平成13年1月24日
国土交通省海事局安全基準課安全評価室
平成13年1月15日(月)に「第3回小型船舶用救命胴衣の常時着用化に関する評価検討会」を開催しましたのでその内容をお知らせします。 |
○ | 海上保安庁のデータに基づく過去7年間(1993〜1999年)船舶海難によらない海中転落事故(注;船舶の衝突、乗揚げ、転覆等の海難に起因しない海中転落事故)のうち、漁船からの転落事故についてのデータ分析結果が紹介され、海中転落による事故者に占める死亡者数の割合が85.7%であること、距岸12海里未満の海域での事故者数の割合が77.5%であること、また、これら死亡者のうち救命胴衣を着用していなかった割合が95.4%であることなどが報告された。 |
○ | 平成12年11月末にドイツで開催されたISO(国際標準化機構)会議における救命胴衣の技術基準の検討状況等に関し、今年3月、12月にも関連する審議が引き続き行われる予定であることなどにつき、同会議に出席した板垣委員より紹介がなされた |
○ |
常時着用型救命衣の必要浮力に関し、身長162cm〜183cm,体重48.5kg〜98.6kgの成人被験者48人を対象とした計測結果に基づき、人間が頭一つを水面上に出して浮揚するために必要な救命胴衣の浮力は約5.8kgであること、また、体重が重い人は肺活量等も大きくなり自身の浮力も大きくなることから、大人を浮揚させるための浮力は体重の大小に関係なくほぼ一定であることなどが、平成7年に当該調査結果をとりまとめた北海道大学教授天下井委員より報告された。 |
○ |
平成13年1月10日に(社)日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所において、大人用の救命胴衣として浮力3.0s、4.5s、5.8s、6.5s及び7.5sの5種類の救命胴衣に関する浮遊性能試験が実施され、この結果が報告された。今回の試験では、静水中においては、漁業従事者が着用しているものと同様の合羽や長靴(合計の空中重量4.67s、水中重量0.89s)を着用した状態でも、浮力5.8kgの救命胴衣を着用していれば水面上に口を出した状態を維持できることなどが報告された。 |
○ | 実海域での使用状況への影響を調査するため、波浪中における、救命胴衣の浮力の違いによる浮遊性能の実証試験(平成13年1月23日実施予定)方案について板垣委員より説明がなされた。 |
○ | また、小児用救命胴衣の静水中での浮遊性能に係る実証試験方案(平成13年1月27日実施予定)について板垣委員より説明がなされた。 |
○ | 救命胴衣着用率向上のための取り組みについて、各委員の所属団体において行われている取り組み状況等が以下の団体より紹介された。
|
||||||||||||||||||||
○ |
|
○ | これまでに確認された小型船舶の事故状況、救命胴衣の着用率、利用者等へのアンケート調査、救命胴衣の技術基準に係る実証試験結果等を踏まえた小型船舶用救命胴衣の着用率向上のための推進方策等について検討が行われた。 |
○ | 上記3(2)の着用率向上策については、委員等からさらに意見を求めていく必要があることから、今後とも引き続き各委員からの意見を踏まえ、本評価検討会としての最終的な提言を取りまとめていくことが確認された。 |
○ | 次回開催は平成13年3月14日(水)を予定。 |
東京商船大学教授(委員長) | 庄司 邦昭 |
東京水産大学助教授 | 宮澤 晴彦 |
北海道大学大学院教授(第3回評価検討会より参加) | 天下井 清 |
日本小型船舶検査機構企画部長 | 渡邊 勝世 |
小型船舶関連事業協議会第一部会長 | 岡本 道晴 |
小型船舶関連事業協議会第一部会 | 高階 尚也 |
(社)日本船舶品質管理協会船舶艤装品研究所主任研究員 | 板垣 恒男 |
(社)日本舟艇工業会環境委員会委員長 | 市倉穂三郎 |
(財)日本海洋レジャー安全・振興協会振興事業部長 | 島田 尚信 |
(社)日本海難防止協会企画部長 | 菅野 瑞夫 |
全国漁業協同組合連合会漁政部長 | 宮原 邦之 |
(社)北海道漁船海難防止・水難救済センター専務理事 | 佐久間 猛 |
マリンイラストレーター | 高橋 唯美 |
(株)舵社ボートクラブ編集部マリンジャーナリスト | 岩瀬 佳子 |
レディーズ・フィッシング・クラブ・オブ・ジャパン会長 | 小島 和子 |
船員災害防止協会安全管理士(第2回評価検討会より参加) | 阿部 勇紀 |
その他関係行政機関等 | |
以 上 |
|