高齢者の居住の安
定確保に関する法律施行規則第14条の2第5号の規定に基づき国土交通大臣の定める基準
平成17年国土交通省告示第1150号
1 住宅の専用部分に係る基準
(1) 段差
イ 日常生活空間(高齢者の利用を想定する一の主たる玄関、便所、浴室、脱衣室、洗面所、寝室(以下
「特定寝室」という。)、食事室及び特定寝室の存する階(接地階(地上階のうち最も低い位置に存する階をいう。)を除く。)にあるバルコニー、特定寝室の
存する階にあるすべての居室並びにこれらを結ぶ一の主たる経路をいう。以下同じ。)内の床が、段差のない構造(5mm以
下の段差が生じるものを含む。以下同じ。)であること。ただし、次に掲げるものにあっては、この限りでない。
[1] 玄関の出入口の段差で、くつずりと
玄関外側の高低差を20mm以下とし、かつ、くつずりと玄関土間の高低差を5mm以下としたもの
[2] 玄関の上がりかまちの段差
[3] 勝手口その他屋外に面する開口部
(玄関を除く。以下「勝手口等」という。)の出入口及び上がりかまちの段差
[4] 居室の部分の床のうち次に掲げる基
準に適合するものとその他の部分の床の300mm以上450mm以
下の段差
a 介助用車いすの移動の妨げとならない位置に存すること。
b 面積が3m2以
上9m2(当該居室の面積が18m2以下の場合にあっては、当該面積の1/2)未満であること。
c 当該部分の面積の合計が、当該居室の面積の1/2未満であること。
d 長辺(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が1,500mm以上であること。
e その他の部分の床より高い位置にあること。
[5] 浴室の出入口の段差で、20mm以下の単純段差(立ち上がりの部分が一の段差をいう。以下同じ。)としたもの又は浴室内外の高低差を120mm以下、またぎ高さを180mm以下とし、か
つ、手すりを設置したもの
[6] バルコニーの出入口の段差。ただ
し、接地階を有しない住戸にあっては、次に掲げるもの並びにバルコニーと踏み段(奥行きが300mm以
上で幅が600mm以上であり、当該踏み段とバルコニーの端との距離が1,200mm以上であり、かつ、1段であるものに限る。以下同じ。)との段差及び踏み段とかまちとの段差で180mm以下の単純段差としたものに限る。
a 180mm(踏み段を設ける場合に
あっては、360mm)以下の単純段差としたもの
b 250mm以下の単純段差とし、か
つ、手すりを設置できるようにしたもの
c 屋内側及び屋外側の高さが180mm以
下のまたぎ段差(踏み段を設ける場合にあっては、屋内側の高さが180mm以下で屋外側の高さが360mm以下のまたぎ段差)とし、かつ、手すりを設置できるようにしたもの
ロ 日常生活空間外の床が、段差のない構造であること。ただし、次に掲げるものにあっては、この限り
でない。
[1] 玄関の出入口の段差
[2] 玄関の上がりかまちの段差
[3] 勝手口等の出入口及び上がりかまち
の段差
[4] バルコニーの出入口の段差
[5] 浴室の出入口の段差
[6] 室内又は室の部分の床とその他の部
分の床の90mm以上の段差
(2) 階段
住戸内の階段の各部の寸法は、次の各式に適合していること。ただし、ホームエレベーターが設けられている
場合にあっては、この限りではない。
イ 勾配が22/21以下であり、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550mm以
上650mm以下であり、かつ、踏面の寸法が195mm以
上であること。
ロ 蹴込みが30mm以下であること。
ハ イに掲げる各部の寸法は、回り階段の部分においては、踏面の狭い方の端から300mmの位置における寸法とすること。ただし、次のいずれかに該当する部分にあっては、イの規定のうち各
部の寸法に関するものは適用しないものとする。
[1] 90度屈曲部分が下階の床から上3段以内で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状がすべて30度以上となる回り階段の部分
[2] 90度屈曲部分が踊場から上3段以内で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状がすべて30度以上となる回り階段の部分
[3] 180度屈曲部分が4段で構成され、かつ、その踏面の狭い方の形状が下から60度、30度、30度及び60度の順となる回り階段の部分
(3) 手すり
イ 手すりが、次の表の(い)項に掲げる空間ごとに、(ろ)項に掲げる基準に適合していること。ただし、便所、浴室、玄関及び脱衣室にあっては、日常生活空間内に存す
るものに限る。
(い) |
(ろ) |
空間 |
手すりの設置の基準 |
階段 |
少なくとも片側(勾配が45度を超える場合にあっ
ては両側)に、かつ、踏面の先端からの高さが700mmから900mmの
位置に設けられていること。ただし、ホームエレベーターが設けられている場合にあっては、この限りでない。 |
便所 |
立ち座りのためのものが設けられていること。 |
浴室 |
浴槽出入りのためのものが設けられていること。 |
玄関 |
上がりかまち部の昇降や靴の着脱のためのものが設置できるようになっていること。 |
脱衣所 |
衣服の着脱のためのものが設置できるようになっていること。 |
ロ 転落防止のための手すりが、次の表の(い)項に掲げる空間ごとに、(ろ)項に掲げる基準に適合していること。ただし、外部の地面、床等からの高さが1m以下の範囲又は開閉できない
窓その他転落のおそれのないものについては、この限りでない。
(い) |
(ろ) |
空間 |
手すりの設置の基準 |
バルコニー |
[1] 腰壁その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「腰壁等」という。)の高さが650mm以上1,100mm未満の場合にあっては、
床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 [2] 腰壁等の高さが300mm以上650mm未満の場合にあっては、腰壁等から800mm以
上の高さに達するように設けられていること。 [3] 腰壁等の高さが300mm未満の場合にあって
は、床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
2階以上の窓 |
[1] 窓台その他足がかりとなるおそれのある部分(以下「窓台等」という。)の高さが650mm以上800mm未満の場合にあっては、床面
から800mm(3階以上の窓にあっては1,100mm)
以上の高さに達するように設けられていること。 [2] 窓台等の高さが300mm以上650mm未満の場合にあっては、窓台等から800mm以
上の高さに達するように設けられていること。 [3] 窓台等の高さが300mm未満の場合にあって
は、床面から1,100mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
廊下及び階段 (開放されている側に限る。) |
[1] 腰壁等の高さが650mm以上800mm未満の場合にあっては、床面(階段にあっては踏面の先端)から800mm以上の高さに達するように設けられていること。 [2] 腰壁等の高さが650mm未満の場合にあって
は、腰壁等から800mm以上の高さに達するように設けられていること。 |
ハ 転落防止のための手すりの手すり子で床面(階段にあっては踏面の先端)及び腰壁等又は窓台等(腰
壁等又は窓台等の高さが650mm未満の場合に限る。)からの高さが800mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で110mm以
下であること。
(4) 部屋の配置
日常生活空間のうち、便所が特定寝室の存する階にあること。
2 住宅の共用部分に係る基準
(1) 共用廊下
住戸から建物出入口、共用施設、他住戸その他の日常的に利用する空間に至る少なくとも一の経路上に存する
共用廊下が、次に掲げる基準に適合していること。
イ 共用廊下の床が、段差のない構造であること。
ロ 共用廊下の床に高低差が生じる場合にあっては、次に掲げる基準に適合していること。
[1] 勾配が1/12以下(高低差が80mm以下の場合にあっては
1/8以下)の傾斜路が設けられているか、又は、当該傾斜路及び段が併設されていること。
[2] 段が設けられている場合にあって
は、当該段が(2)イの[1]から[4]までに掲げる基準に適合していること。
ハ 手すりが共用廊下(次の[1]及び[2]に掲げる部分を除く。)の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが700mmから900mmの位置に設けられているこ
と。
[1] 住戸その他の室の出入口、交差する
動線がある部分その他やむを得ず手すりを設けることのできない部分
[2] エントランスホールその他手すりに
沿って通行することが動線を著しく延長させる部分
ニ 直接外部に開放されている共用廊下(1階に存するものを除く。)にあっては、次に掲げる基準に適
合していること。
[1] 転落防止のための手すりが、腰壁等の高さが650mm以
上1,100mm未満の場合にあっては床面から1,100mm以
上の高さに、腰壁等の高さが650mm未満の場合にあっては腰壁等から1,100mm以上の高さに設けられていること。
[2] 転落防止のための手すりの手すり子
で床面及び腰壁等(腰壁等の高さが650mm未満の場合に限る。)からの高さが800mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で110mm以
下であること。
(2) 主たる共用の階段
次に掲げる基準に適合していること。
イ 次の[1]から[4]まで(住戸のある階においてエレベーターを利用できる場合にあっては、[3]及び[4])に掲げる基準に適合していること。
[1] 踏面が240mm以上であり、かつ、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550mm以
上650mm以下であること。
[2] 蹴込みが30mm以下であること。
[3] 最上段の通路等への食い込み部分及
び最下段の通路等への突出部分が設けられていないこと。
[4] 手すりが、少なくとも片側に、か
つ、踏面の先端からの高さが700mmから900mmの
位置に設けられていること。
ロ 直接外部に開放されている主たる共用の階段にあっては、次に掲げる基準に適合していること。ただ
し、高さ1m以下の階段の部分については、この限りでない。
[1] 転落防止のための手すりが、腰壁等
の高さが650mm以上1,100mm未満
の場合にあっては踏面の先端から1,100mm以上の高さに、腰壁等の高さが650mm未満の場合にあっては腰壁等から1,100mm以
上の高さに設けられていること。
[2] 転落防止のための手すりの手すり子
で踏面の先端及び腰壁等(腰壁等の高さが650mm未満の場合に限る。)からの高さが800mm以内の部分に存するものの相互の間隔が、内法寸法で110mm以
下であること。
3 建築材料又は構造方法により、前2項の規定により難い部分のある加齢対応構造等であって、前2項の基
準に該当する加齢対応構造等と同等以上の性能を有すると認められるものについては、都道府県知事(地方公共団体が整備及び管理を行う高齢者向けの優良な賃
貸住宅に係るものにあっては当該地方公共団体の長、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第50条の規定による地方公共団体の要
請に基づいて独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)又は地方住宅供給公社が整備及び管理を行う高齢者向けの優良な賃貸住宅に係るものにあって
は当該要請をした地方公共団体の長、機構が整備及び管理を行う高齢者向けの優良な賃貸住宅に係るものにあっては機構)は、前2項の基準に該当するものとす
ることができる。
附 則
この告示は、公布の日から施行する。