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委員長記者会見要旨(平成30年1月23日)

平成30年1月23日(火)14:00~14:10
国土交通省会見室
中橋和博委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の中橋でございます。
 ただいまより、1月の月例記者会見を始めさせていただきます。

 はじめに、新年最初の会見となりますので、所感を述べさせていただきます。
 昨年を振り返りますと、3月に長野消防防災ヘリが墜落したのを皮切りに、小型機の墜落事故が続きました。これら小型機事故で21名の方が昨年1年でお亡くなりになっています。
 また、6月にはコンテナ船と米海軍イージス艦との衝突事故、年末には、新幹線の台車に亀裂が生じるという重大インシデントも発生しました。

 運輸安全委員会では、これら事故・インシデントの調査を鋭意進めているところであり、できるだけ早く報告書を公表して再発防止につなげていく所存です。
 また今年は、運輸安全委員会が発足して10年の節目の年になります。当委員会としては、これまで培ってきた知見を活かし、事故の再発防止につながるような意見発信に積極的に取り組んでまいります。

 例えば、大手の運輸事業者はもちろんのこと、小規模な事業者や自家用航空機・プレジャーボートを持つ個々人に対しても運輸安全委員会として積極的な意見発信を行い、広く安全意識の向上を図ることで、同種事故の再発防止につなげていきたく思います。

 そのために、調査報告書の記載方法も工夫するとともに、ダイジェストや出前講座等を更に充実してまいりたく考えています。

 平成30年におきましても、運輸の安全・安心に寄与できるよう、委員・職員一同全力を挙げて取り組む所存です。

1.事故調査の進捗状況報告

 次に、事故調査の進捗状況について、ご報告します。
 前月の定例会見から新たに追加となった事故及び重大インシデントは、鉄道モードで1件、1月16日に関西線で発生した第4種踏切道での事故です。
 その他の進捗状況については、お手元の資料1をご覧ください。

 次に、主な案件の調査状況について、1件ご報告します。昨年12月に発生しました新幹線車両の重大インシデントについてです。

 当委員会では、本インシデントの発生直後より、原因究明に向けた調査を継続的に進めており、現在、台車の亀裂破面の分析、損傷部品の解体調査、運行の経過に関する解析などを進めているところです。
 現時点では、調査結果の公表時期について申し上げられる段階ではありませんが、可能な限り早期に、亀裂の発生原因などの究明を図り、安全運行の確保に貢献できるよう、調査の進捗に努めてまいります。

2.勧告に基づき講じられた措置

 次に国土交通大臣から、勧告に基づいて講じた施策についての通報がありましたので、ご紹介します。

 平成27年7月26日に発生しました個人所属パイパー式PA-46-350P型JA4060の事故についてです。資料2をご覧ください。

 本事故は、同機が調布飛行場を離陸した直後、東京都調布市の住宅に墜落し、搭乗していた機長及び同乗者1名が死亡、同乗者3名が重傷を負い、また、住民1名が死亡、2名が軽傷を負ったというものです。

 本調査結果につきましては、平成29年7月18日に調査報告書を公表するとともに、国土交通大臣に対して勧告を行いました。

 今般、国土交通大臣から、運輸安全委員会設置法第26条第2項の規定により、勧告を踏まえて、次の2点の施策を講じた旨の通報を受けました。

 1点目は、自家用小型機の運航の安全性の向上を図るため、小型機の運航者や関係団体などに対し、飛行前の確認の確実な実施や飛行規程の遵守及び非常事態への備えについて注意喚起するとともに、技能審査の実施方法を充実させ、これら内容を含むリーフレットを作成し広く周知したこと。
 2点目は、空港の設置・管理者に対し、空港の離陸滑走路長を最大限に利用している事例をとりまとめ周知するなどの対策を講じたというものです。

 この通報につきましては、勧告の内容を反映したものと考えております。
 これらの施策が継続的に行われることを通じて、安全性の向上につながり、同種事故の再発防止が図られることを期待しております。

3.運輸安全委員会ダイジェストの発行

 最後に、本日、「運輸安全委員会ダイジェスト第27号」として「船舶事故分析集 内航貨物船・内航タンカーの機関故障関連事故等の分析」を発行し、当委員会のホームページで公表しました。資料3をご覧ください。

 運輸安全委員会がこれまでに報告書を公表した船舶の事故及びインシデントのうち、主機や補機などの故障、不具合が関与した火災や浸水、衝突等の船舶事故、あるいは運航不能等の船舶インシデントが、約一割を占めています。

 本号では、このうち、内航貨物船・内航タンカーの機器故障が関係した事故、インシデントの状況を取りまとめ、これら船舶の機関士、機関科職員の方々に同種事故等防止の教訓としていただきたい事例などを紹介しております。

 本日、私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

4.質疑応答

(東海道新幹線重大インシデント関連)

問: 新幹線台車の亀裂について、前回の会見では、一般論として急に広がるものではないという話であったかと思います。まだ、調査中とのことですが、急にできたものなのかどうか、ある程度分かってきているものなのでしょうか。
答: 先程申し上げたとおり、詳細に台車を調査しているところですので、そのあたりの詳しいところは現時点で申し上げられることはありません。前回の記者会見で申しましたのは一般論という意味です。

問: 新幹線台車の件について、亀裂の原因が分かった時点で、公表なり対応を示したりすることはあるのでしょうか。
答: そのあたりについても、委員会の中で議論しているところですので、改めて必要とあれば、途中経過なり事実情報を公表するということは考えていきたいと思っています。

(長野県消防防災ヘリコプター墜落事故関連)

問: 長野県の消防防災ヘリの事故に関連して、総務省消防庁の方で安全対策検討会を設け、その中で今後の安全対策としてダブルパイロット制の導入を支援していく方針を示しているのですが、委員長の所感をお伺いできますか。
答: お尋ねの長野県消防防災ヘリの事案については、現在、多角的な調査を行っているところであり、現時点で事故原因に関係するところは言及しにくいところです。
 一般論として、消防防災等、厳しい条件で運航することが想定されるヘリコプターについて、操縦に起因する事故の発生を防止するため、操縦士2名で運航するという考え方があることも理解はできます。

問: 岐阜県で起きた防災ヘリ墜落事故の調査報告書で、再発防止策としてダブルパイロット制について触れられていたと思いますが、一般論として、ダブルパイロット制の意義についてお伺いできますか。
答: その事故は、2009年に奥穂高の高度三千メートルくらいで発生した事案かと思いますが、高高度の性能限界に近いところでの飛行であったことから、あのような事故になったということが原因欄に書いてあるかと思います。
 一方、報告書には、困難性の高い地域の出動は2名パイロットが望まれるということも記載されています。当時の委員会でいろいろな議論があったことも承知しております。
 今後、我々も必要があれば委員会の中で議論していきたいと思います。

資料

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