第八期住宅建設五箇年計画(平成13〜17年度)の概要

 

                         平成13年3月13日閣議決定

                                

1.住宅建設五箇年計画策定の意義

 (1) 今後の住宅政策の方向

  @ ストック重視(良質な住宅ストックへの再生、既存ストックの活用等)

  A 市場重視(市場機能を活用しつつ、公的主体が市場の補完等の施策を推進)

  B 高齢社会への対応(高齢者が安心して居住できる居住環境の整備、

   住宅のバリアフリー化の推進等)

  C 都市居住・地域活性化への対応(職住近接の良質な住宅供給、田園住宅の整備等)

 

 (2) 新たな住宅建設五箇年計画策定の意義

  上記の住宅政策の方向を踏まえ、中長期的な政策の内容・優先順位を再構築。計画内容も再編。(* 住宅建設計画法に基づき、5年ごとに策定。)

  

2.新たな住宅建設五箇年計画の内容

(1) 居住水準・住環境水準

 ○住宅等の質の向上を誘導

  ・誘導居住水準達成率目標の引上げ2015年の達成世帯:2/3(H10:約46%)

  ・住宅性能水準目標の充実:2015年の住宅のバリアフリー化目標の創設

   *「手すり」「広い廊下」「段差解消」をすべて備えた住宅ストック:2割H10:約3%) 

    個別事情に応じたバリアフリーリフォームされた住宅ストック:2割

  ・緊急に改善すべき密集住宅市街地の基準を明確化

 

(2)住宅整備戸数

 ○居住水準目標の前提として、市場における需要見通しを提示

  ・新築戸数640万戸(七期:730万戸) 

  ・新たに増改築見通しを設定(430万件) 

 

(3)市場を重視した施策の基本的方向の明示(市場環境整備のための行動計画の策定)

 ○消費者が安心して取り引きできる中古住宅・賃貸住宅・リフォーム等住宅市場の環境整備に向けて取り組むべき行動計画(アクションプログラム)の策定

 

(4)公的資金による住宅建設の事業量

 ○住宅市場は民間が主体、公的資金住宅の役割は市場の補完・誘導

 施策の方向として、増改築の重視、高齢者対策の充実等を明示

(参考1)第八期住宅建設五箇年計画において推進する施策の概要

 

  @ 国民の多様なニーズに対応した良質な住宅ストックの整備

   ○ 良質な住宅ストックの形成を支える環境整備の推進 

    ・ 住宅の性能評価・表示制度の普及等市場の環境整備の推進

    ・ 税制・融資の活用による住宅取得等に対する支援

    ・ 公共賃貸住宅の的確な供給等による適切な市場の補完

   ○ 分譲マンションの維持管理の適正化、建替えの円滑化 

   ○ 民間賃貸住宅供給の促進、賃貸借関係の適正化 

   ○ 環境、IT化等21世紀の住生活を支える住宅ストックの形成 

    ・ 長期耐用住宅、環境負荷の低減に資する木造住宅の普及、室内環境対策の推進

 

  A いきいきとした少子・高齢社会を支える居住環境の整備

   ○ 住宅のバリアフリー化の推進等高齢社会に対応した住宅ストックの形成 

    ・ 民間事業者等による高齢者向け優良賃貸住宅の供給促進、福祉施策との連携強化

   ○ 子育てがしやすい居住環境の整備 

 

  B 都市居住の推進と地域活性化に資する住宅・住環境の整備

   ○ 職住近接の良質な住宅供給、良好な居住環境を備えた住宅市街地の整備 

   ○ 密集住宅市街地の整備の推進 

   ○ 優良な田園住宅の整備等地域活性化に資する住宅供給 

 

  C 消費者がアクセスしやすい住宅市場の環境整備の推進

   ○ 消費者が安心して取り引きできる中古住宅・賃貸住宅・リフォーム等住宅市場の

    環境整備に向けて取り組むべき行動計画(アクションプログラム)の策定

 

 

 

(参考2)住宅建設五箇年計画の目標 

 (1) 居住水準の目標

  ○ 誘導居住水準

    2015年において全世帯の2/3(平成10年:約46%)

    2010年において大都市圏の半数の世帯の達成(平成10年:約41%)

  ○ 2015年の住宅ストックの規模別構成 

    100u(共同建80u)以上の住宅ストックの割合:5割(平成10年:3割後半)

    50u(共同建40u)以上の住宅ストックの割合:8割(平成10年:7割半ば)

  ○ 最低居住水準

    早期解消に努める(平成10年:約5%)

 

    (注)誘導居住水準(=住宅ストックの質の向上を誘導する上での指針)

        一般型誘導居住水準      (例)4人世帯:123u

        都市居住型誘導居住水準   (例)4人世帯: 91u

      最低居住水準(=健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な水準)

                     (例)4人世帯: 50u

 

 (2) 住宅性能水準

   耐震性、防火性等、住宅性能に係る水準を明示。特にバリアフリー化の目標を設定。

  ○ 2015年の住宅のバリアフリー化の目標

      「手すりの設置」「広い廊下」「段差の解消」を備えた住宅ストック:2割

      居住者の個別の事情に応じたバリアフリーリフォームがなされた住宅:2割

      *「手すりの設置」「広い廊下」「段差の解消」を備えた住宅:約3%(平成10年)

 

 (3) 住環境水準

  ○ 住宅市街地の安全性を確保するための指針として、「緊急に改善すべき密集住宅市

   街地の基準」を設定

  ○ 地方公共団体による地域の実情に応じた住環境の改善等を図るため、「住宅市街地

   の改善等の指針」を設定

 

 (4) 住宅建設戸数

  ○ 五箇年間における住宅建設の目標量、公的資金による住宅建設の事業量に、新たに増改築の見通しを明示。                 

   (個別の戸数については、本文を参照願います。)


第八期住宅建設五箇年計画について(本文)(.doc)

第八期住宅建設五箇年計画について(本文)(.jtd)