターが、同県の鉢伏山付近に墜落し、搭乗していた機長、整備士、同乗者7名の計9名全員が死亡されたものです。
 現在、事故機の搬出方法等について、長野県及び警察等の関係者と調整している状況です。なお、搬出に当たっては、機体の現状を保持する観点から、必要に応じ、航空事故調査官が立ち会うこととしております。
 引き続き、機体の詳細調査、関係者等からの聞き取り、各種データの収集等、必要な調査を実施し、早急な原因究明に努めて参ります。

 2件目は、今月14日、山梨県で発生した山梨県警ヘリによる救助中の事故につきまして、報告いたします。
 本件は、山梨県警察ヘリポートを離陸した、山梨県警所属のヘリコプターが同県の北都留郡丹波山村付近において、救助活動を行っていたところ、樹木等が救助対象者に接触し、死亡されたものです。
 亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族、関係者の方々に心よりお悔やみ申し上げます。
 運輸安全委員会におきましては、事故発生の翌日から翌々日にかけ航空事故調査官2名を現地に派遣し、関係者から状況の聞き取り、救助現場の上空からの確認、機体の確認等の調査を行いました。
 また、本月21日には、航空事故調査官2名を現地に派遣しました。現在、当時の気象状況等のデータ収集及び収集した調査データの分析等を行っております。
 引き続き、状況の詳細調査、関係者等からの聞き取り、各種データの収集等、必要な調査を実施し、早急な原因究明に努めて参ります。

 3件目は、昨年12月14日島根県松江市沖で発生しました漁船大福丸転覆事故につきまして、ご報告いたします。資料2をご覧下さい。
 本件は、大福丸が、航行中に機関トラブルとなり、鳥取県境港に向けてえい航されていたところ、平成28年12月14日午前5時20分ごろ、転覆したのち、沈没し、乗組員9名のうち4名が死亡され、5名が行方不明となっているものです。
 本船については、5月4日に引き揚げられ、6日から4日間、船体外板、甲板上、船内の状況等の調査を行いました。引き続き、これまでに収集した事実情報に基づき、転覆のメカニズム等について、検討、分析し、原因究明を図って参ります。
 なお、本事故に関連しまして、当時の波の状況について、外部機関に推算を委託したところ、配付資料のような結果を得ております。事故発生場所付近では、3方向の波が重なり、周辺海域よりも、波が高く、周期の長い合成波が発生していたものと考えられます。
 このような特異な状況について、漁業関係者に周知するため、鳥取県と島根県に対し、資料2のとおり情報提供を行うとともに、ホームページへの掲載も行っております。

 4件目は、今月14日長崎県佐世保市で発生しました海上タクシーさくらの衝突事故につきまして、ご報告いたします。
 本件は、5月14日22時ごろ、長崎県佐世保市黒島港沖において、さくらが防波堤に衝突し、乗客11名のうち7名が負傷したものです。
 当委員会は、事故発生後、船舶事故調査官3名を現地に派遣し、船長の口述聴取、船体調査等を行っております。
 今後、調査を進め、衝突の原因究明に努めて参ります。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

2.質疑応答

(長野県消防防災ヘリコプター墜落事故関係)

問: 機体の搬出スケジュールについて、教えていただけますでしょうか。
答: 事故機の搬出については、今月中と聞いております。

問: 機体搬出後の調査のポイントはどのような点でしょうか。エンジンとかローターとか念入りに調査するなど、どのような点が必要と認識されておられるのでしょうか。
答: 機体のハードウエアに不具合がなかったか、そのあたりを中心に調査して参りたいと思っております。必要であれば、海外製造国に調査を依頼することもありますが、今のところわかりません。

問: もう一度、今後のスケジュールについて、見通しを教えて下さい。
答: 事故機の搬出は、今月中と聞いております。搬出後は、長野県伊那市の県有施設に搬入し、 保管すると聞いております。

問: 長野県警の調査では、日常的に低空飛行が行われていたのではないかというような話もありますけれど、そういったところの連携はどうなっていますか。連携を取って、そのようなところも調査対象の一つとして調べていくという方針でしょうか。
答: 基本的に、運輸安全委員会の調査は独立して行うことになっておりますので、独自の観点から様々な意見聴取なり、過去の記録がありましたら、それらも参考にして調査をして参りたいと思っております。

(漁船大福丸転覆事故に係る情報提供関係)

問: 大福丸転覆事故の情報提供について、もう少し説明をお願いします。
答: 資料3ページに波高の状況図が出ております。上の図は広域図で隠岐諸島・境港が出ております。下の図は拡大図で、黒い点線が本船のえい航された経路です。美保関の少し沖側の色が赤くなっておりますけれども、このあたりが特に波高が高くなっています。北から来る二つの波と反射波の三波が重なって、合成波として少し高くなっているのではないかという情報が得られましたので、同じようなところを航行する、あるいは、気象条件にもよると思われますが、このような現象があるということを周知していただくため、鳥取県・島根県に情報提供をしたところです。

問: 複数の方向から波がぶつかるということですか。
答: そうです。お手元の資料はあくまでも推算値で、計算上の数値です。当時の気象データ局地数値予測モデルの数値を入れて計算したところ、このような結果が出たということです。恐らく発生した場所付近では、当時、北東ないし北北東の風が吹いておりましたので、隠岐の島の影にならなくて、しかも、島根半島の反射波と重なり合って高くなったんだろうと考えられます。同じように、波の周期・方向を数値上で求めたという資料です。

問: 三方向から波が重なって波が高くなったというイメージですが、この付近の波は通常どのくらいで、今回の事故の時はどのくらいだったのかデータで示されているのでしょうか。
答: 通常といっても、その時の気象状況等によりますので、何とも言えないのですが、当時の気象観測結果によりますと、風向が北北東で、風速が16mの風が吹いておりました。このような状況のもと計算すると、隠岐の島の南方ではだいたい3mくらいだったと、それが、美保関の沖になると3m~4m近くの波高になっているということが計算上得られたという資料です。

問: 事故との因果関係はどう見ていらっしゃるのですか。
答: 事故との因果関係については、現在分析中でございまして、とりあえず推算結果が得られたということで、この付近で北東の風が吹くと波が高くなると、多方向の波がぶつかり合うという現象が生じるという情報を島根県及び鳥取県に提供したということです。事故との因果関係については、さらに分析していきます。

問: 資料2ページに書いてある「約3.3mと比較して波高が高く約3.7m」というところを説明されたという理解でよろしいですか。
答: そのとおりです。

問: 外部機関に委託とありますが、外部機関とはどんな機関ですか。
答: 民間のコンサルタント会社で、過去にも同様の推算結果を委託した実績があります。

問: 資料では5月16日と書いてありますので、島根県と鳥取県には5月16日に情報提供したということでよろしいですか。
答: はい。

資料

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