●高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年4月6日公布 法律第26号)

 


 


 
高齢社会の急速な進展に対応し、民間活力の活用と既存ストックの有効利用を図りつつ、高齢者向けの住宅の効率的な供給を促進するとともに、高齢者の入居を拒まない住宅の情報を広く提供するための制度の整備等を図ることにより、高齢者が安心して生活できる居住環境を実現。
 

 

1.民間活力を活用した高齢者向けの賃貸住宅の供給促進

 

 (1) 民間活力を活用して高齢者単身・夫婦世帯等向けのバリアフリー化された優良な賃貸住宅の供給を促進。(高齢者向け優良賃貸住宅制度の創設)

 

民間事業者等による高齢者向け優良賃貸住宅の建設既存ストックの改良等に対し、国・地方公共団体により補助

     補助等の概要

     ・住宅の共用部分(廊下、階段等)、バリアフリー設備等の整備費に対し補助 

      (補助率 国1/3 地方1/3

     ・一定収入基準以下の世帯に対する家賃減額費用に対し補助(補助率 国1/2 地方1/2

     ・税制上の優遇(固定資産税の軽減、所得税・法人税の割増償却)

 

  ロバリアフリー改良を行い、高齢者向け優良賃貸住宅とする場合に、既存住宅の購入費に融資を行う住宅金融公庫融資の特例を創設。

 

 (2) 民間による供給を補完するため、必要に応じ、地方公共団体、公団、公社が既存ストックも活用し、高齢者向けの優良な賃貸住宅を供給

 

  第八期住宅建設五箇年計画において、高齢者向け賃貸住宅について11万戸の供給を計画。

 

 (参考1) 高齢者世帯は急速に増加

                   2000年         2015年

   ・高齢者がいる世帯   約1540万世帯(約33%)→約2030万世帯(約41%) 490万世帯増加

     うち単身・夫婦世帯  約680万世帯(約15%)→約1070万世帯(約22%) 390万世帯増加

 

 (参考2) 住宅のバリアフリー化の現状と目標

  ・バリアフリー化(「手すりの設置」「広い廊下」「段差の解消」された住宅ストック

    住宅ストック全体の2.7%  民間借家では0.3%

 

  (第八期住宅建設五箇年計画における目標)

  「手すりの設置」「広い廊下」「段差の解消」を備えた住宅ストック 2015年 約2割  

                                           計約4割 

  居住者の個別の事情に応じたバリアフリー住宅ストックの形成   2015年 約2割

 

 

2.高齢者が円滑に入居し、安心して生活できる賃貸住宅市場の整備

 

(1) 高齢者世帯の入居を拒まない賃貸住宅の登録・閲覧制度の創設により、高齢者に対する賃貸住宅情報の提供体制を整備。(知事又はその指定した機関が実施)

   (参考)民間賃貸住宅管理会社の4割は、管理する住宅の大部分につき高齢者入居不可としている。

 

(2) 登録された住宅を対象とする滞納家賃の債務保証を高齢者居住支援センター(既存の財団を活用)が実施し、大家の不安を解消。

  ・保証料及び基金(国費20億円)により、滞納家賃(6ヶ月を限度)を保証。

 

(3) バリアフリー化された賃貸住宅に高齢者が終身にわたり安心して居住できる仕組みとして終身建物賃貸借制度を創設。

 ※ 知事の認可を受けた賃貸住宅につき、賃借人が生きている限り存続し死亡時に終了する、借家人本人一代限りの借家契約。配偶者等一定の同居者の居住の継続にも配慮。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.高齢者自らによる持家のバリアフリー化の推進

 

(1) 生存時の返済負担を軽減(利払いのみ)し、死亡時に住宅資産等を活用して一括償還するバリアフリーリフォームのための特別な住宅金融公庫の融資制度の創設。

 

(2) 一括償還型バリアフリーリフォーム融資制度に対応し、高齢者居住支援センターが債務保証を実施。

 ・保証料及び基金(国費5億円)により運営。

 

 

4.高齢者の居住の安定確保のための基本方針の策定

 

 ○ 高齢者の居住の安定確保を図るための施策の的確な実施を図るため、高齢者向けバリアフリー住宅の整備、福祉との連携等に関する基本的事項を内容とする基本方針を策定。

 

○施行期日 1,2-(3),4については、公布後4か月以内

-(1)(2),3については、公布後6か月以内