住宅事情の現況

  1. 住宅事情の動向

(1)住宅整備の現状(平成5年住宅統計調査結果及び平成5年住宅需要実態調査結果の概要)

住宅数、世帯数

<全国の住宅数は、4,588万戸>
平成5年10月1日現在の我が国の総住宅数は4,201万戸で、5年前の昭和63年調査の結果に比べ、387万戸、率にして9.2%増加した。
総住宅数は、第1回目の住宅統計調査が行われた昭和23年の1,391万戸から、40年で約3倍に増加し、初めて4,500万戸を超えた。
また、平成5年10月1日現在の我が国の総世帯数は4,097万世帯で、総住宅数が総世帯数を491万戸上回っており、1世帯当たりの住宅数は1.22戸となっている。

<空き家は、448万戸、空き家率は9.8%>
空家数は、448万戸で、総住宅数に占める割合(空家率)は9.8%である。このうち、「賃貸又は売却用の住宅」が234万戸で、空き家全体の59.3%と過半数を占めている。

住宅の建て方、構造

住宅の建て方については、最近の旺盛な貸家建築により、共同住宅は比率、絶対数ともに増加した。一方、長屋建ては比率、絶対数ともに減少し、一戸建てについては絶対数は増加したが、比率は減少した。
住宅の構造については、非木造の比率が30%を超え、住宅の不燃化が一層進行した。

住宅の設備

住宅の設備の普及率は、着実に向上しており、浴室の設置率は9割を超え、便所の水洗化率も向上している。

住宅の規模

居住室数、延べ面積とも、持家のみならず、借家においても平均規模は着実に拡大している。
1住宅当たり居住室数は、4.85室であり、持家・借家別にみると、持家で6.09室、借家で2.92室となっている。
1住宅当たり延べ面積は、91.9m2であり、持家・借家別にみると、持家で122.1m2、借家で45.1m2となっている。

住宅の所有関係

<持家率の推移>
住宅の所有関係別比率の推移をみてみると、持家率は昭和48年まで大都市への急激な人口移動を背景として減少を続け、その後、人口移動の安定化及び大都市に流入した世帯が持家取得時期にさしかかったことにより、昭和58年まで上昇傾向にあった。
昭和58年以降には持家率は低下する一方、民営借家(設備専用)の比率が大幅に上昇した。
この持家率の低下は、持家需要が昭和58から61年頃にかけて買い控え傾向にあり、低迷する一方で、借家需要は堅調であったことによるものと考えられる。

居住水準

居住水準目標のうち、規模要因に関する達成状況を見ると、「最低居住水準」未満世帯は、なお319万世帯(未満率7.8%)残存している。
また、第五期住宅建設五箇年計画で従来の「誘導居住水準」の達成率は、40.5%である。

現在の住まいに対する評価

住宅の質は着実に向上しているにもかかわらず、住宅に関する意識調査である「住宅需要実態調査」によると、住まいに対して不満を抱いている世帯は、35.4%とこれまでの調査と比べ格段の変化はない。
このような傾向は過去の調査時においても同様で、国民の住宅に対する要求の高度化・多様化が進んでいることによって、質の向上が必ずしも満足度の上昇へと直結していないことがうかがわれる。


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