メニューを飛ばしてコンテンツへ進む
サイト内検索

 大臣会見要旨(平成17年8月26日)
ラインBack to home

 

平成17年8月26日(金)
11:07〜11:28
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が5件です。そのうち「公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針について」閣議決定しました。条約の公布が1件、政令の決定が1件、人事案件が7件です。
 私から1点御報告をさせていただきます。今日、閣議の後、第2回のアスベスト問題に関する関係閣僚会議が開かれました。本日のこの会合では、その後の各省庁の取組状況等について、各大臣が報告しました。私からは、まず1点目に運輸関連企業に係るアスベストによる健康被害等の状況に関する調査結果を報告させていただきました。中身は、詳細は担当部局から申し上げますけれども、関係団体を通じまして、約16万者を対象として調査を行ったわけですが、アスベストによる疾病者は172名、そのうち亡くなられた方が130名です。また、鉄道の駅や空港におきましても飛散する状態にはなかったものの、吹き付けアスベストが露出している所が確認されましたので、直ちに囲い込み等の適切な措置を執るよう指導したことについて、報告しています。
 2点目に社会資本整備審議会アスベスト対策部会の設置です。既存建築物における対策を早急にこの部会で取りまとめていただきたいと思っています。
 3点目にアスベストの処理費用、これに関する情報の収集、また提供をしっかり行っていきたいということを報告させてもらいました。
 4点目に道路施設アスベスト対策検討委員会を設置します。以上、4点について中心に、私から今日の会合で報告をさせていただいたところです。今後とも関係省庁とよく連携をとって、対策を進めていきます。この件に関しましては、担当部局から資料を配布させていただきたいと思います。ちなみに今日は、皆様も御関心のことだと思いますが、過去の被害に対する対応について、新たな法案を次期通常国会に提出を目指していきたいという話もありました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 道路公団のファミリー企業の剰余金について、昨日開かれた協議会の中で、社会貢献活動に使っていくということで、会合がスタートしたのですけれど、いわゆる金額について、事務方を務める道路公団の方から、100億円程度見込まれるのではないかという説明はあったのですが、それに対するファミリー企業側の具体的な回答はどうもなかったようで、ただ、方向性は決まっているのですけれど、実際にいくら、どういう分担をするかということについては、まだこれからの検討だと聞いたのですが、大臣としては、どう受けとめていらっしゃいますか。
(答) これをどう分担し、具体的にどういう分野にいくら使うのかということは、今後の詰めだと思います。ただ、率直に申し上げて100億円というのが、私のこれまでのこの問題に対する様々な議論の印象からしますと、果たしてそんな規模で良いのかというのが率直な感想です。
(問) もう一つ道路公団の関係で、民主党のマニフェストなのですが、道路公団を廃止して高速道路を無料化するという案が出ていて、これまで道路公団の民営化を進めてきた与党との立場を明確化していると思うのですけれども、民主党案についてはどのように評価されていらっしゃいますでしょうか。
(答) これは、前回の衆院選の時のマニフェストを多分そのまま踏襲されているのでしょうが、正直申し上げてまだ言っているのだなと思っています。前回の衆院選の時も、衆院選にいたる議論でもあったと思うのですが、そもそも債務償還をどうしていくのかという話が、この民主党の案ではまったく不明確なのですね。債務償還をどうするかということはこの道路公団問題の極めて大事な問題でして、債務返済にあてる財源、償還年数等が非常に不明確であると思いますし、そもそも大変な巨額の債務償還が果たして民主党の案でできるのでしょうかというのが一つです。それから、これは税の議論ですけれども、恐らく道路財源等を念頭に置かれているのかもしれませんが、債務返済にそうした税金をあてることになると、実際、高速道路を利用しているユーザーとそうでない方がいらっしゃるわけですね。そういう高速道路を利用しない国民にも負担を求めることになって、果たして税制という政策から言って、果たしてそれでいいのでしょうか。不公平ではないでしょうかと思いますね。まだ他にもいろいろありますが、具体性が非常に欠けていますし、実現性も非常に乏しいと思っています。
(問) アスベストの閣僚会議で、過去の行政の対応については、どういった御意見があったでしょうか。
(答) 官房長官が記者会見でこの問題については発表していると思います。一応、関係各省の検証作業については概ね完了していますが、さらにはこの問題については非常に長い期間に亘る問題であるということで、さらに精査する必要があるとしている部分もありまして、9月に向けて引き続き精査をしようということになっています。
(問) 大臣としての御意見はいかがでしょうか。
(答) これは、今、実態調査をしっかりやっているところですが、まだ実態調査そのものが不十分です。この実態調査をしっかりやるとともに、過去の行政の対応のあり方については、これはよく検証しないといけないと思うわけですが、今から考えると、もっとこうしていればよかったのではないかというところは、私は当然あるのではないかと思っています。例えば、平成2年10月に、前年の大気汚染防止法の改正等を受けまして、石綿対策関係省庁連絡会議が設置されました。それまでは、関係省庁間の意見交換の場が設けられていなかったという問題があります。また、第2回会合が開催されたのが平成5年5月でして、この問題は非常に多くの省庁が関わっているわけで、そういう意味では、関係省庁間の連携というのは極めて必要なわけですが、充分な情報交換とか意見交換が行われていたのかと言うと、そこにはやはり反省すべきところはあるのではないかと思っています。今後、この検証問題についてもしっかり、さらによく検証を進めていきたいと思っています。
(問) 今の質問の関連ですが、旧運輸、旧建設、旧国土庁など、国土交通省の母体となった省庁の行政の分野で、そういった不備とか不手際、あるいはこうしていれば良かったという点についてはいかがでしょう。
(答) まだ議論をしている最中ですが、国交省としては様々な対応をしてきているとも思っています。これも詳細を申し上げると長くなりますので、これまで、もちろん何もしてこなかったわけではなくて、特に昭和62年以降については、様々な取組をしているところですが、ただこれについてもよく検証しなくてはならない、更に検証する必要があると思っています。
(問) 必ずしも充分ではなかったという認識はお持ちでしょうか。
(答) ですから、実態調査が今まだ続いていますので、そういうことも踏まえながらよく検討したいと思います。
(問) ファミリー企業の問題ですが、近藤総裁は、これはスタートラインだというような趣旨のことをおっしゃっていて、これからも求めるという趣旨にもとれるのですが、大臣もそういう同じようなお考えですか。
(答) 剰余金の話ですか。
(問) はい。
(答) 先ほど申し上げたように、これでいいとは思っていません。これが出発点だという認識は同様です。私はそれと共に、ファミリー企業の皆様にも是非、協力をしっかりしていただきたいということを申し上げたいと思っています。今、民営化を進めている中で、この問題はかねてから指摘をされていた問題です。国会でも度々論議がありました。ファミリー企業の皆様にも、その主旨をよくご理解いただきまして、しっかり協力をしてもらいたいと思っています。そこのところは、当然、民営化された後の経営者の皆さんが判断されると思いますが、その辺の協力の程度如何は、当然、今後のファミリー企業との関係にも大きな影響を与えると思っています。また、この小会社とか関連会社と言われているものは一応77社あるわけですけれども、民営化後の各民営会社と77社の小会社、関連会社との関係をどういう関係にしていくのか。これは、最終的には当然民営化された後の会社が判断されることになるわけですが、そこの基本的な考え方は、確か近藤総裁は、民営化会社に取り込んでしまう、それから子会社化する、更には全くの取引先、通常の多くの取引先の一つとするかの3種類あるんだと仰っていましたが、私はやはり民営化される10月1日前にきちんと出す必要があると思っています。単に民営化後に、それぞれの民営化会社の経営者が判断すればいいと、最終的にはそうですが、基本的な考え方については、是非10月1日前にきちんと方向性は出さないといけないのではないかと思ってるところです。
(問) それに関連して、ファミリー企業の内部化というか、出資して完全に子会社化するということの是非については、大臣のお考えは何かありますか。
(答) 道路公団は分割民営化されるわけです。民営化されるということの一番のポイントは、如何にコストを抑制していくのかというところであり、当然、新しい経営者の方々は一番努力をされるわけです。そうすると、当然、これまでファミリー企業との関係で、様々な仕事をしていただいている。料金収受等の様々な分類の仕事がありますけれども、そのコストを如何に抑制していくのかというのは当然考えると思います。そういう意味で、従来のような関係であっては当然ならないと思っています。それで、内部に取り込むというのは、それは逆に言うと民営会社がどんどんまた大きくなってしまいますから、そこはよく御判断していただく必要があるのではないかと思います。やはりコストを抑制していくという意味では、本体は、できるだけスリムにやっていただかなければならないわけです。そういう意味では、ある会社を丸ごと内部に取り込むということが、果たしてあるのかなというようには思っています。子会社化というのは、業務の内容によっては、十分あるのではないかと思います。いずれにしてもその関係性についてはオープンにしてもらう必要がありますし、それが非常に大事です。さらに民営会社からすれば、当然コストをいかに縮小するかという観点で物事が判断されていくと思っています。
(問) 尼崎の脱線事故の関係ですけども、事故調査委員会が9月1日に中間報告を議決という見通しになりましたけど、大臣は以前に8月中ということで伝えてたと思いますが、若干ずれ込んだということについてはどのようにお考えですか。
(答) 若干と言っても、ほんの若干ですから、一生懸命今、本当に精力的にやっていただいています。8月中は、ちょっと過ぎてしまいますけども、私も逐次報告を受けていますが、9月の始めには、皆様に御報告をさせていただけると思っています。これは中間的なとりまとめになるわけですが、とりまとめとともに私の方へ建議という形で、事故調査委員会としての御意見も頂戴するというようにも聞いています。しっかりその内容について検討し、しっかり取組させていただきたいと思っています。それと中間的なものとはいうものの、事故後4ヶ月余り経っているわけです。この事故調査委員会のこの中間的とりまとめに一番関心を持っていただいている方々は、やはり私は被害者の方々だというように思っています。そういう意味で皆様にきちんと御報告するとともに、何らかの形で被害者の方々にはきちんと、中間的な段階ではあれ「客観的な事実関係はこうでありますよ、こうであった」ということは、その判明している事実関係は、きちんと何らかの形で、御報告をしなければならないのではないかと私は思っています。


過去の大臣会見へ

ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2005, Ministry of Land, Infrastructure and Transport