国土交通省
 IMO第47回船舶設計設備小委員会(DE47)の結果について
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平成16年3月8日
<問い合わせ先>
海事局安全基準課

(内線43935、43934)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 2月25日(水)から3月5日(金)にかけてロンドンのIMOで開催された第47回船舶設計設備小委員会(DE47)の結果概要は以下のとおり。

  1. 固定点検設備
    (1)固定点検設備の基準は、もともとエリカ号事故を契機にバハマが提案し、2002年12月のMSC76でSOLAS条約に取り入れられ、今年7月1日に発効(2005年1月以降建造の船舶に適用)することとなっているが、設置基準の厳しさ、腐食の問題等から、2003年の第23回総会において、産業界より再検討が要請されるとともにギリシャがSOLAS条約の再改正を行うことを提案した。
    (2)今回のDE47で詳細検討を行ったところ、ICS等産業界からの提案を基本的に取り入れる形で案を作成し、特に、タンカーに関しては、全てのデッキトランスへの検査点検用足場の設置(VLCCの場合55mを45本程度)が全面的に削除となった。
    (3)今年5月のMSC78でSOLAS条約の再改正が採択されることが見込まれる。

  2. 燃料油タンクのダブルハル化
    (1)MSC73(2000年)でオランダが燃料油タンクのダブルハル化を提案したことを受けて検討を行った。
    (2)今次会合では、新船に適用すること、重質油を積載する燃料油タンクを二重構造にして防護すること等の基本方向が合意され、今後、コレスポンデンスグループを設置して条約改正案を作成し、次回DE48(2005年)で検討することとなった。

  3. ばら積み貨物船の二重船側化
    (1)バルクキャリアの二重船側化に関しては、折損・沈没事故防止のため、2003年のMSC77において、新造船に関し義務付けが合意された。
    (2)今次会合において、二重船側義務付けの対象を、比重1t/m3以上の貨物を運送する長さ150m以上の新造船とするとともに、一の貨物倉への浸水に対する十分な復原性及び強度を要求することとするSOLAS条約改正案を作成した。
    (3)今後、2003年5月のMSC78で承認、12月のMSC79で採択予定(この場合2006年7月に発効)。

  4. 非常用曳航装置
     現在2万D/W以上の油タンカーに義務付けられている非常用曳航装置の適用拡大に関する独提案については、油タンカー等事故の際の環境への危険度が高い船舶以外に適用を拡大するのは慎重な検討が必要として、次回DE48においてさらに提案があれば検討を行うこととされた。

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