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  大臣会見要旨(平成18年1月20日)
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平成18年1月20日(金)
9:50〜10:12
国土交通省会見室

 

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議ですが、一般案件が10件、条約の公布が1件、法律案の決定が5件、この中に石綿による健康被害の救済に関する法律案があるのですが、その関係で建築基準法の一部を改正する法律案も含まれています。政令の決定が7件、改正耐震改修促進法についての政令が2本、法律の施行期日、これは1月26日にこの法律が施行となります。もう一つの政令は、この法律の特定建築物の規模につきまして拡大する等の政令です。それから人事案件が6件です。今日から通常国会が始まります。国土交通省といたしましても、まずは補正予算、そして18年度予算案、さらには重要な法律案についても提出を予定をしているところですので、しっかりと取組をさせていただきたいと思っています。
 


質疑応答

 
(問) 幹事の方から1点、耐震偽装関係でお尋ねします。昨日の国土交通委員会の参考人招致で耐震偽装マンションの被害者住民から国の支援策について、建て替えの負担が重いといった意見やホテルの経営者からも建て替えについて何らかの助成を求める要望が出てましたが、これについて大臣の御所見と追加的な支援策や負担軽減策についてどういったお考えをお持ちかをお聞かせ下さい。
(答) まず、危険な分譲マンションにお住まいの居住者の皆さんに対する支援策です。何度もこの件については申し上げてきているところですが、居住者の方々の居住の安全の確保、また居住の安定の確保ということを最優先に、この支援スキームをとりまとめ、これまで特定行政庁とも協議をしながら、住民の皆様と話し合い協議をしているところです。退去予定の方々を含めまして、相当程度、退去の見通しも立ってきたというように思っているところですが、今のお話につきましては、今回の支援スキームというものは、既存の制度というものをできる限り活用いたしまして決めさせていただいた支援スキームです。また災害等の際の支援とのバランスも当然考えた上でつくった支援スキームでして、相当な支援制度はさせていただいていると思います。住民の方々のお気持ちというのは、よく私も理解できますが、やはり一定の負担というのがあるのは、是非御理解を御願いしたいと思っています。これからいろいろな建て替えについてのやり方があると思います。住居一戸当たりの規模というものを小さくして戸数を増やす、そして、各世帯の負担というものを軽減していくというような方法もあります。いろいろな方法があるかと思っていまして、負担ができるだけ小さくなるように、住民の皆様とよく協議をさせていただきたい。いろいろな手法があると思いますので。もう1点、この際申し上げておきますけども、前も申し上げたと思いますが、私はやはり金融機関の皆様にも協力していただく必要があると思っているのです。それはどういうことかと言いますと、それぞれの分譲マンションのそれぞれの居住者との関係で、金融機関様々から、それぞれ皆さん住宅ローンを持って、当然購入されているわけです。これは金融機関の側から見たら、共有の土地とその区分所有権の建物の部分について、抵当権等を設定されて、そして金融機関が住宅ローンで融資されているわけです。しかし、これは建物については、この危険な分譲マンションについては、価値はゼロですよね。この価値がゼロの建物について、担保権を設定していらっしゃるわけです。解体は今度これからしていくわけですが、解体をする際には、行政として強制的に除去命令を出していくという場合は別として、単に所有権者の同意だけではなくて、担保権者、登記をしている抵当権者の同意も必要なのです。金融機関の同意も必要なのです。さらに建て替えをしますね。建て替えをした物件について、従来の金融機関との抵当権設定はどうなっていくのか。新たに抵当権を設定するかどうか。こういう問題が、これからそれぞれの金融機関との間で議論になってくるわけです。先程、申し上げたように建物については、無価値な、無価値と言うよりはマイナスです。解体するにもコストがかかるわけですから。解体をして整地をもう1回するわけです。そういう意味では、更にコストがかかるわけで、少なくとも無価値な抵当物件、建物について、担保権を設定されているというのが現状なのです。それを建て替えて、新しい物件について、当然のごとく金融機関が抵当権を新たに設定できるのでしょうかという問題が、これは当初からあるわけなのです。私はそういうことを考えても、金融機関の皆様にも、解体、そして建て替え後の建物への抵当権の設定等を円滑にしていくためにも、これはやはり協力していただく必要があるというように思っています。ただ金融機関がそれぞれ全部違いますので、個々の交渉にこれはなってくるわけですが、私どもといたしましては、そういう問題意識を当初から持っておりまして、全銀協等々の金融機関の加盟団体に対してはそういうことはお話をさせていただいて是非協力をお願いしたいということは申し上げているところですし、また金融庁の方にもそういう問題意識があることは伝えています。またこれからもそういう努力をしていきたいと思っているところです。そういうように、金融機関側も少し考えてもらう必要があるなと。そういう居住者の方々のリスクを軽減していくためにも、私は金融機関側にも協力はしていただきたいなと思っているところです。
(問) 金融機関の協力というのは具体的にどういうことを想定されているのでしょうか。
(答) それは本当に個々のこれからの交渉になっていくわけですが、考えられるのは金利の問題ですね。金利をどうしていただけるんでしょうかという問題もあるでしょう。それから支払期間、毎月の支払い金額。こういうものをどのように考えていただけるんでしょうか。居住者の方々が不可能な、毎月の通常のやり方での負担額でいいのでしょうかと。可能な範囲でお願いできないかだとか、いろいろな選択肢があるのかなと思います。個々の金融機関の皆様との、それから住民の方々との協議になるわけですが、私どもとしてはそもそも担保価値のないものに担保を設定していて、それが建て替え後に担保価値が上がるというのは不自然ですから。当初からこれは担保価値がない建物に、担保権、抵当権を設定して、この支援スキームに基づいて一部税金も投入されて、それで新しい建物が出来たとします。当然のごとく抵当権が設定されるというのは、これは私はいかがなものかと思っています。
 
(問) 国交省の所管の金融機関として住宅金融公庫があるわけなんですが、これについてはどのように対応すべきだというようにお考えですか。
(答) 住宅金融公庫については前に申し上げたとおり、金利の問題、また据え置き期間等、これも災害時等と同じような類似のやり方があると思っています。もちろん問題は民間の金融機関だと思っています。昨年のかなり早い段階で全銀協の方にはこちらのそういう考え方をお伝えしています。ただ全銀協も個々の金融機関については、あれこれ強制的に言える立場ではありませんので、ただこちらの問題意識というのは全銀協の方には伝えてあります。
 
(問) ホテルについて、既存の耐震改修制度も原則としては使えないというような方針も出されていますが、追加的にということがあれば。
(答) まず原則的な考え方というのは、ホテルであれ賃貸の物件であれ、これは建築主は事業者の方々です。そして、その事業者の方々が施工者を選び、そして設計士も選んでいらっしゃるわけです。そういう意味では、事業者間の問題です。ここは、私はやはり分譲マンションの居住者の方々とはちょっと一線を引く必要があると当初から申し上げているとおりでして、原則これは事業者間でやはりやっていただきたい。私、正直不思議なのは、何故事業者の方々が裁判を起こされていないのかなんです。だから、もちろん公的支援とおっしゃるのも理解できますが、まず事業者の方々におかれましては、そういう危険なホテルなり、賃貸マンションなりを建ててしまった。それには、その建築主側から言わせますと施工者なり、設計士なり、そこに対して追及するちゃんとした法的手段が当然のこととしてあるわけです。それが、私が知る限りは、そういうのが行使をされたというのはまだ聞いていません。私は、是非まずそういうホテルの所有者の方々については、法的な責任追及を当然検討されていると思いますが、そこを是非やっていただきたいと。何度も申し上げるように、事業者間でまず一義的には解決をしていただくことが大切だと思いますので、法的な責任追及を他の事業者、関係事業者に対して求めていくというのが、まずやっていただきたい事だなと思っています。そのうえで、一つは地方公共団体、そのホテルなり賃貸マンションなりがあります地方公共団体がどう考えているのかということも、やはり大切なことです。地方公共団体側が、まったく自分たちは支援をしていく予定はないというのであれば、これはその地方公共団体の方の意思を尊重する必要が当然あるわけであります。そういう意味で、よく地方公共団体と今後のことについては、協議をしていく必要があると思いますが、現時点で私が聞いているところでは、地方公共団体、特定行政庁の方では、必ずしもそういう事業者についての支援というのは、現時点では考えていないというように聞いているところです。あと、一般的な様々な制度というのはあります。それはもちろん使えるわけでして、一般的な例えば金融支援の制度とか、そういうのは要件に該当さえすれば適用できるわけです。そういうことは当然検討はされていくことになるとは思いますが、現時点ではそういうことだというように認識をしています。
 
(問) ホテルですけれども、改修計画を自治体に提出してもなかなかこの改修計画が、これで問題が解決できるかということを判断できない自治体もあって、なかなか工事に着手できないという声が上がっているんですが、この点は何か聞いていらっしゃいますか。
(答) ちょっと具体的なお話は私は聞いていませんけれども、今のお話は建て替えではなくて耐震補強の話ですか。
 
(問) 補強の場合です。
(答) 補強ですね。具体的には、そういうお話は聞いていませんが、これは、耐震補強をしていくということは大事なことですので、当然、特定行政庁、地方公共団体との間で、よく協議をしなければならないことだと思います。そこで、何か事務的な問題があるならば、そこは変えていかないといけない。ちゃんと特定行政庁の方もよく話を聞いてしっかり協力をしていかないといけないと思います。今のはコスト負担の話ではなくて、事務手続きの話で仰っているのであれば、これは円滑に進めていく必要があると思います。
 
(問) 羽越線の事故について1点お伺いしたいのですが、御承知のように、来週1ヶ月になるのですが、運転再開もありましたので、ひとつの区切りでもあるので、そろそろ事故調に何らかの報告を公表していただきたい。もちろん、まだ結論が出ていないのは、重々承知のうえで、現状でどのような調査状況になっているのか。例えば、気象庁の方も入られて現地を見られているわけですし、幾ばくかは我々に開示していただける情報もあるのではないのかなと思っているのですが、その辺ご所見は如何ですか。
(答) これは申し上げていたところですが、最終的な事故原因の判定には相当時間が掛かります。ですから、その間、当然、この事故原因が何であったのかということについては、被害者の方々は当然ですけれども、多くの関係の皆さんがご関心を持ってらっしゃるわけでして、事実関係で明らかにできることについては、適宜、皆さんの方にご報告をしていく、情報を開示していくということは非常に大事なことであるということは、事故調の方にも、これまで私の方からもお願いをしてきているところです。事故調の方も、そのことをよく理解していると思います。恐らく、本当は色々な情報開示を分かり次第、皆さんにしたいと思っていると思うのですが、多分、そこのところが、中々、皆様の方にお話をできることが現時点で十分ではないのではないかと思います。基本的な姿勢については、できる限り、その都度、適宜、情報開示をしてくださいということは、当初から、この件について、私もお願いをしています。ですから、決して隠しているだとかということは多分ないと思います。色々やっているのだけれども、まだ、十分に、ある部分でもお話できる状況になっていないのではないかと思いますが、今日、そういうお話があったことは、改めて事故調の方には伝えておきます。
 


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