○国土交通省告示第千三百号
   高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針(平成十三年国土交通省告示第千二百九十九号)の二1に定める事項に基づき、高齢者が入居する賃貸住宅の管理に係る指針を次のように定める。
平成十三年八月六日               国土交通大臣 林  寛子
第一 賃貸住宅の適正な維持保全に関する事項
  一 賃貸住宅の清掃に関する事項
    イ 賃貸住宅の清潔を保つため、日常的に清掃を行うこと。
    ロ 給水タンク等の清掃により入居者の生活に支障を生じるおそれがある場合は、あらかじめ、その内容を入居者に周知すること。
  二 賃貸住宅の点検に関する事項
    イ 賃貸住宅の状況を的確に把握するため、定期的に点検を行うこと。
    ロ 法律又はこれに基づく命令の規定に基づく点検を当該規定に従い実施すること。
    ハ 暴風、豪雨、地震等の災害があった場合は、速やかに点検を行うこと。
  ニ エレベーター等の点検により入居者の生活に支障を生じるおそれがある場合は、あらかじめ、その内容を入居者に周知すること。
  三 賃貸住宅の修繕に関する事項
    イ 賃貸住宅の安全性、居住性及び耐久性に関する適切な性能を維持するため、あらかじめ長期的な修繕計画を作成し、計画的に修繕を行うこと。
    ロ 修繕を行う場合は、あらかじめ、その内容を入居者に周知すること。
    ハ 修繕に当たっては、入居者の安全の確保に十分配慮すること。
  四 その他
    イ 高齢者向け優良賃貸住宅の整備及び管理に関する計画に係る認定事業者である場合にあっては当該認定を受けた計画に関する書類、終身賃貸事業に係る認可事業者である場合にあっては当該認可を受けた事業に係る書類を保管すること。
    ロ 竣工図、設備仕様書等の図書を作成し、保管すること。
    ハ 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第十二条第一項に規定する建築物に該当する賃貸住宅については、同法第八条第二項の規定による維持保全に関する準則又は計画を作成すること。
 
第二 賃貸住宅の適正な賃貸借関係の確立に関する事項
  一 賃貸借契約書を適正に作成し、保管すること。
  二 入居者ごとに、氏名、入居時期、退去時期、敷金の額、家賃の額、入居者の支払額等を記入する帳簿を作成し、保管すること。
 
第三 賃貸住宅の管理を他の者に委託する場合に関する事項
  一 管理を行う者に、第一及び第二に配慮して管理を行わせること。
  二 管理を行う者から、必要に応じ、管理の状況の報告を徴すること。
  三 管理を行う者との間で、一及び二に定める事項を含む管理委託契約書又は賃貸借契約書を適正に作成し、保管すること。